ヨーロッパ北部のスカンジナビア半島(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー)
この3ヶ国にアイスランド、デンマークを含めた5ヶ国のミステリ小説が、いわゆる北欧ミステリと言われています。
そんな北欧ミステリーの最新刊など、人気の小説をまとめています。
スウェーデンのミステリ小説
アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム
エーヴェルト・グレーンス警部 シリーズ
2023年5月に最新作「三年間の陥穽」が発売されます。
デビュー作の「制裁」は「ガラスの鍵」賞や最優秀北欧犯罪小説賞を受賞していて、北欧ミステリの最高峰とも言われています。
- 「制裁」
- 「死刑囚」
- 「三秒間の死角」
- 「ボックス21」
- 「地下道の少女」
- 「三分間の空隙【くうげき】」
- 「三時間の導線」
- 「三日間の隔絶」
「三秒間の死角」は、英国推理作家協会(CWA)インターナショナル・ダガー賞受賞の傑作北欧ミステリーです。
その他の作品
「熊と踊れ」は、このミステリがすごい!2017年版【海外編】第1位
へニング・マンケル
2023年4月に、北欧ミステリの帝王最後の作品「スウェーディッシュ・ブーツ」が発売されました。
2015年に亡くなった巨匠へニング・マンケルの作品は、警察小説「ヴァランダーシリーズ」(映画化も)が人気です。
第1作目「殺人者の顔」は、[第1回]ガラスの鍵賞を受賞しています。
第5作目の「目くらましの道」は、CWAゴールドダガー賞を受賞。
ヴァランダーシリーズは第15作目まであります。最終作は「苦悩する男」です。
レイフ・GW・ペーション
2023年6月12日に最新作「二度死んだ女」が発売されます。
「許されざるもの」はガラスの鍵賞、CWA賞を含む5冠でした。
「見習い警官殺し」、「平凡すぎる犠牲者」、「悪い弁護士は死んだ」といった作品が発売されています。
アルネ・ダール
「時計仕掛けの歪んだ罠」の続編で第2弾の「狩られる者たち」が発売されています。
「時計仕掛けの歪んだ罠」は、2020年末の各種ミステリランキングベスト10常連作品で、スウェーデン売上1位の傑作犯罪サスペンスとして話題になりました。
ホーカン・ネッセル
2021年4月に発売の最新刊が「殺人者の手記」です。
スウェーデン推理作家アカデミー最優秀賞を受賞しています。
ホーカン・ネッセルは、スウェーデン推理作家アカデミーの最優秀賞を3度獲得しています。
翻訳されていませんが、2000年には「Carambole(Hour of the Wolf)」でガラスの鍵賞を受賞しています。
最近では、5作を収録した短編集の「悪意」も話題になりました。
ラーシュ・ケプレル (男女夫婦で共作のペンネーム)
ヨーナ・リンナ シリーズ
ヨーナ・リンナシリーズの最新作
2023年2月に発売されます。
シリーズの初期作品「砂男」は、スウェーデンで年間最も売れたクライムノベルと言われました。
その他の作品に、「つけ狙う者」、「ウサギ狩り人」、「墓から蘇った男」などがあります。
スティーグ・ラーソン&ダヴィド・ラーゲルクランツ
ミレニアムシリーズ
北欧ミステリブームの火付け役となったのが、スティーグ・ラーソンの「ミレニアムシリーズ」です。
最終作、「ミレニアム 6 ~死すべき女」で幕を閉じました。
1「ドラゴンタトゥーの女」~3「 眠れる女と狂卓の騎士」は、スティーグ・ラーソン(著)ですが、4~6は、ダヴィド・ラーゲルクランツ(著)に作家が変わりました。
ダヴィド・ラーゲルクランツの最新作「闇の牢獄」が2023年5月に発売されます。
マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー
マルティンベックシリーズ
「笑う警官」は、エドガー(アメリカ探偵作家クラブ)賞を受賞していて、警察小説の金字塔とも言われています。
北欧ミステリブームの先駆けなったのが、警察小説「刑事マルティンベックシリーズ」です。
- 「笑う警官」
- 「ロセアンナ」
- 「バルコニーの男」
- 「煙に消えた男」
その他のスウェーデンミステリ
[2021年]ガラスの鍵賞受賞作「忘れたとは言わせない」が2022年8月31日に発売にされました。
スウェーデン推理小説アカデミー最優秀ミステリ賞とのW受賞で話題。
ガラスの鍵賞(北欧ミステリ最高の賞)の歴代受賞作については、ページ最下部 ↓↓↓に、まとめたページをリンクしています。
[2023年] 日本推理作家協会賞【第1回 翻訳小説部門】受賞作
リアルサウンド認定[2022年度]翻訳ミステリーベスト10】第2位
「1794」と「1795」が2022年9月と10月に連続刊行されました。
「1793」からの続編で、3部作の完結編となります。
スウェーデン、ストックホルムが舞台の歴史北欧ミステリ。1793年~1795年の時代。
スウェーデン犯罪小説の女王とも言われるカミラ・レックバリの最新作「魔術師の匣」が2022年8月に発売されました。
