【台湾が舞台の小説20冊】観光など旅行前にもおすすめ

台湾小説

台湾が舞台の小説や台湾作家の人気おすすめを掲載しています。

台湾旅行や台北観光の際にもおすすめの小説です。

直木賞受賞作や台湾歴史小説、青春小説、ハードボイルド、台湾の翻訳小説など、バラエティに富んだ選別になっています。

台湾作家・文学・舞台の小説

「自転車泥棒」 呉 明益(著)

2018年ブッカー賞候補作品

台湾文学の旗手による代表作的作品

戦時下、自転車大国台湾ならではの自転車をキーワードに家族の物語

明治~昭和の頃の歴史的背景。80年代の台北の街の現実と幻想

台湾文学と台湾の文化・風習を感じられる小説で旅行前にもおすすめ。

 

「歩道橋の魔術師」 呉 明益(著)

現代台湾文学を牽引する作家による連作短篇集

ドラマ化、漫画化もしています。

1979年の台北、物売りが立つ商場の話など。現在はありませんが、西門町と台北駅の間の幹線道路に沿って壁のように立ち並ぶ「中華商場」と人々のエピソード。

 

注目! 「台湾漫遊鉄道のふたり」 楊双子(著)

2024年(第十回)日本翻訳大賞 受賞作

台湾人作家によるシスター“フード”小説

滷肉飯( ルーローファン)、冬瓜茶(冬瓜ジュース)、肉そぼろサンドカステラ、菜尾湯(五目スープ)、愛玉湯、おこわの上のワタリガニ、ひき肉の煮つけなど..

日台女ふたり鉄道旅の台湾を食べつくす美味しい旅行記小説。

1938年、日本統治下の台湾へ渡る作家・青山千鶴子。現地で出会う通訳担当の台湾人・王千鶴。2人の千鶴は、台湾縦貫鉄道に乗り各地へ!?・・日台植民地関係、貧富の差、女性差別など台湾の歴史とグルメ。

 

「陳澄波を探して 消された台湾画家の謎」 柯 宗明(著)

台北が舞台の歴史小説

日本統治時代の台湾に生まれ、二・二八事件で幕を閉じた苦闘の生涯!?ー

1984年、台北。駆け出しの画家、阿政のもとに、古い絵画の修復依頼がくる。阿政は、作者が明かせないという絵の調査に乗り出すが、歴史から抹消されていた画家・陳澄波の存在が浮かびあがり!?・・

 

「高雄港の娘」 陳 柔縉(著)

実在の人物をモデルに、台湾の現代史を見つめ直す歴史小説

孫愛雪は、日本統治時代に、台湾南部の港町・高雄で生まれる。政治的弾圧で国を去った父と夫を追い、自身も日本へ渡る。台湾独立運動に奔走する夫を支えながら、自らも実業家として道を切り拓く。しかし、晩年、家族を陥れた意外な真実を知り!?・・

 

「房思琪の初恋の楽園」 林奕含(著)

台湾の実話に基づく衝撃作

13歳の文学好きな美少女・房思琪。高級マンションに住んでいる。憧れの国語教師から性的虐待をうける関係に陥ってしまい!?・・・

 

「台北裁判」 唐 福睿(著)

台北裁判
早川書房
発売日:2024/12/4

台湾の少数民族・アミ族殺害事件で、ある少年が逮捕される。アミ族の弁護人のバオは、彼の冤罪を晴らそうとするが!?・・

 

「流」 東山 彰良(著)

流
講談社
発売日:2015/5/13

直木賞受賞作の青春小説

1975年の台北も舞台になっているミステリ。

内戦で敗れ、台湾に渡った祖父が殺された理由と犯人を主人公が自らのルーツを辿りながら旅に出る・・

台湾の歴史もわかり、台湾旅行に行かれる人にもおすすめです。

 

「路」 吉田 修一(著)

路
文藝春秋
発売日:2015/5/8

台湾に敷設する日本の新幹線の巨大プロジェクトがテーマの小説。

1999年~2007年、「台北~高雄」間の台湾高速鉄道の着工から開業するまでの話です。

現地の生活模様など台湾の雰囲気が味わえる一冊です。

著者は、映画化もされた「怒り」の作者としても知られる。

 

「二階のいい人」 陳 思宏(著)

台湾文学コレクション3 

台湾の高校教師がベルリンの弟の家にやってきた。不慣れな外国で、彼女は古い記憶をたどる。疎外感を抱き生きてきた女性のひと夏の物語

 

「真の人間になる」 甘耀明(著)

台湾・中華圏の文学賞を制覇した後世に残る名作

17年かけて執筆された、ブヌン族の少年ハルムトの成長を描いた大作。

1945年、終戦前後の混乱した状況下、日本人も犠牲となった「三叉山事件」モチーフに、台湾の美しい自然、人々の歴史と神話的な物語。

台湾原住民族、ブヌン族の少年・ハルムトを主人公に「三叉山事件」が起こるまでの上巻。「三叉山事件」が起こってからの出来事の下巻へー

 

「鬼殺し」 甘 耀明(著)

鬼殺し
白水社
発売日:2016/12/28

ノーベル賞作家「莫言」氏、直木賞作家「東山彰良」氏が推薦の1冊。

1941年日本統治下の台湾・客家の村。日本軍に入隊した怪力の少年と祖父の物語・・

他の作品に、「冬将軍が来た夏」などもあります。

 

「亡霊の地」 陳 思宏(著)

