スペインに興味ある人、スペイン旅行や留学、移住予定の人に特におすすめしたいスペインが舞台の小説をご紹介します。
スペインが舞台になっている小説はいくつかあります。
歴史事実を絡めた小説や単純に楽しめるミステリを掲載しています。
スペインが舞台の小説
「失われた天使」 ハビエル・シエラ(著)
「プラド美術館の師」の著者ハビエル・シエラの小説
「終焉の日」 ビクトル・デル・アルボル(著)
1980年フランコ独裁後と1940年前後スペイン内戦終結直後を行き来する重厚な小説で、スペイン現代史の勉強にもなる1冊です。
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「風の影」 カルロス・ルイス・サフォン(著)
2020年に逝去した作家のスペイン文学小説で知名度の高い1冊
イニエスタの「好きな本」としても知られています。
少年の成長物語。スペイン内戦の悲劇、歴史、恋愛、冒険ミステリ。
シリーズ完結作の「精霊たちの迷宮」が遺作となりました。
「マリーナ バルセロナの亡霊たち」 カルロス・ルイス・サフォン(著)
故・スペインの巨匠の幻の初期作
少年オスカルと少女マリーナの青春冒険物語
霧の都・バルセロナに潜む怪奇と真実とは!?・・
「花嫁殺し」 カルメン・モラ(著)
2021年 プラネータ賞を受賞しました。
マドリードが舞台のスペイン警察シリーズ第1弾
著者のカルメン・モラは、覆面作家として女性作家とのことでしたが、プラネータ賞の授賞式に3人の男性が登壇し、周囲を驚かせました。
3人の脚本家の合作ということです。
「アコーディオン弾きの息子」 ベルナルド・アチャガ(著)
日本翻訳大賞最終選考5冊に残った1冊
少数言語となりつつある現代バスク語文学を代表する1冊。
ピカソの「ゲルニカ」でも知られるバスク地方。
スペイン内戦から民族解放運動まで、近現代史を描いたバスクの姿を伝える小説。
「カディスの赤い星」 逢坂 剛(著)
直木賞受賞作
著者の逢坂剛さんは日本推理作家協会賞なども受賞されています。
カディスはスペイン南部の地方都市。スペイン近代史が絡む小説。
「オリジン」 ダン・ブラウン(著)
ダン・ブラウンの最新作です。
バルセロナやビルバオの「グッゲンハイム美術館」が舞台となっています。
比較的薄い冊子なので、いっき読み出来てしまいます。
「悪女」 マルク・バストル(著)
Amazonの売り上げランキングでも上位になっているスペインミステリ。
20世紀初頭のバルセロナが舞台で、いわゆる謎解きもののミステリではなく、犯罪者の実話から材を得た犯罪小説。
「ジブラルタルの女王」 アルトゥーロ・ペレス・レベルテ(著)
ドラマ化もされている麻薬取引の世界で生きる女性の物語です。
メキシコの貧民街で生まれた主人公は、スペインの南部アンダルシア地方にある飛び地ジブラルタル(イギリス領)へ渡ります。
「テラ・アルタの憎悪」 ハビエル・セルカス(著)
カタルーニャ州郊外の町テラ・アルタ。
獄中でユゴーの「レ・ミゼラブル」と出会ったことで、犯罪をやめ、警察官になったメルチョール。拷問の末に、惨殺された富豪夫妻殺人事件の捜査に当たる。そのうち、夫妻の事業に裏があることに気づき!?・・
「無垢なる聖人」 ミゲル・デリーベス(著)
ナダル賞受賞作家で20世紀のスペインを代表する作家の最新作
農園主と労働者達の生きる姿を描く名作。
1960年代スペイン。スペイン南西エストレマドゥーラの大農園で認知症を患ったアサリアスは、義弟の家へやっかいになる。その義弟が事故で足を骨折してしまう。。アサリアスは義弟のかわりに主人の狩りのお供をするが!?・・
「フェンシング・マエストロ」 アルトゥーロ・ぺレス・レベルテ(著)
19世紀のスペイン、マドリードを舞台にした歴史冒険小説
フェンシングの師範ハイメ・アスタルローアは、クーデターの陰謀に巻き込まれ、謎を解くため、命がけの争闘に飛び込んでいくが!?・・
日本ハードボイルド界の大御所、高城高による翻訳。
「仔羊の頭」 フランシスコ・アヤラ(著)
[1991年] セルバンテス賞(スペイン語圏最高の文学賞)受賞作家
スペイン内戦の悲惨さを描く5つの短編集
それぞれの物語から見えてくるスペイン市民戦争の実相。
表題作「仔羊の頭」ーーモロッコのフェズを訪れた主人公は、同姓の家に招かれ、夕食の羊料理で消化不良に陥る。。一家にせがまれ、内戦中の悲劇を語り出す・・
「ホットミルク」 デボラ・レヴィ(著)
ブッカー賞最終候補作
映画化も決定している作品です。
原因不明の病で歩けない母親の治療のため、25歳のソフィアは、夏にイギリスから南スペインを訪れる。
介護のために学者の道を諦めたソフィアの苦悩。。「私の人生って何なんだろう・・」
