注目の英国ミステリ新刊をまとめています。
有名ミステリ作家の最新作など、本格謎解き推理小説が多く発売されます。
毎年、年末ランキングの1位を独占しているアンソニーホロヴィッツやホリー・ジャクソンの新作などが発売となっています。
【英国ミステリ】近刊が中心
「処刑台広場の女」 マーティン・エドワーズ(著)
英国ミステリ界の内側に切り込み、英国探偵小説黄金時代を扱った書籍「探偵小説の黄金時代」で、MWA賞(研究・評伝部門)を受賞した著者の謎解きミステリ
1930年、ロンドン。突き止めた殺人者を死に追いやるとの黒い噂がある名探偵レイチェル・サヴァナク。新聞記者のジェイコブは、レイチェルの秘密を暴こうとするが、不可解な事件に巻き込まれ!?・・ 真実は「処刑台広場」に!?ーー
「薬屋の秘密」 サラ・ペナー(著)
全米100万部突破の英国翻訳ミステリ
18世紀、ロンドン。路地裏にひっそりたたずむ薬屋があった。男に苦しめられた女性が、「毒」を求めてやってくる。。現在、大学で歴史学を学んだキャロラインは、謎の薬屋がおかした連続殺人を調べることになるが!?ーー
「魔の聖堂」 ピーター・アクロイド(著)
都市迷宮小説の傑作
時間、空間、現在と過去が交錯するミステリ
現代のロンドン。ホークスムア警視正は、連続する少年殺人事件の謎を追う。次第に暗い影が見えてきて!?・・18世紀、ロンドン大火後の都市計画。異端の聖堂建築家ダイアーが、建設中の7つの教会に仕掛けたたくらみとは!?ーー
「終着点」 エヴァ・ドーラン(著)
英国ミステリ界の新鋭の傑作
ロンドンに建つ集合住宅。見知らぬ男に襲われ、身を守るために殺してしまったと語る女性。謎多き事件だが、全てが暴かれる「終わり」に向けて疾走するーー
謎解き推理の人気シリーズもの
「ワインレッドの追跡者:ロンドン謎解き結婚相談所」 アリスン・モントクレア(著)
人気謎解きミステリシリーズ最新作
戦後ロンドン。ワインレッドのコートを着た女に尾行されていると気づく結婚相談所の経営者アイリス。自宅には、戦時中の情報部員だった元恋人が来ていた。しばらく潜伏すると言われたアイリスは、グウェンの家に泊めてもたうが、後日、アイリスの部屋から女性の死体が発見され!?・・
「エリザベス女王の事件簿 バッキンガム宮殿の三匹の犬」 S・J・ベネット(著)
世界最高齢の国王ミステリ第2弾
2022年に発売された「エリザベス女王の事件簿」シリーズの最新作
英国ミステリらしい作品。
EU離脱で沸く2016年の英国。バッキンガム宮殿で王室家政婦が不慮の死を遂げる。90歳の英国女王は、秘書官と共に殺人事件の捜査と消えた絵画の謎に挑むが!?・・
「キュレーターの殺人」 M・W・クレイヴン(著)
シリーズ最高傑作との声も多い1冊
「ストーンサークルの殺人」で2019年に英国推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー賞を受賞した著者の作品
他にも、「ブラックサマーの殺人」「グレイラットの殺人」「ボタニストの殺人」などのシリーズ作品が発売されています。
注目! 「死はすぐそばに」 アンソニー・ホロヴィッツ(著)
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊
近年、数々の賞を受賞してきたアンソニー・ホロヴィッツの最新作
テムズ川沿いの高級住宅地で、金融業界のやり手が殺される。英国の静かな村で暮らす人々は、環境を乱す新参者の被害者を善く思っておらず、誰もが動機があると思われるが!?・・
「ナイフをひねれば」 アンソニー・ホロヴィッツ(著)
英国ミステリの巨匠、アンソニー・ホロヴィッツの最新作
「殺しへのライン」で、2023年版このミステリがすごい!【海外編】第2位、「メインテーマは殺人」「その裁きは死」で、このミステリがすごい!2020&2021【海外編】第1位の作家
