ヨーロッパ北部のスカンジナビア半島(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー)
この3ヶ国にアイスランド、デンマークを含めた5ヶ国のミステリー小説が、いわゆる北欧ミステリーと言われています。
そんな北欧ミステリーの最新刊など、人気の小説をまとめています。
スウェーデンのミステリー小説!?
重鎮作家 レイフ・GW・ペーション
「許されざるもの」はガラスの鍵賞、CWA賞を含む5冠に輝いています。
次作となる「見習い警官殺し」に続き、「平凡すぎる犠牲者」が翻訳されています。
2022年3月10日には、最新作「悪い弁護士は死んだ」が発売されています。
アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム
2000年代に入り、アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレムの作品が人気で多くなっています。
「熊と踊れ」は、このミステリがすごい!2017年版【海外編】第1位
エーヴェルト・グレーンス警部 シリーズ
デビュー作の「制裁」は「ガラスの鍵」賞や最優秀北欧犯罪小説賞を受賞していて、北欧ミステリの最高峰とも言われています。
- 「制裁」
- 「死刑囚」
- 「三秒間の死角」
- 「ボックス21」
- 「地下道の少女」
「三秒間の死角」は、英国推理作家協会(CWA)インターナショナル・ダガー賞受賞の傑作北欧ミステリーです。
「三分間の空隙【くうげき】」、「三時間の導線」に続き、2022年5月に最新作「三日間の隔絶」が発売されます。
アルネ・ダール
「時計仕掛けの歪んだ罠」の続編で第2弾の「狩られる者たち」が発売されました。
「時計仕掛けの歪んだ罠」は、2020年末の各種ミステリランキングベスト10常連作品で、スウェーデン売上1位の傑作犯罪サスペンスとして話題になりました。
ホーカン・ネッセル
2021年4月に発売された最新刊が「殺人者の手記」です。
スウェーデン推理作家アカデミー最優秀賞を受賞しています。
ホーカン・ネッセルは、スウェーデン推理作家アカデミーの最優秀賞を3度獲得しています。
翻訳されていませんが、2000年には「Carambole(Hour of the Wolf)」でガラスの鍵賞を受賞しています。
最近では、5作を収録した短編集の「悪意」も話題になりました。
ラーシュ・ケプレル
ヨーナ・リンナ シリーズ
男女夫婦で共作のペンネーム
ヨーナ・リンナシリーズで有名で、スウェーデンで年間最も売れたクライムノベルの「砂男」に続き、「つけ狙う者」や「ウサギ狩り人」などがあります。
最新作は、2022年3月発売の「墓から蘇った男」です。
北欧ミステリブームの先駆け「マルティンベックシリーズ」
「笑う警官」は、エドガー(アメリカ探偵作家クラブ)賞を受賞していて、警察小説の金字塔とも言われています。
北欧ミステリブームの先駆けなったのが、警察小説「刑事マルティンベックシリーズ」です。
- 「笑う警官」
- 「ロセアンナ」
- 「バルコニーの男」
- 「煙に消えた男」
スウェーデンミステリ界の巨匠 「へニング・マンケル」
ヴァランダーシリーズは第15作目まであり、最後の事件で1番新しいのが「苦悩する男」です。
2015年に亡くなった巨匠へニング・マンケルの作品は、警察小説「ヴァランダーシリーズ」(映画化も)が人気です。
第1作目の「殺人者の顔」は、第1回ガラスの鍵賞を受賞しています。
第5作目の「目くらましの道」は、CWAゴールドダガー賞を受賞。
ノンシリーズでは、「北京から来た男」や比較的新しい「イタリアンシューズ」などがあります。
北欧ミステリブームの火付け役「ミレニアムシリーズ」
北欧ミステリブームの火付け役となったのが、スティーグ・ラーソンの「ミレニアムシリーズ」です。
最終作、「ミレニアム 6 ~死すべき女」で幕を閉じました。
1「ドラゴンタトゥーの女」~3「 眠れる女と狂卓の騎士」は、スティーグ・ラーソン(著)ですが、4~6は、ダヴィド・ラーゲルクランツ(著)に作家が変わりました。
その他のスウェーデンミステリー
「1793」は、作家のデビュー作ながら大型の歴史北欧ミステリーです。混沌とした時代のストックホルムが舞台です。
三部作となっていて続編の「1794」も2022年に発売されます。
「犯罪心理捜査官セバスチャン」シリーズは読みやすく、ヤングアダルトを中心に人気になっています。
2019年の「ガラスの鍵賞」に、「娘を呑んだ道」が選ばれています。
マルティン・ベック・シリーズのシナリオを手がけた人気脚本家の「満潮」などもあります。
どんでん返し系スウェーデンミステリの新星「犠牲者の犠牲者」も見逃せない1冊です。
「ヒヒは語らず」はスウェーデンの移民の状況が一番書かれてる北欧ミステリーです。
映画にもなっている「ボーダー 二つの世界 」も評判が高く、話題になりました。北欧神話に出てくる妖精のトロルをテーマにしています。
ノルウェーのミステリー小説!?
