星雲賞は、1970年に創設され、日本で最も歴史が長いSF賞です。
ヒューゴー賞やネビュラ賞などのSF賞に習い、国産のSF賞として毎年決定しています。
そんな、星雲賞の歴代受賞作品をまとめています。
2024年(第55回)【星雲賞】大賞 受賞作
日本長編部門
「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」 高野 史緒(著)
ベストSF【国内篇】第1位
茨城県・土浦が舞台の青春SFの新たな金字塔
夏紀と登志夫。別々の2021年を生きる2人には、幼い頃「グラーフ・ツェッペリン号」を見たという記憶があった。そんな、夏紀のもとへ電子メールで思いがけない返信が届き!?・・
海外長編部門
「怪獣保護協会」 ジョン・スコルジー(著)
[2023年] ローカス賞 受賞作
SFが読みたい!ベストSF 2023[海外篇]第8位
アメリカ発の傑作怪獣SF
2020年。パンデミックの最中、ジェイミーは会社を解雇される。昔の知人に紹介された仕事は、体長150mの怪獣を保護する仕事だった!・・ ジェイミーは驚きながらも「怪獣保護協会」の一員として、絶滅の危機にある彼らを保護する。しかし、地球からやってきた億万長者により、怪獣惑星と地球に危機が迫り!?・・
【星雲賞】歴代受賞作一覧
2023年(第54回)受賞作
日本長編部門
「プロトコル・オブ・ヒューマニティ」 長谷 敏司(著)
ファーストコンタクトもの。
「あなたのための物語」「allo, toi, toi」「BEATLESS」を超える10年ぶりの最高傑作
海外長編部門
「ファウンデーション ―銀河帝国興亡史」 アイザック・アシモフ(著)
2022年(第53回)受賞作
日本長編部門
「月とライカと吸血姫」 牧野 圭祐(著)
宇宙飛行士候補生の青年と吸血鬼の少女の物語
人類史上初の宇宙飛行士は、吸血鬼の少女だった!?・・
1960年、有人宇宙飛行が未だ成功していなかった時代。青年レフ・レプスはある日、極秘の任務でイリナ・ルミネスクという少女を飛行士として訓練することを命じられる。実験飛行に吸血鬼を使う「ノスフェラトゥ計画」が進行しているとのことだが!?・・
2021年よりBSでテレビアニメ化もされています。
「マン・カインド」 藤井 太洋(著)
2015年「オービタル・クラウド」で受賞経験のある著者のSF小説
「S-Fマガジン」で連載されていた作品です。
2045年、国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオは、軍事企業〈グッドフェローズ〉の捕虜を銃殺する。迫田城兵は、これをレポートしようとするが、事実確認プラットフォームに配信を拒否される。はたして人類に何が起こっているのか!?・・
海外長編部門
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」 アンディ・ウィアー(著)
第2回(2022年)みんなのつぶやき文学賞【海外編】第4位
「火星の人」の著者による科学SFエンターテイメント
地球の全生命滅亡まで30年・・。存亡の危機に瀕した人類は、遠い宇宙に向けて「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を発動する。。グレースは宇宙船(ヘイル・メアリー)号でたったひとり目を覚ますが!?・・
2022年、「面白い」と評価が高く、大変話題になっているSF小説です。
2021年(第52回)受賞作
「星系出雲の兵站」 林 譲治(著)
第41回(2021年)【日本SF大賞】受賞作
新ミリタリーSFシリーズ
辺境の壱岐星系で人類外の産物らしき無人衛星が発見される。。出雲星系を根拠地とするコンソーシアム艦隊は内政介入を企図するが!?・・
双方の政治、軍事的思惑が入り乱れながらも衛星の正体が判明するーー
