「世界飛び地大全」という本が面白いので、記事にしました。
地理好き、海外旅行好き、世界史好きな方に特におすすめの本です。
「世界飛び地大全」!?
飛び地」とは!?
飛び地は、一つの国の領土や行政区画、町会等の内、地理的に分離している一部分のことを言います。
土地の一部が「他所に飛んでいる」ことから飛び地と言われます。
本書によると..
日本の市町村にも自治体同士の飛び地は存在します。
国際間で言う飛び地とは、他国の領土によって本土から隔絶された場所のことを言います。
「世界飛び地大全―不思議な国境線の舞台裏」 吉田 一郎(著)
内容レビュー
「世界飛び地大全」では、世界中の飛び地が辞典のように個別に紹介されています。
アメリカの飛び地である「アラスカ」が有名ですが、
比較的馴染みのある所では、「ジブラルタル」(スペイン南部のイギリス領、世界の危険な空港などでも知られる)
スペインとフランスに挟まれたの境のピレネー山脈あたりにある「アンゴラ共和国」などが載っています。
ボルネオ島(マレーシア)の中にある飛び地として、世界一お金持ちの国「ブルネイ」も掲載されています。
東プロイセンという歴史を背負った「カリーニングラード(ロシア)」は、ポーランド北部のバルト海沿いにある飛び地です。
「ムサンダム半島」(ドバイ「UAE」からも近いオマーンの特別行政区)
スペインとモロッコのジブラルタル海峡沿いの「セウタ」
トルコイスタンブルの対岸ギリシャに囲まれた「エディルネ」なども載っています。
聞いたこともないドイツ領に囲まれたオーストリア領の村「ユングホルツ」や
ドイツ領に囲まれたベルギー領の鉄道「ベンバーン鉄道」など、珍しい飛び地も紹介されています。
イギリス、フランス、アメリカ、オランダの現役植民地が入り乱れるカリブ海諸島の島々では、北半分がフランス領で南半分がオランダ領の「セント・マーチン島」などが紹介されています。
その他にも、「九龍城砦」やキューバの「グアンタモ湾」なども載っています。
- 現存する飛び地
- 過去に存在した飛び地
- 飛び地のような植民地
- 飛び地もどきの怪しい地帯
など、章に分かれて世界の多くの飛び地が紹介されています。
著者の吉田一郎氏とは!?
1963年東京都赤羽生まれの元記者、編集者です。
月刊「香港通信」や日刊「香港ビジネスポスト」で編集長を務められています。
現在は、埼玉市議を務められています。
香港にあった今は無き、世界最大のスラム「九龍城砦」
その東洋の「魔窟」と呼ばれた「九龍城砦」に住んでいたことがあるという異色の経歴の持ち主です。
「九龍城砦探訪」は、写真や図解などで「魔窟」の実態が分かりやすく、唯一無二の本ではないかと思います。
その他にも、「国マニア」、「国境線の謎がわかる本」、「消滅した国々」などの著作があります。
おわりに
「世界飛び地大全」という本についてご紹介しました。
バックパッカーに限らず、海外旅行に行く際にこういった飛び地を意識して旅行してみても楽しいかもしれません。
様々な国事情を知るうえでも楽しい本で、地理好き 海外旅行好き 世界史好きにおすすめの1冊だと思いました。
「ロードノベルのおすすめ小説20選」の記事も書いています。
メモと地図を辿り、ソウル、ハルビン、シベリア鉄道を往く「鉄路の果てに」の読了レビューも書いています。