ドイツ文学や作家、文学賞などについてまとめています。
ドイツが舞台のおすすめのミステリー小説も多くあります。
最近話題の小説や賞を受賞している作品を掲載しています。
ドイツ作家の作品!?
ドイツのノーベル文学賞受賞者は、13人います。
トーマス・マン
有名な作家にノーベル文学賞受賞者でもあるトーマス・マンがいます。
教養小説の傑作と言われる「魔の山」や疫病が蔓延しつつある1911年のヴェネチアが舞台の「ベニスに死す」などの著作があります。
ヘルマン・ヘッセ
同じく、ノーベル文学賞作家のヘルマンヘッセは、ドイツ文学を代表する文豪です。受賞時にはスイス国籍でした。
豊かな自然など自然描写の「郷愁」が有名ですが、「クヌルプ」「シッダールタ」「車輪の下」などの作品があります。
著者自身は、スイスの首都ベルンを好み、近郊に定住していました。
ギュンター・グラス
最近では、1999年に「ブリキの太鼓」のギュンター・グラスがノーベル文学賞を受賞しています。
ドイツミステリー小説
ネレ・ノイハウス
ドイツミステリーの女王と言われているネレ・ノイハウスも人気です。
「悪女は自殺しない」に始まる〈刑事オリヴァー&ピア〉シリーズ。
- 「死体は笑みを招く」
- 「深い疵」
- 「穢れた風」
- 「白雪姫には死んでもらう」
- 「悪しき狼」
- 「生者と死者に告ぐ」
- 「森の中に埋めた」
へと続き、警察小説シリーズは世界累計1000万部を突破し、毎年ペースで刊行の量産スタイルをとっています。
最新作「母の日に死んだ」が2021年10月29日に発売予定となっています。
その他のドイツミステリー
「汚れなき子」は、2020年のドイツ推理作家協会賞 最終候補作です。
デビュー作ながら、米アマゾンではレビュー3,000超え、ドイツアマゾンでレビュー1500超えの人気作となっています。
次世代ドイツミステリーを担うだろうと期待されている新人作家です。
2020年の翻訳ミステリー大賞【読者賞】で第6位の「国語教師」もドイツミステリーです。
ドイツ推理作家協会賞受賞作
「このミステリーがすごい!2020年版」で第10位です。
東ドイツの極秘計画をめぐる「裏切りのシュタージ」は、ベルリンが舞台のスパイスリラーです。
比較的、薄い冊子で、いっき読みも出来るタイプの小説です。
2022年4月に発売された「裏切り」は、ドイツミステリの女王とも言われるシャルロッテ・リンクの新作です。
ドイツ推理作家協会賞受賞作家の「弁護士アイゼンベルク」もあります。
最新作で続編の「突破口(弁護士アイゼンベルク)」も発売されています。
ミュンヘンで刑事事件を専門とする弁護士が主人公で、ドイツの刑事裁判事情などがわかる秀作です。
ドイツの文学賞には何がある!?
ドイツにもドイツ独自の文学賞がいくつかあります。
クライスト賞
ドイツで最も権威ある文学賞の一つです。伝統ある文学賞です。
外国人が選ばれるのは珍しい中、2016年度に日本人の多和田葉子さんが受賞しました。多和田さんは、1993年の芥川賞受賞者でもあります。
ゲオルク・ビューヒナー賞
ドイツにおいて、最も重要とされている文学賞です。
地域的な賞でしたが、1951年にドイツ語を用いる作家全般を対象にした文学賞へ発展しました。
ゲーテ賞
ドイツの文化賞です。
1926年に、ゲーテ研究家の「エルンスト・ボイトラー」らの提案で設立されました。ドイツの文豪「ゲーテ」が賞の名前になっています。
ドイツ書籍賞
ドイツ語で発表された長編小説が対象です。
フランスのゴンクール賞やイギリスのブッカー賞と並ぶ賞を目指すものとして、2005年に開始された文学賞です。
ドイツ書籍出版販売取引所組合によって2005年に設立されました。
ドイツ・ミステリ大賞
1985年創設の「ボーフム・ミステリ・アーカイブ」が主催するドイツ語圏のミステリ賞です。ドイツ語作品部門の対象は、ドイツの作品に限りません。
日本では、イニシャルをとってDKP賞と言われることもあります。また、ドイツ犯罪小説賞と訳されることもあります。
ドイツミステリー 【あらすじ&レビュー】
ドイツミステリーの読了から一部、レビューをピックアップします。
「影の子」 デヴィッド・ヤング(著)
英国推理作家協会(CWA)賞 最優秀歴史ミステリ賞
東ドイツの秘密警察シュタージ絡みの歴史ミステリ
冷戦時代、社会主義国家ならではの情勢を絡めた歴史ミステリの傑作。
あらすじ
1975年2月、東ベルリン。東西を隔てる“壁”に接した墓地で少女の死体が発見されます。少女の死体は無惨な状態で身元の調べようがありません。現場には国家保安省(シュタージ)のイェーガー中佐が来ています。主人公の女性刑事のミュラーは捜査を進めるうち背後にあるもの、国家の闇が見えてくる・・
レビュー
人民警察とシュタージの関係など1970年代の情勢がよくわかりました。
謎解きというよりテーマも含め、小説として面白かったです。
青少年労働施設の存在とかベルリンの壁を挟んで冷戦時代の東ドイツ側からの視点が新鮮でした。
「乗客ナンバー23の消失」 セバスチャン・フィツェック(著)
「ミステリが読みたい!2019年版」海外編 第3位
「このミステリがすごい!2019年版」海外編 第7位
舞台は豪華客船ですが、ドイツ人作家のミステリーです。
ドイツミステリーの最終兵器と銘打たれた作家の作品です。
amazon(ドイツ)でレビュー数1,400超、評価平均4.2と評判。
レビュー
伏線など謎が多く、飽きずに読み進められました。
少しずつ謎が解けつつ、最終的に、一件落着してからの動機がなかなか以外?(強引?)でした。

犯人の動機がちょっと強引過ぎるかな!?
ただ、社会問題を入れているので、まあまあ面白かったです。
船上の閉鎖空間で事件が続発するミステリでした。
謝辞にある着想を得た現実問題がためになりました。
「チェコ作家&舞台の小説10冊」|中央ヨーロッパの文学
「ポーランドミステリー」や文学についてもまとめています。
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