【華文ミステリおすすめ15冊】中国の推理小説が人気

華文ミステリ小説

華文ミステリというジャンルが勢いがあります。

中国(中華)のミステリ小説の評判が高く、翻訳小説も増えています。

そんな、中国作家による華文ミステリ小説をまとめました。

華文ミステリ一覧

「辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿」 莫理斯 (トレヴァー・モリス)(著)

第9回(2023年)日本翻訳大賞 受賞作

第11回(2023年)翻訳ミステリー読者賞 受賞作

香港が舞台のミステリ歴史小説

清朝末期の香港を舞台に、中国人の福邇(フー・アル)と華笙(ホア・ション)が事件を解決していく・・

1880年代の香港の描写や歴史もわかるホームズ・パスティーシュ作品

もちろん、シャーロッキアンにもおすすめの華文ミステリです。

 

注目!「両京十五日 1:凶兆」 馬伯庸(著)

中国歴史サスペンス超大作

現代中国を代表するミステリ作家で、累計165億回再生越えの大ヒットドラマ「長安二十四時」の著者

15世紀の中国、明の時代。北京から南京に遣わされた皇太子が、爆発による襲撃で襲われる。北京にいる皇帝も命を狙われていることを知った皇太子は、南京から北京へ向かうが刺客が襲ってきて!?ーー

第2作目の「両京十五日2:天命」も発売されています。

 

「厳冬之棺」 孫沁文(著)

厳冬之棺
早川書房
発売日:2023/9/20

このミステリがすごい!2024年版【海外編】第12位

上海が舞台の華文ミステリ

天才漫画家探偵・安縝(あんしん)が活躍。

上海郊外の湖畔。陸家の館で殺人事件が起きる。事件現場は、大雨で水没した地下室のため、密室だったが!?・・

 

「幽霊ホテルからの手紙」 蔡駿(著)

日本翻訳大賞 最終候補作

サスペンス・ホラー

ある夜、バスで隣り合わせた血だらけの美しい女性・田園(ティエンユエン)から、木の小箱を預かった作家の周旋。「あの箱を幽霊旅館に届けて。」という女性からの留守電で、幽霊旅館を訪れるが!?・・

 

「大唐泥犁獄」 陳漸(著)

唐の時代を舞台にした時代ミステリの傑作

大唐の第二代皇帝に即位した李世民の治世。旅の僧・玄奘と従者の波羅葉は、霍邑県を訪ねた際、県令郭宰の屋敷の女中から「県令夫人を祟る悪鬼を祓ってほしい」と申し出られる。。

しかし、対面後、夫人は「今すぐ霍邑から立ち去れと」言い出す。その夜から相次ぐ怪現象と襲撃がくり返されるが!?・・

 

「蘭亭序之謎」 唐隠(著)

史実と虚構の入り混じる華文サスペンス

唐の憲宗の時代。皇帝の重臣・裴度の姪の裴玄静は、7歳で殺人事件を解決して以降、「女名探偵」として知られていた。しかし、父の死後、故郷を追われ、玄静は、叔父を頼り長安へ向かう。そこで叔父の親友・武元衡の暗殺事件に遭遇し!?・・ 武大臣は、暗号の形で「王羲之の『蘭亭序』に隠された秘密を解き明かし、黒幕の正体を暴いてくれと託しているが!?・・

玄宗と楊貴妃以後の唐の時代ーー

 

「忘却の河」 蔡駿(著)

中国のスティーヴン・キングと言われる著者の異色ミステリ

1995年、中国。エリート進学校で女子高生が殺害される。容疑者とされた国語教師も何者かに殺され、事件は未解決のまま終わる。。9年後、天才的な頭脳を持つ小学生の周囲で不可解な事件が起こる。少年は何者なのか!?国語教師を殺した犯人は!?--

 

「黄」 雷 鈞(著)

黄
文藝春秋
発売日:2019/7/24

「このミステリがすごい!2020版」の第16位にランクイン

「中国の孤児院で育ち、ドイツ人富豪の養子になった盲目の青年が、推理力に長けていて、中国文明発祥の地である黄土高原に向かうが…」というあらすじです。



周 浩暉

最新作は、2024年5月発売の「7人殺される」です。

 

「死亡通知書 暗黒者」は、華文ミステリの最高峰と言われ、高い評価を受けました。

このミステリがすごい!2021年版【海外部門】第4位

中国でシリーズ累計120万部突破、ドラマ版は24億回再生されています。

 

「邪悪催眠師」は、「死亡通知書 暗黒者」の前日譚となります。

邪悪催眠師
ハーパーコリンズ・ジャパン
発売日:2022/8/24

 

