【スパイ小説12選】冷戦時代の暗闘など密偵がテーマの作品

スパイ小説一覧

スパイミステリやスパイスリラーなど、スパイに関する小説の10選。

東西冷戦下など、時代背景を絡めた作品が多くあります。

スパイ小説の人気作品から、近刊の作品を中心に掲載しています。

スパイ小説の近刊作品

「レッド・スパロー」 ジェイソン・マシューズ(著)

冷戦時代の旧ソ連(現ロシア)を彷彿とさせるスパイ小説

レッドスパロー=赤いツバメ=女スパイを意味する。

ロシア政府が組織した諜報機関のスパイとして活動する、女スパイを描く秀逸スパイもの。映画化済みです。

女スパイの苦闘とスパイ活動が面白い小説です。緊迫感があり、どんでん返しなどの終盤の衝撃も。

 

「死んだライオン」 ミック・ヘロン(著)

[2013年] 英国推理作家協会賞(CWA)ゴールド・ダガー受賞作

「窓際のスパイ」に続く第2弾

満員バスの中でひっそり死んだ老人は、元スパイだった。。遺したメッセージは、旧ソ連の幻のスパイに関わる暗号。「泥沼の家」のスパイ達が再び動き出し!?・・

ミック・ヘロンは、英国推理作家協会賞の常連作家でもあります。

 

「裏切りのシュタージ」 アンドレア・プルガトーリ(著)

裏切りのシュタージ
ハーパーコリンズ・ジャパン
発売日:2020/8/17

東ドイツの秘密警察「シュタージ」絡みのスパイスリラー

「シュタージ」-ドイツ民主共和国(東ドイツ)の秘密警察・諜報機関を統括する省庁。

スイスに逃亡するまで東ドイツの諜報機関(シュタージ)の極秘任務である「ウォルラス計画」に携わっていた元スパイのマルクス。ベルリンでロシア大使館職員が殺害された時、スイスの高級ホテルに暮らすマルクスのもとに差出人不明の手紙が届く。。そこには、ウォルラス計画の緊急事態を告げる暗号が記されていたーー

 

「シンパサイザー」 リチャード・フラナガン(著)

ピュリツァー賞・エドガー賞 受賞作

 ヴェトナム戦争絡みのスパイ小説

アメリカに住むヴェトナム人作家ならではの視点の小説です。

1975年、ヴェトナム戦争末期、北ヴェトナムと南ヴェトナムの狭間で行なわれる情報戦。途中から舞台はロサンゼルスへ。そこでも将軍達の動向を北ベトナムの同士へ報告し続ける..

 

「コールド・コールド・グラウンド」 エイドリアン・マッキンティ (著)

エドガー賞受賞作家、エイドリアン・マッキンティのデビュー作

81年の北アイルランド紛争下の警察スパイ小説

対立のカソリックとプロテスタント、アイルランド共和軍(IRA)とアルスター防衛同盟(UDA)の歴史的背景が複雑に絡まる謎。

実在の人物モデルが存在し、ポリティカル(政治的)な要素も満載

最後の方までどうなるかわからず、最終ページまで期待しながら読み進めることが出来ます。あとがきなどを読むと、かなり史実に近い感じで執筆しているのではないかと思います。

国際情勢、近代史的にも、個人的にも非常におすすめの1冊です。

 

「戦下の淡き光」 マイケル・オンダーチェ(著)

bookaholic認定[2019年度]翻訳ミステリー・ベスト10 第1位

1992年「イギリス人の患者」(映画「イングリッシュ・ペイシェント」)で英ブッカー賞を受賞した作家の名作

少年の成長と冒険譚の混じるスパイ系小説。

戦後間もない英国。14歳の少年が語り出す。〈1954年、うちの両親は、犯罪者かもしれない男ふたりの手に僕らをゆだねて姿を消した。。〉

第1部:少年の成長物語であり、冒険譚でもある。第2部:28歳になり、就職先であの頃のことを調べ始める。

 

「戦場のアリス」 ケイト・クイン(著)

