南アフリカ作家の小説をまとめています。
ノーベル文学賞作家のJM・クッツェーを筆頭に、(英)ブッカー賞受賞作など。
ミステリー、ノワール、クライムノヴェルなどのジャンルの作品があります。
リアリズム小説とは!?
リアリズム小説とは、小説というフィクションの中にあって、リアリティーが含まれている小説のことを言います。
現実と異なる世界を作り上げている小説に、非現実的な嘘ではなく、リアリティーが求められるのがリアリズム小説の特徴です。
例えば、南アフリカ出身のJ・M・クッツェーの作品では、人種問題、アパルトヘイト政策など、現実社会の問題点を浮き彫りにしています。
南アフリカが舞台の小説
「約束」 デイモン・ガルガット(著)
【2021年】英国ブッカー賞 受賞作
南アフリカ。アパルトヘイトの社会変革の渦中。プレトリアで農場を営む白人家族と黒人メイドの土地所有権をめぐる約束が、40年に渡り運命を翻弄する。 アフリカ文学最先端の1冊。
「恥辱」 J・M・クッツェー(著)
[1999年] 英ブッカー賞 受賞作
ノーベル文学賞作家で、2度のブッカー賞受賞作家でもあるJ・M・クッツェーは、南アフリカ出身の作家です。
リアリズム小説と言われる小説のスタイルを得意としていて、南アフリカの辿ってきた歴史を浮き彫りにした著作などがあります。
1983年には「マイケル・K」でブッカー賞を受賞しています。
傑作と言われている「鉄の時代」や「夷狄を待ちながら」、「敵あるいはフォー」などの作品も。
「アパルトヘイトの残滓」 竹中 寛(著)
2000年代の南アフリカが舞台の社会派ビジネス小説
アパルトヘイト(人種隔離政策)廃止から10年が経ち、黒人の地位向上に腐心する南アフリカ。ある商社員の物語。総合商社に勤める主人公が南アフリカに赴任する。そこで目にした人種差別と格差の無い理想の社会とは程遠い現実・・
南アフリカの状況から見えてくる世界のリアル。
「流血のサファリ」 デオン・マイヤー(著)
ATKV賞ベスト・サスペンス小説賞 受賞作
南アフリカ・ミステリーの最高峰とも言われる1冊。
コンサルタント業を営む美女、エマ・ルルーは、プロのボディガード、レマーを雇う。クルーガー国立公園近くの銃撃事件の容疑者が20年前に失踪した兄ではないかという。。レマーは、エマと共に兄を捜しにリンポポ州に向かうが!?・・
「血のケープタウン」 ロジャー・スミス(著)
南アフリカ・ノワール
ケープタウンにやってきたアメリカからの逃亡犯ジャック。しかし、自宅に押し入った強盗を殺してしまう。。エリート内部捜査官、悪徳警官、元ギャングなどを巻き込み、運命が破局へ向かうが!?・・
南アフリカという国のダークサイドが見え隠れする1冊。
「ZOO CITY 【ズー シティ】」 ローレン・ビュークス(著)
[2011年] アーサー・C・クラーク賞 受賞作
南アフリカのヨハネスブルグが舞台の都市SF
猥雑な南アフリカのスラムやカルチャーなど.. 特殊能力を持つ、獣を連れた人々が暮らす街で起こった奇妙な事件とは!?・・
恥辱 【あらすじ&レビュー】
「恥辱」 J・M・クッツェー(著)
ブッカー賞受賞作
アパルトヘイト撤廃後の南アフリカ情勢を背景に、ひとりの男の転落の物語
レビュー
現在の南アフリカの社会的、政治的、経済的諸問題が少しわかりました。
物語は読みやすく、悲惨さを感じない軽さです。
内容的には明るいテーマという感じではありませんが、暗い気持ちになる小説ではなく、悲壮さもあまり感じない読後感となりました。
切ない恋愛ともとれますが、現代にも通ずるセクハラ・パワハラ問題の闇というテーマも含んでいます。
冊子が薄くいっき読みタイプの読みやすさでした。