紫 金陳

「検察官の遺言」 紫 金陳(著)

中国で大ヒットしたドラマの原作「悪童たち」で有名になり、「知能犯の時空トリック」で話題を呼んだ作家の最新作

地下鉄で拘束された張弁護士。彼のスーツケースには、江検察官の遺体が入っていた。。当初、犯行を認めていた張弁護士だが、突如、法廷で無罪を主張し!?・・

 

「知能犯の時空トリック」 紫金陳(著)

「悪童たち」で話題になった中華ミステリの新星の最新作。

新感覚の倒叙ミステリー

県検察院のトップが、計画停電の夜に殺された。唯一の目撃証言からの容疑者は、ベテラン警官・葉援朝だった。。葉への内偵が進められる中、新たな死者が出る。。葉援朝の背後には、彼を伯父と慕う物理教師の影があるが!?・・

悪童たち
早川書房
発売日:2021/7/14

 

陳 浩基

華文ミステリの火付け役とも言われている香港警察を取り上げた1冊です。

香港の歴史や文化はもちろん、街描写なども豊富なので、香港旅行を計画されている人にもおすすめの警察小説です。

 

「ディオゲネス変奏曲」は、「このミステリがすごい!2020版」で第5位にランクインしています。

「網内人」は、2020年各種ミステリランキングでベスト10入りしています。

 

陸 秋槎

《本屋大賞》翻訳小説部門第2位にもなっている「雪が白いとき、かつそのときに限り」があります。 中国現代物ミステリです。

 

2000年以上前の”前漢時代”の中国を扱ったミステリーに「元年春之祭」があります。「このミステリーがすごい! 2019年版」で第4位となっています。

その他にも、青春ミステリの「文学少女対数学少女」「ガーンズバック変換」などの作品があります。



中華ミステリ 【あらすじ&レビュー】

「辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿」 莫理斯(トレヴァー・モリス)著

辮髪のシャーロック

章のタイトルやストーリーの根幹などもシャーロック・ホームズをもじった構成になっています。

レビュー

ストーリーはもちろん、清朝時代の香港や当時の中国のことなどがわかり、面白く、おすすめだと感じました。

多くの注釈でわからない言葉の補足や香港の歴史などもわかります。

清仏戦争の流れなどを小出しに挟みながら、広東語や北京官話などの地方の方言など、大陸の感覚や文化を味わえる小説でした。

訪ね人の人物分析など、ホームズ節も含んでいて、ホームズファンが楽しめる内容になっています。

清朝末期まで、今後、シリーズは4巻になるそうです。

シャーロッキアンはもちろん、そうでなくても十分、楽しめる1冊だと思いました。

 

「邪悪催眠師」 周 浩暉(著)

邪悪催眠師3.5

中国、龍州市(架空)。冒頭、奇怪な事件がたて続けに2件起きる。。どうやら催眠をかけられているのではないかという事例で、刑事は催眠療法の第一人者の催眠師に協力を仰ぐ。

この人物は催眠師大会の大会主催者だが、催眠師大会も犯人に狙われ!?・・

レビュー

犯人の過去なども含め、入れ子になっている事件の真相も面白く、読みやすい1冊でした。

中華警察小説という雰囲気もしっかりとあり、細かな所に事件解決への謎を散りばめながら少しづつ明かしていく手法が、先を読みたくなる構成でうまい文章だなと感じました。

周 浩暉は、中国の東野圭吾と言われてるらしいですが、スラスラと読めるミステリとして言い得て妙だなと思いました。

名門理系の清華大学(世界大学ランキング16位「アジアでトップ」17位は北京大学)というのも納得の文章のうまさかな!?とも思いました。

 

「13・67」 陳 浩基(著)

1367陳浩基
4.0

香港警察ミステリ

華文ミステリの火付け役とも言われ、文春ミステリでは1位を獲得。

2013年〜1967年に現代から過去へさかのぼるような構成になっています。

1967年の反英暴動や香港警察の汚職、天安門事件、97年の香港返還やSARS、2013年の雨傘革命など6つの史実を絡めたミステリ小説です。

レビュー

どの物語もよくできており、面白かったです◎ミステリとしても楽しめました。

短編集のような感じで章ごとに物語が違いますが、主人公を通して全体的には繋がっているという感じです。

短編集ほど物語が短か過ぎず、1つ1つの話がしっかりボリュームもあります。

華文ミステリの先駆けだよ

街描写なども豊富なので、香港に行かれる方はもちろん、香港が好きな人にもおすすめの1冊だと思いました。