2020年(第51回)受賞作
「天冥の標」 小川 一水(著)
第40回(2020年)【日本SF大賞】受賞作
全10巻からなる壮大な傑作SF小説。
西暦2803年、植民地「メニー・メニー・シープ」では、「領主」と呼ばれる植民地臨時総督により独裁が敷かれていた。。そんな中、「イサリ」と名乗る謎の生物により、未知の感染症が発生し謎の疫病が蔓延するが!?・・
2019年(第50回)受賞作
「零號琴」 飛 浩隆(著)
SFが読みたい!2018年版【国内編】第1位
スペースオペラ的な要素のあるSFファンタジー
短編集「自生の夢」で第38回(2018年)日本SF大賞を受賞した著者による世界観の面白いSF。
主人公バディは未来の宇宙空間の惑星で、巨大楽器<美玉鐘>の奏でる秘曲<零號琴>を巡る騒動に巻き込まれていくーー
2018年(第49回)受賞作
「あとは野となれ大和撫子」 宮内 悠介(著)
王道の青春冒険SFストーリー
中央アジアをを連想させる舞台のファンタジー的小説。
砂漠の小国家、アラルスタン。紛争で両親を失った日本人少女ナツキは、国の教育機関に引き取られる。。仲間と気楽に過ごしていたが、大統領が暗殺され情勢は一変し!?・・
2017年(第48回)受賞作
「ウルトラマンF」 小林 泰三(著)
ウルトラマン関連のSF小説
ウルトラマンのいない地球。怪獣や宇宙人に対抗できる新戦力を模索する人類。。各国の開発競争が進む中、あの彼女がウルトラマンになる!?・・
2016年(第47回)受賞作
「怨讐星域」 梶尾 真治(著)
SFが読みたい!2015年版【国内編】第4位
SF大河ロマン
太陽フレアの膨張により、地球消滅から逃れるため米大統領と選ばれた3万人だけを乗せ、宇宙船ノアズ・アークは出航する。。一方、残された人々は星間転移で脱出を図る!
旅立った3万人と残された70億人。2つの人類の目標は172光年先の「約束の地」だが!?・・
2015年(第46回)受賞作
「オービタル・クラウド」 藤井 太洋(著)
第35回(2015年)日本SF大賞受賞作
ベストSF2014【国内篇】第1位
世界を揺るがすスペーステロ計画の傑作長編話題作。
2020年、流れ星の観測をするフリーランスのWebサイト運営者・木村和海は、イランから打ち上げられたロケットブースターの2段目が異常な動きをしていることに気づくが!?・・
2014年(第45回)受賞作
「コロロギ岳から木星トロヤへ」 小川 一水(著)
「天冥の標」の著者による時間SF長編
21世紀と23世紀をつなぐ異色のSF小説。
西暦2231年、木星前方トロヤ群の小惑星アキレス。戦争に敗れたトロヤ人達はヴェスタ人の支配下で生活を送っていた。。ある日、広場に放置された宇宙戦艦に忍び込んだ2人の少年。一方、2014年の北アルプス・コロロギ岳では来訪者が現れ!?・・
読みやすく、コミカルなキャラクターも際立つ1冊。
2013年(第44回)受賞作
「屍者の帝国」 伊藤 計劃(著) 円城 塔(著)
アクションSF小説
19世紀末、屍体の蘇生技術が全世界に普及している状況。。
最初の屍者ザ・ワンを求めて、英国秘密諜報員ワトソンは世界中を冒険するが!?・・
アニメや映画を観ているような雰囲気も。
2012年(第43回)受賞作
「天獄と地国」 小林 泰三(著)
宇宙活劇SFアドベンチャー
地上が地面で、足下に星空が広がり天地が逆になっている世界。僅かな資源で村に暮らす人々。世界の果てにもっと暮らしやすい別天地があると確信したカムロギは、多くの敵と戦いをくり返しながら楽園を目指す旅を続けるーー
宇宙船、巨大ロボット戦、ハイテクノロジー、未知への冒険など。
まとめ
2022年の受賞作を中心に、星雲賞の歴代受賞作をまとめました。
星雲賞はSF小説の賞として最も歴史の長い賞なので、是非、読まれてみてはいかがでしょうか。