戦場のアリス
ハーパーコリンズ・ ジャパン
発売日:2019/3/15

「本の雑誌が選ぶ2019年度文庫ベストテン」第1位

第1次世界大戦に実在した女スパイをモデルにした傑作歴史ミステリ

ドイツ占領下のフランス。「アリスネットワーク」という女性スパイ組織実在した「ルイーズ・ド・ベティニ」の物語。

現代の女性がフランスを周り、いとこを探すロードノベルのような話と、その繋がりから見えてくる女性スパイの話が交互に進みます。

 

「湖の男」 アーナルデュル・インドリダソン(著)

湖の男
東京創元社
発売日:2017/9/21

ヨーロッパミステリ大賞、バリー賞 受賞作

北欧ミステリ界の雄による「エーレンデュル捜査官」シリーズ第4弾

ハンガリー動乱やプラハの春に軽く触れつつ、東西冷戦絡みの小説。

干上がった湖の底で白骨が見つかる。体には、壊れたソ連製の盗聴器が結び付けられている。。捜査を続けるうち、農機具のセールスマンの失踪が浮かびあがる。。男は何者なのか!? 時代に翻弄された哀しい人々の真実が見えてくるが!?・・

ミステリよりでスパイ小説ではありませんが、史実とスパイ系の話

 

「KGBから来た男」 デイヴィッド・ダフィ(著)

KGB(ソ連国家保安委員会)絡みのサスペンス

元KGB諜報員のターボは、旧ソ連のグラーグ(強制労働収容所)で生まれ育った。ニューヨークで調査員をしているが、銀行の会長マルホランドから誘拐された娘の救出を依頼される。KGB時代の同僚、KGBに入れた恩人などが次々現れる中、ターボは恐るべき陰謀を知り!?・・



スパイ小説の古典的名作

「寒い国から帰ってきたスパイ」 ジョン・ル・カレ(著)

【アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞】最優秀長篇賞 受賞作

【英国推理作家協会(CWA)賞】ゴールド・ダガー賞 受賞作

スパイ小説の巨匠、ジョン・ル・カレの第3作。名作で金字塔的作品

二重スパイを巡るイギリス秘密情報部と東ドイツ諜報機関の騙しあい&どんでん返し。

東西冷戦下、ベルリンの壁が築かれた東ドイツ。イギリス諜報部の連絡員の1人がイギリス検問所の近くで射殺される。。英国諜報部のベルリン主任リーマスはロンドンに呼び戻され、寒い国(ソ連支配下の東ドイツ)へのスパイとなるが!?・・

 

スマイリー3部作の第1弾「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」は、「裏切りのサーカス」というタイトルで映画化済みです。

 

「針の眼」 ケン・フォレット(著)

針の眼
東京創元社
発売日:2009/2/1

[1979年] アメリカ探偵作家クラブ(エドガー)賞 受賞作

「大聖堂」で知られる巨匠ケン・フォレットの傑作スパイ小説

第2次大戦下、史上最大のノルマンディー上陸作戦を絡めた物語。

上陸地点は、ノルマンディーか!?カレーか!?

1945年、イギリスに潜入したドイツのスパイ、コードネーム:針「ニードル」。重大機密をヒトラーに報告するため、祖国を目指す。Uボートの待つ海に船を出したが!?・・

 

「騙し屋」 フレデリック・フォーサイス(著)

騙し屋
角川書店
発売日:1992/12/1

”最後のスパイ小説” 4部作の第1弾

軍事ミステリの巨匠、フレデリック・フォーサイスのスパイ小説。

イギリス秘密情報機関SISのベテラン・エージェントのサム・マクレディは「騙し屋」と呼ばれる。世界各地で敵を欺き成果を挙げてきたが、冷戦は終結し、共産主義は崩壊した。引退を勧告されたマクレディは、現役に留まるため、聴聞会の開催を要請するが!?・・

英国の諜報機関MI6(秘密情報部)に20年以上に渡り協力していたフォーサイスならではのスパイ小説。

 

