【芥川賞】歴代受賞作一覧|2015年以降の全作品

芥川賞の最新受賞作と歴代受賞作をまとめています。

毎年、上半期と下半期の2回選ばれます。

芥川賞は、純文学の新人に与えられ、日本文学振興会により選出されます。

【芥川賞】歴代受賞作一覧

2024年 芥川賞 受賞作

下半期

「DTOPIA」 安堂 ホセ(著)

DTOPIA
河出書房新社
発売日:2024/11/1

恋愛リアリティショー「DTOPIA」新シリーズの舞台はボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡り、十人の男たちが争う恋愛バラエティー。 と思いきや、様々な社会問題を絡ませながら・・

 

「ゲーテはすべてを言った」 鈴木 結生(著)

アカデミック冒険譚

学問とは何か!?ー 創作とは何か!?ー ひとつの言葉を巡る旅

ゲーテ学者・博把統一は、彼の知らないゲーテの名言と出会う。ティーバッグのタグに書かれた言葉を求め、長年の研究生活の記憶を辿るが!?・・

 

上半期

「サンショウウオの四十九日」 朝比奈 秋(著)

内科医として勤務する作家の驚異の想像力

同じ身体を生きる姉妹。1人に見えるが、すぐ隣にいるのは別のわたし。隣のあなたは誰なのか!? 今これを考えているのは誰なのか!?・・

 

「バリ山行」 松永K三蔵(著)

山と人生が重なる純文学山岳小説

建外装修繕を専門とする新田テック建装に勤める波多。同僚に誘われ、六甲山登山に参加する。やがて、社内登山グループは正式な登山部となる。そんな折、ベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる登山「バリ山行」をしていることを知り!?・・



2023年 芥川賞 受賞作

下半期

「東京都同情塔」 九段 理江(著)

ディストピアをユーモラスに描いた現代版・バベルの塔

近未来。ザハハディド案の国立競技場が完成し、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることになる。建築家の牧名沙羅は、仕事と信条で苦悩し!?・・

 

上半期

「ハンチバック」 市川 沙央(著)

[第128回] 文學界新人賞 受賞作

患先天性ミオパチーによる症候性側弯症の自身をモデルにした作品

井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰す形で、湾曲している。。
両親が遺したグループホームの自室から、釈華はあらゆる言葉を送り出す!・・ 迫力とユーモアの1冊。

 

2022年 芥川賞 受賞作

下半期

「この世の喜びよ」 井戸川 射子(著)

純文学の作品集

ショッピングセンター喪服売り場で働く女性の日常。

ショッピングセンターで働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。その少女と仲良くなり、共感など言葉にならない感情を呼び覚ましていくーー

 

「荒地の家族」 佐藤 厚志(著)

東日本大震災を背景にした純文学

震災で様々なものを失った人達の物語。

宮城県の南部に暮らす40歳の植木職人・坂井祐治は、震災の2年後に妻を病気で亡くし、再婚するも仕事も家庭もパッとしな日々を過ごす。。元の生活には決して戻らない震災=厄災後を生きる人々の渇きと痛み・・

 

上半期

「おいしいごはんが食べられますように」 高瀬 隼子(著)

「食べること」を通して描くヒューマンドラマ

仕事に、食べ物に、恋愛に、、

職場でそこそこの二谷。料理上手で守りたくなる芦川。仕事ができてがんばり屋の押尾。3人の男女から視る現代社会。

 

2021年 芥川賞 受賞作

下半期

「ブラックボックス」 砂川 文次(著)

現代の若者の閉塞感や不安定な衝動を描いた1冊。

自衛隊と辞め、自転車メッセンジャーの仕事をしているサクマ。都内を走りながら街並み、倉庫、オフィスなどを見て起きる怒りの衝動。

 

上半期

「貝に続く場所にて」 石沢 麻依(著)

[第64回] 群像新人文学賞受賞のデビュー作

コロナ禍が影を落とす異国の街に、9年前の光景が重なり合う。ドイツの学術都市に暮らす私の元に、震災で行方不明になったはずの友人が現れる。人と場所の記憶に向かい合い、静謐な祈りを込めて描く鎮魂の物語。

 

「彼岸花が咲く島」 李 琴峰(著)

島を舞台にした中篇小説

彼岸花の咲き乱れる島に1人の少女が流れ着く。不思議な島の歴史と共に、様々な経験をしていくが!?・・

与那国島の史実がモデルではないか!?とも言われている1冊。

ファンタジーっぽい要素!?もありつつ。



2020年 芥川賞 受賞作

下半期

「推し、燃ゆ」 宇佐見りん(著)

推し、燃ゆ
河出書房新社
発売日:2020/9/10

推し活に励む女子高生が主人公の純文学

デビュー作「かか」【三島由紀夫賞】最年少受賞の21歳の作家。

ある日突然、推しが炎上し――。芸能人・俳優・アイドルなどの通称「推し」。そんな推しを愛することに生活をささげる高校生あかり。ある日突然、推しがファンを殴った・・

 

上半期

「首里の馬」 高山 羽根子(著)

第163回(2020年上半期)芥川賞受賞作

沖縄の歴史を絡めたSF的要素?のある純文学作品

郷土資料館で資料の整理の手伝いをする主人公・未名子。仕事は、「孤独な業務従事者への定期的な通信による精神的ケア」という不思議な形態。そして、家の庭には1頭の宮古馬が迷い込み!?・・

沖縄の文化、苦難の歴史など琉球についての記述を含みつつ。

 

「破局」 遠野 遥(著)

