南太平洋の楽園、「タヒチ」を舞台にした小説をご紹介します。
旅行に、ハネムーンに、リゾートのイメージしかないタヒチ。
そんな、タヒチをテーマにした小説についてまとめてみました。
タヒチが舞台の小説
「引き潮」 L・R・スティーヴンスン(著)
「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」の著者の海洋冒険小説。
南太平洋のタヒチで、食い詰めた3人の男達がひょんなことから帆船に乗ることになります。どん底からの脱出をかけ、南米に行くことを目論むが帆船には秘密が・・・
海の上での海洋冒険小説かと思いきや途中で孤島を見つけ、話の展開が苦闘と葛藤の物語となっていきます。終盤を読んでいると、何か物語の裏にテーマが隠されているような感じです。
結論にも曖昧さを含んでいて、運命や信仰心といったことに対する答えを読者に委ねているようにも感じました。海洋冒険物語として帆船での旅と冒険と言えば単純ですが、美しい風景に毒々しい陰鬱な面があります。
全体の物語としては大きな変化があるわけではありませんが、人間としての葛藤など文学的な面も感じました。いっき読みできる分量で読みやい小説です。
コナン・ドイルが「お気に入りの海洋小説」に選び、ボルヘスやチェスタトンも愛読していたと言われている隠れた傑作
タヒチ関連の小説は、タヒチを愛した画家ゴーギャンを描いたノーベル賞作家バルガス=リョサの「楽園への道」があります。
少し古いですが、「月と六ペンス」も画家のゴーギャンをモデルにした小説です。
英文学の歴史的大ベストセラーです。
「恐るべき太陽」 ミシェル・ビュッシ(著)
フレンチミステリ界の人気作家の最新ミステリ
「黒い睡蓮」で人気を博したミステリ界の新星の新作。
フランス領ポリネシアのタヒチ近くの島、ヒバ・オア島(マルケサス諸島)に集まった人気作家と作家志望の女性達が次々と死体で発見され!?・・
2023年を代表するミステリとの声もある1冊。
ノンフィクション
「コン・ティキ号探検記」 トール・ヘイエンダール(著)
漂流探検の古典的実話
南米のペルーからタヒチまで、ポリネシア人のルーツ解明のため太平洋を横断した冒険記。
1947年、自らの学説を証明するため、南米からポリネシアの島へ旅立った実験考古学の先駆者。その海洋冒険とは!?ーー