インドのミステリ小説の邦訳は秀作が増えてきているように感じます。
インドの描写が豊富で、バックパッカーなど旅好きな人にもおすすめの小説が多く翻訳されています。
そんな、インドが舞台のミステリや歴史小説、冒険小説などをまとめています。
インドが舞台の小説!?
インドが舞台になっているミステリーや歴史小説をご紹介します。
「ブート・バザールの少年探偵」 ディーパ・アーナパーラ(著)
2021年 アメリカ探偵作家クラブ(エドガー賞)最優秀長篇賞 受賞
インド社会の闇を描いた傑作
ヴィスカース・スワループ
「ぼくと1ルピーの神様」 ヴィカース・スワループ(著)
アカデミー賞8冠「スラムドッグ$ミリオネア」の原作の小説です。
インドの貧困など、社会的側面も描いています。インド旅行にもおすすめ
クイズ答えて進行していくという流れは一緒ですが、映画とは少し違います。映画では、エピソードの1つだけという感じです。
「6人の容疑者」 ヴィカース・スワループ(著)
↑ 上記、「ぼくと1ルピーの神様」の著者の第2弾
現代インド社会の問題(カースト差別、貧富の差、政治の腐敗など)を含んだミステリー
アビール・ムカジー
「カルカッタの殺人」 アビール・ムカジー(著)
英国推理作家協会賞(CWA賞)ヒストリカル・ダガー受賞作
1919年の英国領インドの歴史ミステリー
「ミステリが読みたい!2020年版」で第16位
「マハラジャの葬列」 アビール・ムカジー(著)
ウィルバー・スミス賞冒険小説賞受賞作
「カルカッタの殺人」のウィンダム警部シリーズの第2弾です。
「阿片窟の死」 アビール・ムカジー(著)
2022年発売のシリーズ最新作です。
1921年の英領カルカッタが舞台のシリーズ第3弾となります。
未翻訳の最新作が、2022年決定(最新)の英国推理作家協会賞のゴールド・ダガー賞の最終候補作となっています。
独立運動が激化する中!?・・
その他の作家
「ボンベイのシャーロック」 ネヴ・マーチ(著)
エドガー賞最優秀新人賞 候補作
1892年、インドのボンベイ。シャーロック・ホームズを敬愛する主人公ジムは、変装を駆使して2人の女性の時計塔の転落死を調査するが!?・・
植民地の時代のインドの描写が豊かな推理小説。2022年注目のミステリ
「英国屋敷の二通の遺書」 R・V・ラーム(著)
インド発、英国犯人当ての王道ミステリ
英国人が建築し、代々の主が非業の死を遂げたたグレイブルック荘。元警官が屋敷を訪れるが、財産家は遺書を2通書いていた!?・・
英国ミステリの空気感漂うインドミステリ
「紳士と猟犬」 M・J・カーター(著)
イギリスの支配下にある19世紀のインドが舞台の傑作歴史ミステリー
アメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞 & 英国推理作家協会賞新人賞ダブルノミネート
「ボンベイアイス」 レスリー・フォーブス(著)
スパイスの香りが漂ってくるような、混沌とした空気感の伝わってくるインドのムンバイを舞台にしたミステリー
ヒンドゥー教の神々とカオスなインドの地や人間模様が味わえる小説。
「ボンベイ、マラバー・ヒルの未亡人たち」 スジャータ・マッシー(著)
アガサ賞歴史小説部門大賞、メアリー・ヒギンズ・クラーク賞など受賞多数
傑作歴史ミステリー
インドの文学について
インドには、ノーベル文学賞作家がいます。
かなり昔ですが、1913年のアジア人初のノーベル文学賞受賞者としてラビンドラナート・タゴール氏がいます。インドの詩人で、思想家、作曲家です。
当時、イギリス政府からナイトに叙されたものの返上しています。
ただ、これはかなり昔の話で、イギリス領インド帝国時代の人です。
1947年のインド独立ではインド・パキスタン分離独立による動乱が作家にも大きな影響を与え、これを描いた作品は動乱文学とも呼ばれている。クリシャン・チャンダルの「ペシャワール急行」やビーシュム・サーヘニーの「タマス」、クリシュナ・バルデーオ・ヴァイドの「過ぎ去りし日々」など多数ある。
参照:「Wikipedia:インド文学 #近現代 20世紀」
ムンバイが舞台のバックパッカー小説!?
「シャンタラム」 グレゴリー・デヴィッド・ロバーツ(著)

カオスなインドムンバイが舞台の冒険小説
ドキュメントタッチの小説で、バックパッカー、ハリウッドセレブにも人気
レビュー
インドの風景、インドの人々の生き方、考え方などがわかりました。
著者の経歴からノンフィクションが殆どだと思います。これが殆ど著者の自伝というから驚きです。
ムンバイの混沌とした情景やカオスな感じが伝わってきます。波乱万丈なムンバイでの生活ぶりがエンターテイメントになっています。
インドのムンバイの旅行記のような体験記のような物語でした。

上・中・下巻とあるので、読了するのは結構大変!
旅や冒険気分は満たしてくれるので、バックパッカーや旅行好き、ムンバイに興味のある人にもおすすめです。
ムンバイのスラムの状況やマフィアとの物語など、様々な話題が面白かったです。非常に骨太な長編小説です。
「東南アジアや南アジアが舞台の小説」もまとめています。
「中東(イラン・イラク・ドバイ)が舞台の小説」もまとめています。
バザールや地下鉄を捜索するうち、想像を遙かに超える現実が・・