話題のクライムノヴェルを中心に、数年内の注目作品をまとめています。
骨太でハードボイルドながら読み応えのある作品が多くあります。
ミステリー要素を含んだ小説も多く、ミステリ好きにもおすすめです。
話題の【クライムノベル】一覧
「夜に生きる」 デニス・ルヘイン(著)
[2013年] アメリカ探偵作家クラブ(エドガー)賞 受賞作
禁酒法時代末期のボストン。ギャングの手下ジョーは、強盗に入った賭博場でエマと出会う。恋に落ちる2人だが、エマは対立組織のボスの情婦だった・・やがて起きる抗争の中で、若者を待つ運命は!? 激動の時代を生きるギャング達の生き様。。
「ミスティック・リバー」の著者が描くアメリカ裏面史
「黒き荒野の果て」 S・A コスビー(著)
2021年アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞の3冠
クライム文学の新星による翻訳デビュー作
アメリカ南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。裏社会の元凄腕ドライバーは足を洗い、家族と暮らしていた。。しかし、家族を守るため引き受けた最後の仕事でギャングの抗争に巻き込まれ!?・・
カーアクションの描写も秀逸な1冊。
「11月に去りし者」 ルー・バーニー(著)
英国推理作家協会賞(CWA)イアンフレミング・スチール・ダガー 受賞
2020年 翻訳ミステリー大賞 受賞作
ロードノベル要素も備えたアメリカン・クライムノヴェル。
アメリカ・ニューオリンズからラスベガスを経由し、LA(ロサンゼルス)へ!?
↓ 読了レビューをページ下部に記載しています。
「ザ・ボーダー」 ドン・ウィンズロウ(著)
このミステリがすごい!2020版【海外編】第3位
クライム・ノヴェルの帝王ドン・ウィンズロウの骨太小説です。
「犬の力」「ザ・カルテル」に続くメキシコ麻薬戦争3部作の最終章です。
「老いた殺し屋の祈り」 マルコ・マルターニ(著)
イタリア映画界の脚本を手がける著者のイタリアン・クライムノヴェル
還暦を過ぎた殺し屋。イタリア中部の町に向かう途中、列車内で襲ってきた男の連れに見覚えがあるが!?・・
「マリアビートル」 伊坂 幸太郎(著)
[2022年] 英国推理作家協会(CWA)賞【翻訳部門】最終候補作
ブラッド・ピット主演で映画化の原作
邦題:「ブレット・トレイン」(原題:BULLET TRAIN)
東京発盛岡行きの新幹線の車内で交錯する狙う者と狙われる者。。
殺し屋どうしの心理戦。
物騒な奴らを乗せた東北新幹線は疾走する!・・
「グラスホッパー」「AX アックス」の著者による殺し屋達の娯楽小説。
「テスカトリポカ」 佐藤 究(著)
第165回(2021年上半期)直木賞 受賞
骨太ハードボイルド・クライムノヴェル
メキシコの麻薬カルテル、ジャカルタ、川崎などが交錯しながら進む話にグイグイ引き込まれます。
メキシコ・アステカ文明の神話が絡みつつ!?・・
最新作の短編集「爆発物処理班の遭遇したスピン」も発売されています。
「爆弾」 呉 勝浩(著)
2020年日本推理作家協会賞「スワン」をはじめ、「おれたちの歌をうたえ」などの傑作を執筆している著者の新刊
東京、秋葉原。連行された酔っ払いの中年男の予言通り、廃ビルが爆発する。その男によると、「ここから三度、次は一時間後に爆発します」とのこと。警察は爆弾魔を止められるか!?・・
バイオレンス・アクション・ハードボイルド
「ババヤガの夜」 王 谷晶(著)
日本推理作家協会賞 長編部門 最終ノミネート
賞こそ獲ってないものの、2021年序盤に話題になっているハードボイルド小説です。
バイオレンスのパワー溢れる作品ながら最後は!?・・
「月の王」 馳 星周(著)
直木賞受賞作家のハードボイルド・クライムノヴェル
魔都・上海。大戦が迫る中、帝国陸軍特務機関所属の伊那雄一郎は、緊急招集で「華族令嬢・一条綾子の身柄を確保せよ」との密命。
謎の男・大神明と遂行するが!?・・各国の特務機関やマフィアを巻き込み、上海租界で最後に勝つのは!?・・
11月に去りし者 【あらすじ&レビュー】
「11月に去りし者」 ルー・バーニー(著)
作者のルー・バーニーは、クライムノベルの大御所エルモア・レナードの影響を色濃く受けているそうです。
あらすじ
物語は、1963年のニューオリンズを舞台に始まります。
ケネディ大統領が暗殺された1963年11月、主人公は実在したニューオリンズの犯罪組織のボス「カルロス・マルチェロ」から逃げなければいけない状況に陥る。
懇意にしていたラスベガスのギャングのボス、「ビッグ・エド・ツィンゲル」のところへ向かうが・・
レビュー
ロードノベル、クライムノベルとして、まあまあ面白かったです。
思った以上に車で移動の行程での話(時間?)が中心で、完全なロードノベルだと感じました。ダラス、テキサス、ヒューストンなど
ニューオリンズでの出来事を皮切りに、車で西へ向かう主人公とそこに絡んでくる母娘との出会いと恋愛。追っ手の殺し屋の存在。三者三様。
先行き見えない感じは良く、サスペンス的な面白さもあります。
ただ、中盤から展開が多くない割には、終盤の展開まで少し冗長かな!?とも思いました。
ダイナー、モーテル、ジャズなど黒人ミュージックの話題も所々にあり、アメリカ作家らしい(文脈など)雰囲気を感じる作品でした。