【社会派小説・読んでおきたい15冊】池井戸潤や山崎豊子作品など

社会派物語小説

社会派小説と言われる分野の小説をまとめています。

会社などの企業、経済小説、教育問題、宗教問題など、現代社会問題や過去の事件などがテーマの小説を掲載。

実在の事件をモデルにした作品で、映画化やドラマ化されている作品も多数あります。

会社・企業小説

「オレたちバブル入行組」 池井戸 潤(著)

2013年に放送されたTBS系ドラマ「半沢直樹」の原作本

ドラマは、最高視聴率42.2%、瞬間最高46.7%を記録しました。

平成の民放ドラマ1位で決めゼリフの「倍返し」は、流行語にもなりました。

 

「空飛ぶタイヤ」 池井戸 潤(著)

2004年に起きた三菱ふそうの事故から発覚した事件をモデルにした小説

綾瀬市の運送会社がトレーラーで走行中に、左前輪が突然脱落(空飛ぶタイヤ)しました。この事故をきっかけに、三菱自動車のトラック・バス部門「三菱ふそう」がリコール隠ししていたことが発覚します。この運送会社の社長が、大手の三菱自動車を相手に奮闘する姿が描かれた小説です。

 

「鉄の骨」 池井戸 潤(著)

大手ゼネコン業界の深い闇とは!? 「談合」とは!?ーー

2007年に、名古屋市発注の地下鉄延伸工事をめぐり、大林組、清水建設、鹿島建設などゼネコン5社の営業担当者が逮捕される談合事件がモデルと言われています。

2010年にNHKドラマ化

 

「沈まぬ太陽」 山崎 豊子(著)

日航ジャンボ機墜落事故(1985年)を背景に、日本航空(JAL)がモデルと言われています。

単行本・文庫本は700万部超を売り上げ、山崎豊子作品の中でも最も売れたベストセラーと言われています。

国民航空の労働組合委員長・恩地元は、労働環境の改善を求め、経営陣と激しく対立する。安全を軽視した経営陣に疎まれ、恩地元は、社内規定を越える約10年間の海外(カラチ、テヘラン、ナイロビ)などの僻地へ左遷を繰り返されるが!?・・

 

「クライマーズ・ハイ」 横山 秀夫(著)

日本ミステリ界の巨匠による旅客機企業小説

1985年、御巣鷹山に墜落したJAL(日本航空)123便。未曾有の大惨事を巡る新聞記者の奮闘。

新聞記者だった著者の実体験を元に執筆された名作。

 

「海賊とよばれた男」 百田 尚樹(著)

2013年(第10回)本屋大賞 受賞作

出光興産創業者・出光佐三をモデルにした一代記

1945年、敗戦で全てを失った日本。そんな中、異端の石油会社「国岡商店」店主、国岡鐡造は立ち上がる。築きあげた会社資産を殆ど失い、借金を背負いながらも、店員を1人も馘にせず再起を図るーー

岡田准一さん主演で映画化済みです。



銀行・証券・経済小説

「リーマン・トリロジー」 ステファノ・マッシーニ(著)

史上最大の金融危機・リーマン・ショックが題材の小説

リーマン一族三代の興亡と資本主義社会

1844年、バイエルン出身の青年ヘンリー・リーマンは、新しい生活を夢見てニューヨークに降り立った。青年は、2人の弟と共に、アメリカ南部で綿製品の店を開き、事業を拡大する。利益のためなら戦争までも商機とし、金融界でのし上がるが!?・・

2008年、100年に1度の金融危機となったリーマン・ショックで破綻した、リーマン・ブラザーズの成り立ちとは!?・・

 

「ハゲタカ」 真山 仁(著)

NHKでテレビドラマ化もされた原作小説

バルチャー(ハゲタカ)・ビジネス。不良債権を抱える企業の株や債券を買い、再生して莫大な利益をあげる。ニューヨークの投資ファンド社長の鷲津政彦は、不景気の日本に戻り、企業買収の成果をあげていくが!?・・

 

「金融腐蝕列島」 高杉 良(著)

銀行の暗部にメスを入れた経済小説ベストセラー

大手都銀・協立銀行の竹中治夫は、総会屋対策に奔走するが、不正融資に手を貸してしまう。ダーティーな融資で、信用が失墜する銀行。竹中は、組織と個人の狭間で、葛藤するが!?・・

 

「マネーロンダリング」 橘 玲(著)

金融知識豊富な金融情報小説

元バンカーの美女の要求は、脱税だった。。「五億円を日本から送金し、損金として処理してほしい」そして、女は、五億ではなく、五十億の金とともに消えた・・

香港と日本を舞台にした金融ミステリ。



教育現場小説

「十字架」 重松 清(著)

十字架
講談社
発売日:2012/12/14

吉川英治文学賞 受賞作

いじめを止めなかった。ただ見ているだけだった。それは「罪」なのか!?ーー

いじめを苦に自殺したあいつの遺書には、僕の名前が書かれていた。ただ、黙ったいじめを見ていただけだった僕の名前を。残された家族は、僕のことを赦してくれるだろうか!?・・ いじめ自殺から残された人々の魂の彷徨。

 

「闘う君の唄を」 中山七里(著)

闘う君の唄を
朝日新聞出版
発売日:2018/8/7

幼稚園教諭の凛せんせい vs モンスターペアレンツ

埼玉県の幼稚園教諭として赴任した喜多嶋凛。モンスターペアレンツと対立しながらも、周囲から少しずつ認められていくが!?・・

 

宗教問題小説

「狙われた羊」 中村 敦夫(著)

カルト教団のマインドコントロールの恐怖とは!?--

探偵・牛島の元に、息子を、怪しげな団体から取り返してほしいと依頼が舞い込む。調査を開始すると、その息子は、様々な問題を起こしているカルト教団に入信していることがわかり!?・・

 

「名探偵のいけにえ:人民教会殺人事件」 白井 智之(著)

第23回(2023年)本格ミステリ大賞 受賞作

[2023年版] このミステリがすごい!【国内編】第2位

カルト宗教絡みの謎解きミステリ

1978年、南米ガイアナで起きた人民寺院事件をモデルした小説。ガイアナ共和国のジョーデンタウンでの滞在日数ごとに進む物語。密室推理など、連続殺人のミステリとどんでん返し。

 

現代社会問題小説

「コンビニ人間」 村田 沙耶香(著)

2016年(上半期)芥川賞 受賞作

「普通とは何か?」を問う自伝的純文学

コンビニバイト歴18年の古倉恵子。36歳未婚、彼氏なし。コンビニ店員でいる時だけ世界の歯車になれる・・。ある日、新入りの男性、白羽に「そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい」と言われるが!?・・

 

ノンフィクション・政治絡み

「テロルの決算」 沢木 耕太郎(著)

沢木耕太郎の傑作ノンフィクションの金字塔

[1979年] 大宅壮一ノンフィクション賞 受賞作

17歳の右翼の少年・山口二矢を追ったノンフィクション。1960年、日比谷公会堂での演説中に刺殺された社会党委員長・浅沼稲次郎。公衆の面前で凶行に及んだ少年は、何故、テロリストになったのか!?ーー