韓国の翻訳小説が増えていて、韓国文学ブームとも言われています。
「新しい韓国の文学シリーズ」など、出版が増えています。
そんな、韓国小説で話題になっている作品をまとめました。
韓国作家の話題の小説
「三十の反撃」 ソン・ウォンピョン(著)
2022年【本屋大賞】翻訳小説部門 第1位
勇気をもらえる傑作感動作。
1988年ソウルオリンピックの年に生まれて30歳になる主人公。
平凡に生き、大人になったが本当にしたかったことを考えるように・・
そして、ついに「本当の自分」として一歩を踏み出す。
前作「アーモンド」でも2020年【本屋大賞】翻訳小説部門 第1位となっています。
「82年生まれ、キム・ジヨン」 チョ・ナムジュ(著)
2019年Twitter(ツイッター)文学賞【海外部門】第2位
韓国では社会現象にもなり、100万部を超えるベストセラー
映画化もされ、2020年10月9日公開されました。
他にも、短篇集「ヒョンナムオッパへ」や「彼女の名前は」などの作品があります。
最新作は、超格差社会を描いた長編「サハマンション」です。
「保健室のアン・ウニョン先生」 チョン・セラン(著)
2021年(第1回)「みんなのつぶやき文学賞」第3位
心温まるストーリーと奇想天外な物語。
「フィフティ・ピープル」でも知られる若き作家の小説です。
初のSF短編集となった「声をあげます」では、2022年(第2回)「みんなのつぶやき文学賞」第8位となりました。
「女の答えはピッチにある:女子サッカーが私に教えてくれたこと」 キム・ホンビ(著)
2021年「サッカー本大賞」大賞 受賞作
「千個の青」 チョン・ソンラン(著)
韓国科学文学賞大賞 受賞作
2022年(第2回)「みんなのつぶやき文学賞」第9位
韓国新世代SF作家による近未来小説
「ピンポン」 パク・ミンギュ(著)
著者パク・ミンギュは、現代韓国を代表する作家です。
第8回(2018年)Twitter(ツイッター)文学賞 第2位
中学生男子が卓球で人類存亡を賭けた試合に臨む!?いじめ問題を含みつつ明るく展開する物語。純文学で読みやすいです。
短編集「カステラ」は、自国のシン・ドンヨプ創作賞を受賞しています。
日本翻訳大賞の第1回受賞作でもあります。
「パチンコ」 ミン・ジン リー(著)
「全米図書賞」最終候補作
2021年(第1回)「みんなのつぶやき文学賞」第9位
日本に併合された朝鮮半島、釜山沖の影島。四世代にわたる在日コリアン一家の壮大な物語。
「私は私のままで生きることにした」 キム・スヒョン(著)
韓国で100万部のベストセラー!日韓累計145万部
2019年、2020年に、2年連続で年間ベストセラーにランクイン
韓国の若者を中心に日本でも大反響
「+1cm(プラスイッセンチ)たった1cmの差があなたの世界をがらりと変える」 キム・ウンジュ(著)
韓国・米国で75万部超えのベストセラーが日本上陸
「たった1cm見方が変わるだけで180度世界が違って見える。」そんなポジティブな発想で、仕事、恋愛、人間関係などの人生を変えるアイデアとヒントが満載です。
「誘拐の日」チョン・ヘヨン(著)
新鋭作家による次世代韓国ミステリー
ドラマ化決定。2021年に発売されたミステリで、次々と展開するストーリーに引き込まれる1冊です。
↓↓↓ページ下部に読了レビューも書いています。
「あやうく一生懸命生きるところだった」 ハ・ワン(著)
韓国でベストセラー25万部
変わったタイトルの書籍に贈られる「日本タイトルだけ大賞2020」で大賞を受賞しています。
「種の起源」チョン・ユジョン(著)
韓国ベストセラー作家のサイコミステリーです。
ハヤカワの「ミステリが読みたい!2020年版」で第15位
各種ミステリランキングでもランク常連となりました。
「景福宮の秘密コード」 イ・ジョンミョン(著)
15世紀、朝鮮王朝の名君、世宗大王時代の歴史ミステリーです。