「犯罪心理捜査官セバスチャン」シリーズは読みやすく、ヤングアダルトを中心に人気になっています。
アイスランドのミステリ小説
文学賞では、アイスランド推理作家協会による最優秀ミステリーに授与される血の滴賞があります。
アーナルデュル・インドリダソン
エーレンデュル捜査官 シリーズ
2022年5月に、最新作「印(サイン)」が発売されています。
- 「湿地」
- 「緑の女」
- 「声」
- 「湖の男」
- 「厳寒の町」
「湿地」「緑の女」で2年連続ガラスの鍵賞を受賞しています。
「湿地」は、「ミステリが読みたい!2013年版」海外部門で第1位になっています。
「緑衣の女」は、CWA(英国推理作家協会)ゴールド・ダガー賞も受賞しています。
ラグナル・ヨナソン
レイキャヴィーク警察の女性刑事フルダ・シリーズの第3弾「閉じ込められた女」が発売されています。
「闇という名の娘」から始まるシリーズで第2弾は「喪われた少女」です。「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の月別ベストなどに選ばれました。
このシリーズ以前にも、警察小説「雪盲」などを執筆しています。
その他のアイスランドミステリ
「軋み」 エヴァ・ビョルク・アイイスドッティル(著)
英国推理作家協会賞(CWA)ニュー・ブラッド・ダガー賞 受賞作
2022年12月に発売の新鋭による北欧アイスランド・ミステリ新刊
小さな港町の人間関係など、北欧ミステリらしい作品。
ノルウェーのミステリ小説
ヨルン・リーエル・ホルスト
「猟犬」で「ガラスの鍵賞」を受賞しています。
ノルウェーの警察小説の第一人者とも言われています。
警部ヴィスティングシリーズ
2023年3月に、第4弾で最新作の「疑念」が発売されています。
シリーズ第1作の「カタリーナ・コード」は2019年北欧ベストミステリー受賞作です。
ジョー・ネスポ
最新作は「ファントム 亡霊の罠」です。
謎解きミステリとして質の高い1冊になっています。
- 「その雪と血を」
- 「真夜中の太陽」
- 「スノーマン」
- 「レパード 闇にひそむ獣」
「スノーマン」は映画化もされています。
サムエル・ビョルク
オスロ警察殺人捜査課特別班のシリーズ
- 「アイム・トラベリング・アローン」
- 「ふくろうの囁き」
オリヴィエ・トリュック
「影のない四十日間」は、北欧の先住民問題サーミ人をテーマに含んだミステリで、ノルウェーの町での事件が発端となります。
最新作「白夜に沈む死」が2023年1月に発売されています。
北欧3ヶ国にまたがり活躍する特殊警察ミステリで、夏の日の沈まない北極圏やトナカイをテーマにした北欧らしい1冊。
その他のノルウェーミステリー
ノルウェーの新星の極寒ミステリ「氷原のハデス」が2023年3月に発売されます。
北極遠征に出向いた主人公達は、中国の極地研究基地で十数体の凍結死体を見つけるが!?・・
「最後の巡礼者」は、2014年「ガラスの鍵賞」を受賞しています。
その他の北欧ミステリー賞「リヴァートン賞」「マウリッツ・ハンセン新人賞」と併せて三冠となった警察小説です。
殆どがノルウェーで進行する「ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器」は、Amazonレビューでも評価の高いサスペンスです。
フィンランドのミステリ小説
ジェイムズ・トンプソン
第2弾の「凍氷」は、ヘルシンキの街描写や国事情、歴史の問題点などが豊富です。
シリーズの4冊があります。
- 「極夜カーモス」
- 「凍氷」
- 「白の迷路」
- 「血の極点4」
レーナ・レヘトライネン
フィンランドの女性作家で、シリーズで多くの作品が翻訳されています。
中でも「雪の女」が有名で、「氷の娘」や「要塞島の死」などの作品も。
その他のフィンランドミステリー
推理の糸口賞を受賞したフィンランド内戦の歴史を絡めたミステリ「処刑の丘」などもあります。
フィンランドがNATO加盟への申請が話題になっていますが、隣国ロシアとの関係など、フィンランドの歴史がわかり良作だと思います。
マッティ・ロンカの「殺人者の顔をした男」は、へニングマンケル「殺人者の顔」とタイトルが似ていますが、別物です。
ミレニアムシリーズに似たヤングアダルト向けの「ルミッキシリーズ」などもあります。
デンマークのミステリ小説
特捜部Q シリーズ
2023年6月に、最新作「特捜部Q・カールの罪状」が発売されます。
シリーズ第9弾となる人気北欧警察小説シリーズで、シリーズ完結目前とも言われています。
その他のデンマークミステリー
「樹脂」がガラスの鍵賞やデンマーク推理作家アカデミー賞を受賞。
「チェスナットマン」は、バリー賞新人賞を受賞しています。
680ページの骨太ミステリーでありながら犯人の検討もつかずに終盤での緊迫感や面白さが際立つ北欧ミステリーです。
ネットフリックスでもドラマ化されています。
アンデルセンが猟奇殺人の汚名を着せられ、コペンハーゲンの街を真犯人探しに駆け回る「被疑者アンデルセンの逃亡」
新鋭作家の「北海に消えた少女」などの作品もあります。