ノルウェーのミステリーは、翻訳出版が増えつつある印象です。
ヨルン・リーエル・ホルスト
ノルウェーの警察小説の第一人者とも言われています。
「猟犬」で「ガラスの鍵賞」を受賞しています。
警部ヴィスティングシリーズ
「カタリーナ・コード」は2019年北欧ベストミステリー受賞作です。
第2弾の「鍵穴」に続き、2022年3月に最新作「悪意」が発売されています。
ジョー・ネスポ
- 「その雪と血を」
- 「真夜中の太陽」
- 「スノーマン」
- 「レパード 闇にひそむ獣」
「スノーマン」は映画化もされています。
最新作に、2020年11月20日に発売された「ファントム 亡霊の罠」があります。
謎解きミステリとして質の高い1冊になっています。
サムエル・ビョルク
オスロ警察殺人捜査課特別班のシリーズ
- 「アイム・トラベリング・アローン」
- 「ふくろうの囁き」
その他のノルウェーミステリー
「影のない四十日間」は、北欧の先住民問題サーミ人をテーマに含んだミステリで、ノルウェーの町での事件が発端となります。英国推理作家協会賞(CWA)インターナショナル・ダガー賞の最終候補作です。
殆どがノルウェーで進行する「ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器」は、Amazonレビューでも評価の高いサスペンスです。
「ガラスの鍵賞」「リヴァートン賞」「マウリッツ・ハンセン新人賞」の北欧のミステリー賞で三冠となった警察小説「最後の巡礼者」は、2020年10月1日に発売されました。
フィンランドのミステリー小説!?
フィンランドは、数人の作家の作品が翻訳されています。
ジェイムズ・トンプソン
- 「極夜カーモス」
- 「凍氷」
- 「白の迷路」
- 「血の極点4」のシリーズの4冊があります。
特に、第2弾の「凍氷」は、ヘルシンキの街描写や国事情、歴史の問題点などが豊富で個人的におすすめです。
レーナ・レヘトライネン
フィンランドの女性作家で、シリーズとして多くの作品が翻訳されています。
中でも「雪の女」が有名で、「氷の娘」や「要塞島の死」などの作品があります。
その他のフィンランドミステリー
推理の糸口賞を受賞したフィンランド内戦の歴史を絡めたミステリ「処刑の丘」などもあります。フィンランドの歴史がわかり良作だと思います。
マッティ・ロンカの「殺人者の顔をした男」は、へニングマンケル「殺人者の顔」とタイトルが似ていますが、別物です。
ミレニアムシリーズに似たヤングアダルト向けの「ルミッキシリーズ」などもあります。
アイスランドのミステリー小説!?
文学賞では、アイスランド推理作家協会による最優秀ミステリーに授与される血の滴賞があります。
アーナルデュル・インドリダソン
エーレンデュル捜査官 シリーズ
「湿地」「緑の女」で2年連続ガラスの鍵賞を受賞しています。
「湿地」は、「ミステリが読みたい!2013年版」海外部門で第1位になっています。
「緑衣の女」は、CWA(英国推理作家協会)ゴールド・ダガー賞も受賞しています。
- 「湿地」
- 「緑の女」
- 「声」
- 「湖の男」
- 「厳寒の町」
2022年5月には最新作「印(サイン)」が発売されることがわかっています。
ラグナル・ヨナソン
レイキャヴィーク警察の女性刑事フルダ・シリーズの第3弾「閉じ込められた女」が発売されました。
「闇という名の娘」から始まるシリーズで、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の月別ベストなどに選ばれました。
第2弾は「喪われた少女」です。
このシリーズ以前にも、警察小説「雪盲」などを執筆しています。
デンマークのミステリー小説!?
デンマークは、翻訳されているミステリーは多くないように思います。
特捜部Q シリーズ
デンマークミステリーといえば、「特捜部Qシリーズ」(映画化もされてる)が有名です。
最新作は、シリーズ第8弾となる「アサドの祈り」です。
その他のデンマークミステリー
「樹脂」がガラスの鍵賞やデンマーク推理作家アカデミー賞を受賞しています。
「チェスナットマン」は、バリー賞新人賞を受賞しています。
680ページの骨太ミステリーでありながら犯人の検討もつかずに終盤での緊迫感や面白さが際立つ北欧ミステリーです。
ネットフリックスでもドラマ化されています。
新鋭のローネ・タイルス(著)「北海に消えた少女」などもあります。
ガラスの鍵賞とは!?
ガラスの鍵賞とは、北欧の文学賞の中で最も権威がある賞です。
北欧5ヶ国(アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク)の最も優れた推理小説に贈られる文学賞です。
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