破局
河出書房新社
発売日:2020/7/4

2019年に「改良」で第56回文藝賞を受賞しデビューした新鋭の第2作

彼女との破局までを描いた純文学

就職活動を控えた大学4年生の陽介は、お笑いライブで新入生の灯(あかり)と出会う。彼女の麻衣子(まいこ)よりも灯に惹かれはじめ!?・・

 

2019年 芥川賞 受賞作

下半期

「背高泡立草」 古川 真人(著)

記憶と歴史が結びつく純文学風小説

大村奈美は母、伯母、従姉妹と共に、福岡から長崎の島に向かい、祖母の納屋の草刈りをする。何気ない日常のなかで、江戸時代、戦後など家に流れた時間を思うーー

自然描写、田舎の風景。エピソードがいくつか挿入される不思議な1冊。

 

上半期

「むらさきのスカートの女」 今村 夏子(著)

TikTokでも話題になったベストセラー

「わたし」は、近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になる。彼女と友達になるために、自分と同じ職場で彼女が働くように誘導する。そして、観察(ストーカー)を始めるが!?・・

 

2018年 芥川賞 受賞作

下半期

「ニムロッド」 上田 岳弘(著)

仮想通貨をテーマにした小説

IT企業のSEをしている中本哲史(ビットコインの作者と同じ名前)は、社長から仮想通貨の採掘を命じられるが!?・・

友人ニムロッド、恋人との関係。資本主義とは!?価値とは何なのか!?

仮想通貨の成り立ちや仕組みが勉強になる小説。

 

1R(ラウンド)1分34秒」 町屋 良平(著)

プロボクサーが題材の青春小説

デビュー戦を初回KOで勝ってからパッとしない成績のぼく。「そもそも何故、ボクサーをやっているんだろう??」と悩んでいる時に、長年のトレーナーに見捨てられ、現役ボクサーの新トレーナーと出会う。ウメキチというトレーナーと徐々に心を開きはじめ、全力で練習に励むが!?・・

 

上半期

「送り火」 高橋 弘希(著)

送り火
文藝春秋
発売日:2020/8/5

いじめを扱ったバイオレンス系小説

東京から青森県に引っ越した中学3年生の歩。通うことになった中学校は、人数の少ないクラス。小さな集団に自分は馴染めると思っていたが!?・・夏休み、歩はクラスメートから河へ火を流す習わしに誘われる。しかし、約束の場所にいたのはクラスメートと作業着の男だった・・

暴力性のある人間の怖さ、田舎の自然描写と閉塞感。。

 

2017年 芥川賞 受賞作

下半期

「百年泥」 石井 遊佳(著)

[第49回] 新潮新人賞

ユニークなストーリーの物語

インド南東部のチェンナイで日本語としてIT企業に雇われた語り手の「私」。そんな折、川が100年に1度の洪水にあう・・ もたらしたものは、圧倒的な「泥」だった。。

泥の中からは、ウィスキーボトル、行方不明だった人間などが!?・・

 

「おらおらでひとりいぐも」 若竹 千左子(著)

50万部突破の感動作、2020年、最強の布陣で映画化決定! 田中裕子、蒼井優が桃子さん役を熱演、「南極料理人」「モリのいる場所」で最注目の沖田修一が脚本・監督。すべての人生への応援歌。

 

上半期

「影裏」 沼田 真佑(著)

影裏
文藝春秋
発売日:2019/9/3

淡々と進むストーリーと静かな物語

岩手県盛岡。東京から関連会社に出向した主人公は、同僚の日浅にだけは心を許せた。共に、釣りを楽しむが、次第に日浅の影の面を知り!?・・

東北地方の叙情的な自然描写。東日本大震災を背景にした人間関係。

 

2016年 芥川賞 受賞作

下半期

「しんせかい」 山下 澄人(著)

富良野塾で倉本聰に師事する青年の私小説

19歳の山下澄人は、俳優を志し、北海道の俳優養成所へ向かう。養成所で待ち受けていたのは、俳優、脚本家を志す若者達との自給自足の共同生活と「先生」だったーー

 

上半期

「コンビニ人間」 村田 沙耶香(著)

「普通とは何か?」を問う自伝的純文学

コンビニバイト歴18年の古倉恵子。36歳未婚、彼氏なし。コンビニ店員でいる時だけ世界の歯車になれる・・。ある日、新入りの男性、白羽に「そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい」と言われるが!?・・

 

2015年 芥川賞 受賞作

下半期

「死んでいない者」 滝口 悠生(著)

親族達の ”つながり” が描かれる小説

祖父が死に、通夜に集まった子供5人、孫10人、その配偶者5人、ひ孫3人、欠席者も2人いるが、親族大集合での一夜の物語。

 

「異類婚姻譚」 本谷 有希子(著)

【大江健三郎賞、三島由紀夫賞】受賞作家

ユーモアと毒の入り混じる短編集

顔が似てきた夫婦の物語。

ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気がつく・・他人同士がひとつになる「夫婦」という形式の違和感。。

 

上半期

「スクラップ・ アンド・ビルド」 羽田 圭介(著)

介護がテーマの小説

高齢の祖父と暮らす健斗は、無職で就職活動中の20代後半。「死にたか..」ともらす87歳の祖父。介護をこなす健斗の意外な行動とは!?・・

高齢者に向き合う心理状況など、介護生活の実情がかいま見れる1冊。

 

「火花」 又吉 直樹(著)

火花
文藝春秋
発売日:2017/2/10

吉本興業の芸人・又吉直樹のデビュー作

売れない芸人の徳永。熱海の花火大会で出会った先輩芸人、神谷に弟子入りを志願する。条件として「神谷の伝記を書く」ことを言い渡される。2人は頻繁に会い親密になるが、徳永は少しずつ売れて行き!?・・