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作翻訳小説
探偵ホーソーンが主人公のミステリを書くのに耐えかね、作家のわたし、ホロヴィッツは「われわれの契約は、これで終わりだ」と告げる。ロンドンで脚本を手掛けた戯曲の公演が始まるが、劇作家が殺害されてしまう。。凶器はわたしの短剣・・ 自分を救えるのは、あの男だけだが!?・・
「卒業生には向かない真実」 ホリー・ジャクソン(著)
ホリー・ジャクソンの最新作
「自由研究には向かない殺人」3部作の完結編
年末各種ミステリランキングで1位や2位を独占し、話題のシリーズ。
大学入学直前のピップに、無言電話、匿名のメール、敷地内で首を切られた鳩など、不審な出来事が幾つも起きていた。。調べにより、6年前の連続殺人事件との類似点を見つけるが!?・・
「木曜殺人クラブ 逸れた銃弾」 リチャード・オスマン(著)
人気謎解きミステリ「木曜殺人クラブ」シリーズ第3弾の最新作
詐欺事件を調査していたキャスターが、不可解な事故で死ぬ。捜査を始めた「木曜殺人クラブ」だが、メンバーのひとりが「友人を殺されたくなければ元KGB大佐を殺せ」と脅迫され!?・・
「ウィンダム図書館の奇妙な事件」 ジル・ペイトン・ウォルシュ(著)
ケンブリッジ大学の学寮で起こる英国謎解きミステリの傑作
1992年。風変わりな規約で知られる〈ウィンダム図書館〉で学生の死体が発見される。。彼が倒れたそばには、古書が一冊。単なる事故か!? それとも・・
「ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎」 ジル・ペイトン・ウォルシュ(著)
「ウィンダム図書館の奇妙な事件」に続くシリーズ第2弾
ケンブリッジ大学の貧乏学寮、セント・アガサ・カレッジ。そこに下宿する学生が故人の数学者の伝記を執筆することになる。しかし、彼女が最初の執筆者でないことがわかる。。前任者達の執筆中止の理由は、数学者の空白の期間に要因がありそうで!?・・
「ウェッジフィールド館の殺人」 エリカ・ルース・ノイバウアー(著)
アガサ賞デビュー長編賞受賞シリーズ第2弾
デビュー作で、エジプトのホテルを舞台にしたミステリ「メナハウス・ホテルの殺人」に続くシリーズ第2作目。
英国の領主屋敷に滞在していたジェーン。一緒に旅行中の叔母が館の主の男爵とかつて恋仲で、ふたりの間に生まれた娘は男爵の養女になっていた。館の使用人が車の事故で死亡するが、不審な点が多く、ジェーンは事件を調べ始めるが!?・・
「ブラウン神父の童心【新版】」 G・K・チェスタトン(著)
海外ミステリの古典として有名な「ブラウン神父」シリーズ
12編をおさめた作品集
代表作とも言われる「折れた剣」は、美しい風景描写もありながら昔起きた戦いの真相を突き止める。
英国中に銅像が立つ英雄、イギリスのセント・クレア将軍の死の真相は!?セント・クレアは対ブラジル戦争の指揮官だったが、生涯最後の戦いで捕虜になった。。ブラジル軍のオリヴィエ将軍は、なぜセント・クレアを処刑したのか!?ブラウン神父が推理する。
「メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち」 シオドラ・ゴス(著)
ローカス賞 受賞作
謎を追う冒険ミステリ3部作の第1弾
ヴィクトリア朝、ロンドン。令嬢メアリ・ジキルは、名探偵シャーロック・ホームズと相棒ワトスンの力を借りて猟奇事件に挑むが更なる謎が!?・・
古典名作のキャラクターが多数登場するヤングアダルト。
「ロンドン・アイの謎」 シヴォーン・ダウド(著)
[2023年版] このミステリがすごい!【海外編】第7位
カーネギー賞受賞作家による謎解きミステリ
観覧車ロンドン・アイに乗りにでかけた12歳の少年テッドと姉といとこのサリム。観覧車が一周した時、サリムは降りて来なかった・・何故、どうやって消えたのか!? 少年テッドが謎に挑むが!?