ソウル市内の5大王宮の中でも最も大きい景福宮(キョンボックン)が舞台のミステリー。
韓国でテレビドラマ化。韓国ベストセラー作家の出世作
「殺人者の記憶法」 キム・ヨンハ(著)
文学トンネ作家賞、黄順元文学賞、東仁文学賞、万海文学賞、現代文学賞、李箱文学賞、金裕貞文学賞など、韓国の主要な文学賞を殆ど受賞しています。
日本では、第4回日本翻訳大賞を受賞
韓国長編ミステリ小説の傑作。映画化もされています。
「回復する人間」 ハン・ガン(著)
7篇を収録した短篇集です。日本では初の短篇集
著者のハン・ガン氏は、アジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞/李箱文学賞も受賞しています。
Twitter(ツイッター)文学賞2020で第5位になっています。
「惨憺たる光」 ペク・スリン(著)
7つの物語の短編集。李箱文学賞、マン・ブッカー国際賞受賞の作家
日本翻訳大賞の候補(ノミネート)作品にもなりました。
韓国小説 【あらすじ&レビュー】
「誘拐の日」 チョン・ヘヨン(著)
娘の手術費のため少女を誘拐する誘拐犯。ところが少女は天才少女で、豪邸に住む両親は死体で発見される。
果たして犯人は誰か!?両親が抱えている過去の秘密とは何か!?・・
話が2転3転する次世代の韓国ミステリー
レビュー
出だしから誘拐犯側が主人公の斬新な設定。
しかも、頼りない誘拐犯が11歳の天才少女に口で言いくるめられる有様。
次々と起こる展開と先が気になる感じで面白かったです。
内容は殺人ミステリでありながらシリアスでなく、どこか韓ドラを読んでいるような暗くない小説でした。
スラスラ読めるいっき読みタイプの読みやすさとストーリーの面白さが、おすすめの韓国ミステリーだと思いました。
「土地」 朴 景利(著)
韓国南部を舞台にした1969年から25年間に渡り書き継がれた大河小説
韓国現代文学の最重要作品のひとつと言われる15巻からなるシリーズ
国民文学として韓国でベストセラーになっている小説です。
時代は、朝鮮王朝末期の1897(明治30)年から始まり、農村地域が舞台で大地主とそこに住む人々の系譜と物語です。
レビュー
登場人物も多く最初は入りずらい箇所もありましたが、壮大で面白かったです。
10巻ありますが読みやすいので、間を空けて途中から読んでも入り込めました。

最近の本じゃないけど、おすすめ
韓国の歴史や文化、風習など古くからのことが勉強になります。もちろん、ストーリーも面白いです。
「全羅南道」など、馴染みのない韓国南部の地域についても知ることが出来ました。
また、本土と済州(チェジュ)島の関係なども見えてきます。
「白丁(ペクチョン)」とか「在日の歴史(流れ?)」とか、タブーに近いと思われる事柄についても勉強になりました。
本土はもちろん、済州(チェジュ)島旅行に行かれる人にもおすすめの韓国文学だと感じました。
「韓国が嫌いで」 チャン・ガンミョン(著)
主人公の韓国人が留学生として韓国を出て、オーストラリアで永住権をとる純文学です。あとがきでは、フェミニズム小説となっていました。
レビュー
友達に話しかけるような文体の軽い感じで読みやすく、いっき読み出来るタイプの純文学でした。
160ページ程度の薄い冊子で、韓流ドラマの語りかけのような感じです。
短い時間で、軽い感覚で読める小説としておすすめです。
韓国の事情などの記載もあり、都会生活に疲れ、済州島などに1ヶ月行くマンスリー生活や超低出産率、満員電車など、今の韓国のこともわかりました。
2015年、SNSなどで流行った「ヘル朝鮮」という言葉。働いても働いていなくても閉塞感のある韓国の状況から脱出するように、主人公の韓国人はオーストラリアへ留学します。オーストラリアで永住権をとることの難しさなども。
おまけ
韓国文学を旅する60章
古典から現代まで、今、最も注目されている韓国文学のガイド
土地にゆかりのある作家の紹介など