旅気分を味わえるロードノベルを中心にまとめました。
飛行機の中で、鉄道で、宿で、旅をしながらバックパックに忍ばせている人も多いかと思います。
そんな、旅とリンクするロードノベルをまとめました。
海外ロードノベル
「ザ・ロード」 コーマック・マッカーシー(著)
ピュリッツァー賞受賞作
ノーベル文学賞候補に何度も挙がり、アメリカ作家の中で「最もノーベル文学賞作家に近いのではないか」と言われている作家の不朽の名作ロードノベルです。
映画「ノーカントリー」の原作者としても知られています。
「オン・ザ・ロード」 ジャック・ケルアック(著)
ケルアックの名作とも言われている1冊です。
大陸アメリカを車で突っ走るロードノベルです。
行程は、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、パターソンなど。
「11月に去りし者」 ルー・バーニー(著)
英国推理作家協会(CWA)賞 イアンフレミングスチール・ダガー賞
2020年(第11回)「翻訳ミステリー大賞」受賞
翻訳ミステリー大賞では、ドン・ウィンズロウの「ザ・ボーダー」やアンソニー・ホロヴィッツの「メインテーマは殺人」を抑えての受賞。
途中で立ち寄るのがモーテルやダイナーで、アメリカの雰囲気(空気感)を感じられるクライムロードノベルです。
「東の果て、夜へ」 ビル・ビバリー(著)
CWA(英国推理作家協会)のゴールドダガー賞(最優秀長篇賞)ほか、3冠達成
「このミステリがすごい!2018年版」第3位
少年の成長物語でもあるクライムロードノヴェルです。
「拳銃使いの娘」 ジョーダン・ハーパー(著)
アメリカ探偵作家クラブ(エドガー賞)最優秀新人賞
「このミステリーがすごい!2020年版」第2位
「ひとり旅立つ少年よ」 ボストン・テラン(著)
「bookaholic認定2019年度翻訳ミステリー・ベスト10」 第3位
少年の冒険譚であり、成長物語でもあります。
1850年代のアメリカ、南北戦争などの歴史的背景と奴隷制度(人種差別)絡みのロードノベル
比較的薄い冊子ながら重厚なテーマを含んでいて、しっかり読める小説
「夕陽の道を北へゆけ」 ジャニーン・カミンズ(著)
メキシコ~アメリカまで。ロードノベルらしい作品。
麻薬カルテルの力の及ばない北を目指す。
「父を撃った12の銃弾」 ハンナ・ティンティ(著)
アメリカ探偵作家クラブ(エドガー賞)最終候補作
このミステリがすごい!2022年版【海外編】第4位
成長小説であり、クライムサスペンスですが、結果的に雄大なロードノベルのような雰囲気があります。
娘の現代の物語と父の銃痕にまつわる過去の話。アラスカの大氷河、
アリゾナのソノラ砂漠、ワイオミングの大平原、西海岸のホイッドビー島など、北米大陸の美しい自然描写。
「アルケミスト」 パウロ・コエーリョ(著)
ブラジルの作詞家・小説家のパウロ・コエーリョによるロードノベル
スピリチュアル小説とも言われています。
著者の他の作品に「星の巡礼」など。
「メイスン&ディクスン」 トマス・ピンチョン(著)
アメリカを南北に分断する国境線「メイソン&ディクソン線」を測量するため旅立つ珍道中(ロードノベル)
実在した天文学者チャールズ・メイスンと測量士、アマチュア天文学者のジェレマイア・ディクスンの2人の名がついた境界線は、南北戦争時代の北部と南部の州の間の分割のラインとなった。
ピンチョン作品の中では比較的、読みやすい小説だと言われています。
「ぼくとペダルと始まりの旅」 ロン・マクラーティ(著)
隠れた名作とも言われる自転車ロードノベル
天涯孤独になったスミシーは、姉の眠るLAへと自転車を漕ぎ出す。
魂を揺るがす感動の物語。 (「奇蹟の自転車」からの改題)
「濃霧は危険」 クリスチアナ・ブランド(著)
イギリス南部ダートムアが舞台の冒険小説
レデヴン館の相続人ビル・レデヴン少年は、親の命で休暇を過ごすため、目的地に向かっていたが、途中の荒れ地で運転手に車からつまみ出される。。ビルは荒れ地を彷徨ううち、少年パッチと知り合い、2人は行動を共にするが!?・・
英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家と言われる著者の作品。
「脱出記」 スラヴォミール・ラウイッツ(著)
12カ月間、6500キロの過酷な行程のノンフィクション小説
映画化もされています。
実話ですが小説風。シベリアからインドまで、モンゴルのゴビ砂漠を通過し、ヒマラヤを越えて歩いた男達の物語。
「戦場のアリス」 ケイト・クイン(著)
全米100万部突破
題名や題材が歴史ミステリーの印象が強くなっていますが、フランス北部のロードノベル感も強い作品です。
第一次大戦下、暗躍した伝説の女スパイを題材にした歴史ミステリー
国内ロードノベル
「夏色ジャンクション」 福田 栄一(著)
隠れた名作とも言われている青春ロードノベル
ミニバンで生活する失意の青年、おちゃめな老人、ヒッチハイクで青森を目指すアメリカ娘の3人の熱い夏。
山形まで、3つの人生を乗せてミニバンは北へ走る!?・・
「旅する練習」 乗代 雄介(著)
[2022年] みんなのつぶやき文学賞【国内編】第2位
第164回芥川賞候補作
サッカー好きの姪とおじの徒歩でのロード・ノベル。
利根川沿いを徒歩で千葉県の我孫子~鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅。
利根川の野鳥の風景描写、文豪の情報など秀逸な作品。
「地べたを旅立つ」 そえだ 信(著)
2020年(第10回)アガサ・クリスティー賞 受賞作
ミステリー要素もあるロードノベル
札幌から姪のいる小樽まで約30キロ、北海道の警察署刑事課勤務の主人公は車にはねられ、気づいた時にはロボット掃除機になっていたが!?・・