ニューヨークが舞台の続編「グッゲンハイムの謎」も発売されています。
「ポピーのためにできること」 ジャニス・ハレット(著)
[2022年] 英国推理作家協会(CWA)賞【新人賞】受賞作
[2023年版] このミステリがすごい!【海外編】第3位
「21世紀のアガサ・クリスティ」とも言われる作家のデビュー作です。
「窓辺の愛書家」 エリー・グリフィス(著)
[2020年] エドガー賞最優秀長編賞を「見知らぬ人」で受賞したエリー・グリフィスの最新作
「光を灯す男たち」 エマ・ストーネクス(著)
イギリス南部の灯台を舞台にした密室ミステリ
1972年、英国コーンウォールの灯台から3人の灯台守が姿を消した・・内側から施錠された灯台は、食事も手付かずのまま。。孤絶したコミュニティの中で、灯台守に何が起きたのか!?・・
実際の事件をモデルにした英国ミステリ。
「殺人は夕礼拝の前に」 リチャード・コールズ(著)
英国ミステリ
英国の田舎町チャンプトン。司祭ダニエルは、教会のトイレ設置をめぐり、住民が真っ二つに割れてしまったことに悩んでいた。そんな折、地元の名士が教会で殺される。ダニエルは、犯人の調査に挑むが!?ーー
「ヨーク公階段の謎」 ヘンリー・ウェイド(著)
ジョン・プール警部、第1の事件簿の初翻訳
ヨーク公階段で何者かと衝突した銀行家が、自然死で死亡する。。その後、自然死の診断をくつがえす証拠が浮かぶ・・ロンドン警視庁のジョン・プール警部は不可解な事件の真相に迫るが!?・・
「死と奇術師」 トム・ミード(著)
密室英国ミステリ小説
1936年、ロンドン。心理学者のリーズ博士が、自宅の書斎で殺されているのが見つかる。。密室状態で凶器も見つからない中、元奇術師の探偵ジョセフ・スペクターが謎に挑むが!?--
「図書室の死体」 マーティ・ウィンゲイト(著)
本好きにおすすめのミステリシリーズ第1弾
イングランドの美しい古都バース。アガサ・クリスティの収集家が設立した初版本協会で働く主人公。図書室には膨大なコレクションが所蔵されている。
そんな図書室で、ある日死体が発見される。。被害者は文芸サークルのメンバーだが!?・・
「マーロー殺人クラブ」 ロバート・ソログッド(著)
2012年フランス映画「フランスへの道」賞受賞脚本家の英国ミステリ
ロンドン郊外のマーローでひとり暮らしをする77歳のジュディス・ポッツ。テムズ川で泳いでいる時に殺人を目撃する。。ドッグウォーカーのスージーと司祭の妻ベックスの3人で「マーロー殺人クラブ」として事件の調査を始めるが!?・・
英国ミステリ 【あらすじ&レビュー】
「ストーンサークルの殺人」 M・W・クレイヴン(著)
2019年英国推理作家協会賞 ゴールド・ダガー賞受賞
ストーンサークルなどで殺される5人の連続殺人の犯人は誰か!?その繋がりは!?26年前に何があった?というストーリーです。
レビュー
「推理小説を読んでるなぁ」と感じるミステリ小説でした。
文の書き方も、ミステリ好きの読者に「面白い」と感じさせる書き方なのではないかと思いました。
キャラクターも立っていて、個性ある分析官と主人公のタッグが良かったです。
3分の1過ぎたあたりから、26年前の出来事が少しずつわかってきて面白く、容疑者も何人か絞れそうでわからないという展開です。
そして、意外過ぎる犯人にドキッと驚きもありました。
犯人がわかってから動機の説明が冗長に感じなくもなかったですが、共犯者の存在など、それなりに楽しめました。
「見知らぬ人」 エリー・グリフィス(著)
[2020年] エドガー(アメリカ探偵作家クラブ)賞 受賞作
英語教師が殺害される。犯人探しをするうち、殺人がヴィクトリア朝時代の作家ホランドの「見知らぬ人」を利用した見立て殺人だとわかるが!?・・
レビュー
英語教師を中心にした学校などの密接な人間関係のフーダニットのミステリで普通に面白かったです。
ただ、事件とは関係なさそうなプライベートの話なども多く、先が気になる人には冗長に感じなくもないかもしれません。
歴史、地理描写などは全くなく、ただストーリーを楽しむという感じです。
終盤まで犯人がわからない作りで、英語教師、その娘、警部の3人の視点で語られます。
英国ミステリらしい作品で、高難度の犯人探しですが「もうちょっと情報があってもいいのでは?」と思わなくもなかったです。