小説のようなスパイノンフィクション

「二重スパイ コード・ネーム「ガルボ」: 史上最も偉大なダブル・エージェントがノルマンディ上陸作戦を成功に導くまで」 ジェイソン・ウェブスター(著)

二重スパイ
河出書房新社
発売日:2016/8/29

第2次大戦の戦局を左右したノルマンディー上陸作戦を成功に導いた史上最も重要な二重スパイと言われた男の実話。

実在した人物のドキュメンタリータッチの小説。

資料や証言が豊富で、殆どが実話です。

スパイ小説好き、歴史に興味のある方にも非常におすすめの1冊。

 

「ゾルゲ 引裂かれたスパイ」 ロバート・ワイマント(著)

スパイ・ゾルゲのノンフィクション

戦前、戦中に日本国内で諜報活動をしていたソ連のスパイ、ゾルゲの生涯。

コードネーム「ラムゼー」は、二・二六事件、日独防共協定、ノモンハン事件等の最高機密文書を入手し、諜報活動をしていた。。

その素顔とは!?・・

 

「天路の旅人」 沢木 耕太郎(著)

「深夜特急」でお馴染みのノンフィクション作家・沢木耕太郎さんの最新作

密偵(スパイ)として中国に潜入した西川一三を描く大作。

第二次大戦末期、敵国・中国大陸の奥深くまで密偵(スパイ)として潜入した西川一三は、蒙古人の僧侶を偽り、インドまで旅する。。モンゴル、チベット、インドなどを、ほぼ徒歩で歩いた旅と人生。

25年の歳月をかけて結実した著者史上最長の1冊。



スパイ小説&ノンフィクション【あらすじ&レビュー】

二重スパイ・コードネーム ガルボジェイソン・ウェブスター(著)

二重スパイコードネームガルボ

あらすじ

実在の人物で史実です。

スペイン人のフアン・プジョルの英国情報部でのコードネームが「ガルボ」でした。

フアン・プジョルは、ドイツ中枢部から信頼を得ていて、ドイツ側はこの人物を信用しています。

しかし、 この人物は英国情報部の幹部クラスとして、ドイツの情報を英国に伝えている英国側のスパイとなります。

ノルマンディー上陸作戦、ひいては連合国の第2次世界大戦の勝利を決定づけた、たった1人の人物と言えるほど最重要スパイとなりました。

ドイツにとっては致命的な存在で、これがナチスのノルマンディー上陸作戦の失敗へと繋がります。

過去に、BS1ドキュメンタリーでも放送されました。

激推しだよ!

読了レビュー

「事実は小説よりも奇なり」な現実ですが、小説のような話でした。

歴史としてもためになる1冊だと感じました。

この人はスペイン人ですが、自分からスパイになりたいと考えていて、英国とドイツの二重スパイとなります。

そこにソ連との関係性も出てきて、二重スパイどころか三重スパイなのではないかと思うほど、巧みにスパイをやっています。

英国に渡るためにポルトガルのリスボンなどを利用して、遠隔操作で連絡をとったり、実体がどこにあるのかわからなくなってきます。

 

「戦下の淡き光」 マイケル・オンダーチェ(著)

戦下の淡き光4.0

2018年に、世界3大文学賞の一つであるブッカー賞が設立50周年を記念して、歴代の受賞作の中から最優秀作品を選びました。

最高位のゴールデン・ブッカー賞に輝いたのが「イギリス人の患者」

この半世紀に英語で書かれた小説の中で最高の作品として選ばれました。

 

読了レビュー

謎があり、読みやすく面白い小説でした。

長過ぎず簡潔なので、比較的、容易に読めてしまいます。

丁寧な文章が美しく、文学的な作品の印象を受けました。

戦後間もない時代背景ですが、暗い話(雰囲気)ではありません。

爽やかな読中感で読み進められることができます。

詩的な感じで、文章が美しい

戦争小説とも言え、謎が気になるミステリ的な要素もあります。

ネタバレできないので細かくは避けますが、様々な謎や両親の実態が徐々に見えてきます。

品性を感じる文章が、さすがゴールデン・ブッカー賞作家だと思いました。

 

 

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