亡霊の地
早川書房
発売日:2023/5/23

金鼎獎(台湾政府文化部が主催)受賞作

台湾の現代史を絡めた郷土文学・純文学

殺人を犯し、刑期を終えた陳天宏は、台湾の永靖に戻って来る。中元節を迎えていた故郷には、姉や兄と両親の7人の家族がいる。隣人達、同級生、学校の教師など、もつれあう人間関係と人生の悩み・・

教育問題、同性愛者に対する偏見、プライバシー侵害問題など、戦後の台湾が見えてくる1冊。

 

「海神の子」 川越 宗一(著)

「熱源」で直木賞を受賞した著者の最新作

初代中華民国総統の蔣介石と並び「三人の国神」の一人と言われる男の半生とは!?ー

江戸の人々を熱狂させた舞台「国姓爺合戦」。そのモデルの鄭成功は、台湾の英雄となった。中国の海賊と日本人の間に生まれた少年・福松(後の鄭成功)。そこに、台湾を根城にする大海賊の頭となっていた母・松が迎えに来る。鄭家は、海寇達や東インド会社を下し、ついには大明国から城と将軍職を与えられる。しかし、李自成の乱が起こり明は滅亡、清軍が攻めてきて!?・・

 

その他の台湾文学!?

中国語圏の大ベストセラー「台湾海峡一九四九」龍応台(著)や「父を見送る」、ジミーの「星空」「おなじ月をみて」etc…

近年の台湾ssssの本などがあります。



台湾ミステリ・ノワール・警察小説

「台北プライベートアイ」 紀 蔚然(著)

台北国際ブックフェア大賞 受賞

第13回(2022年)翻訳ミステリー大賞 受賞作

このミステリーがすごい!2022年版【海外編】第5位

台湾を代表する劇作家によるハードボイルド探偵小説のデビュー作

劇作家で大学教授の主人公は、台北の裏路地・臥龍街で私立探偵を始める。やがて連続殺人事件に巻き込まれ、警察から犯人と疑われるハメに・・ 監視カメラをかいくぐり、台北で殺人を続ける犯人を自分の力で捜し始めるが・・

 

注目! 「DV8 台北プライベートアイ2」 紀 蔚然(著)

第13回(2022年)翻訳ミステリー大賞などを受賞した「台北プライベートアイ」の続編、第2弾

私立探偵の呉誠は、台北郊外の街・淡水に引っ越す。20年前に容疑者死亡となった連続殺人事件の真相に迫るが!?・・

 

「炒飯狙撃手」 張 國立(著)

台湾発の謀略スリラー

実在の未解決事件(1989年ラファイアット事件)をモデルにした小説。

炒飯の名手で一流のスナイパーが指令を受け、ターゲットを射殺する。しかし、自らも狙撃される。定年退職が間近の刑事が現場へ向かうが!?・・

 

「台北野球倶楽部の殺人」 唐 嘉邦(著)

第6回 金車・島田荘司推理小説賞 受賞作

台湾現代史を絡めた人間ドラマミステリ

昭和13年、日本統治下の台北。日本のプロ野球が始まり3年目。台北に近い喫茶店に野球愛好家の集まり「球見会」の定例会が開かれる。その後、球見会の会員二人が列車内で不審死を遂げる。。北鉄新店線萬華駅や高雄駅~台北で。明日の球界を背負うスカウト合戦が関係しているのか!?・・

 

「台北アセット」 今野 敏(著)

公安外事 VS 台湾警察のシリーズ第7弾

警視庁公安部外事一課の倉島は、台湾の警察から講師をつとめるよう要請され、台北に向かう。そこで、サイバー攻撃を受けた現地法人の要請で捜査を開始するが、システム担当者が殺害されてしまう。。サイバー攻撃と殺人事件は連動しているとにらんだ倉島は、正式に捜査に乗り出すが!?・・

 

「錯誤配置」 アジア本格リーグ1 藍シャウ(著)

台湾生まれの作家の台湾ミステリーです。

街の描写や台湾の空気感を味わえる小説です。幻想的な謎が絡んだミステリーの事件解決に乗り出す。

台湾作家の翻訳小説としておすすめです。

 

「夜光虫」 馳 星周(著)

台北を舞台にしたハードボイルドノワール(暗黒)小説です。

台湾野球や賭博と海線黒道がテーマになっています。

不夜城などが好きだった人にはおすすめだと思います。

 

「ぼくは漫画大王」 胡傑(著)

第3回島田荘司推理小説賞を受賞している本格推理の台湾ミステリーです。

著者の胡傑(フー・ジェ)氏は、2013年にデビューした台北生まれの作家です。



台湾が舞台の小説【あらすじ&レビュー】

「台北プライベートアイ」 紀 蔚然(著)

台北プライベートアイ4.0

元教授の主人公、呉誠は臥龍街で私立探偵を始める。

最初の依頼で訪れた女性のトラブルを解決した後に、台北で起こっている連続殺人の容疑者として疑われてしまうが・・!?

レビュー

台北の地理、情報などを挟みつつハードボイルド探偵小説で面白かったです。

おすすめ小説パニック障害や側湾症などを抱えながら一発奮起して探偵を始めた主人公が憎めなく、親近感のある一人称語り。

色々と悩みの尽きない主人公の一人語りと性格が、どこかフィリップ・マーロウのような雰囲気も感じました。

謎解きとしてはヒントも少なく物足りなさもあるが、読みやすさと軽さもあり、台北の街を楽しみながら読むエンターテイメントとしておすすめだと思いました。