「セビーリャの冷たい目」 ロバート・ウィルスン(著)
CWA賞ゴールドダガー賞受賞者の作品
スペイン南部のセビーリャのサスペンスミステリー
「ガウディの遺言」 下村 敦史(著)
江戸川乱歩賞作家による傑作長編ミステリ
サグラダ・ファミリアの尖塔に、死体が吊り下げられたーー
1991年、バルセロナ。現地に暮らす佐々木志穂は、父の友人であるアンヘルの遺体がサグラダ・ファミリアの尖塔に吊り下げられているのを発見する。。この殺人事件と父の失踪に関係があると考えた志穂は、サグラダ・ファミリア建設について調べ始めるが、ガウディが遺した「ある物」を巡る陰謀に巻き込まれていき!?--
「ミハスの落日」 貫井 徳郎(著)
白い街として有名なアンダルシア地方のミハスが舞台のミステリ他、短編集全5編。
「生贄の門」 マネル・ロウレイロ(著)
このホラーがすごい!2024年版【海外篇】第2位
スパニッシュ・ホラーのベストセラー小説
ケルト伝説に彩られたスペイン、ガリシア地方が舞台のサスペンス・ホラー
ガリシア地方の小村。若い娘の死体が発見される。。捜査官のラケルは、病気の息子を助けたいため、地元のヒーラーを頼り、この村を訪ねたばかりだった。この奇妙な村でラケルは捜査をするが「異界からの何者かが訪れる門」と恐ろしい儀式に行きつき!?・・
「怪物のゲーム」 フェリクス・J・パルマ(著)
スペインで話題沸騰の震撼スリラー
怪物(連続誘拐殺人犯)の登場するミステリ小説が大ヒットした作家のディエゴ。しかし、その後の作品は鳴かず飛ばずで10年が過ぎていた・・ ある夜、帰宅すると7歳の娘の姿がなく、一通の黒い封筒が置かれていた・・
狙われたのは「怪物」の生みの親の小説家!?・・
「カタロニア讃歌」 ジョージ・オーウェル(著)
「1984」「動物農場」などで知られるジョージ・オーウェルのスペイン内戦下の名作
カタロニア地方バルセロナ
スペインミステリ 【あらすじ&レビュー】
「終焉の日」 ビクトル・デル・アルボル(著)
スペインで最高の文学賞の1つナダル賞受賞
スペイン現代史が入り混じった大陰謀劇、歴史大河ミステリーです。
あらすじ
大きく分けると、1977年、スペインのバルセロナ、軍事国家から民主主義国に移行したばかりの時期と40年前の1940年代、マドリード南西部のメリダやバタホスでの2つの話が入り混じって書かれています。
フランコ総帥が内戦を終結させて軍事独裁政権に入る、1939年前後の話がカットバックで書かれています。
弁護士のマリアと警官のセサル・アルカラの現代の話、その2人の親の過去のしてきたこと。現・政治家の黒幕の戦乱期の過去など…
レビュー
傑作の歴史大河ミステリーでした。
ミステリー要素もあり、ドラマとしても面白いですが、大きく捉えると36年続いた軍事独裁政権、ファシズムのスペインの影と闇がみえてきます。
フランコ体制唯一の党「ファランヘ党」や対ソの戦いをするナチスのスペイン援軍として「青い旅団」など、スペイン現代史の勉強にもなりました。
内戦から独裁政権への激動時期(36年に渡り支配した一党独裁のファランヘ党)と第2次大戦(青い旅団=青師団)などの歴史的要素を入れつつ、物語も面白いと思います。
スペイン行くなら必読かも!?
スペインの激動時期(内戦、独裁、第2次大戦)に行なわれてきたことなど、親の世代まで遡る大河ミステリであり、戦争ミステリーとも言えるのではないかと思います。
意外性は感じましたが、謎解きの面白さが少しだけ足りないという点と完全な実話ではないという2点で厳しめに-0.5しましたが、小説(ドラマ)としては、ほぼ満点(星5つ)だと思っています。
「死んだ人形たちの季節」 トニ・ヒル(著)
バルセロナミステリー。人身売買、ドラッグ、いじめ、人種問題など濃密な感じです。3部作につながる他の謎も終盤に作りつつ。
レビュー
「死んだ人形たちの季節」「よき自殺」に続き、最新作「ガラスの虎たち」が発売されています。
スペインミステリーとして、個人的におすすめのシリーズです。
「偽りの書簡」 R・リーバス & S・ホフマン(著)
レビュー
フランコ独裁政権下の1952年のバルセロナが舞台のミステリー。
という触れこみではあるが、街描写も時代背景も殆どなく、単に物語を楽しむだけの小説という感じでした。ストーリー(ミステリ)自体は、まあまあ面白かったです。
スペインの文学
スペイン文学とは、スペイン語で書かれた文学作品の中でスペイン作家のものを言います。
スペインの文学賞では、セルバンテス賞やナダール賞などが有名です。
小説ではありませんが「丸かじりドン・キホーテ」もおすすめです。
スペイン旅行に行く前におすすめだと思いました。