早川書房が毎年発行しているSF小説のランキングのガイドブック「SFが読みたい!」
その「SFが読みたい!2025年版」のランキング順位を掲載しています。
発表された【ベストSF2024】の国内篇&海外篇のトップ10作品です。
国内編【ベストSF2024】ランキング順位
第1位
「一億年のテレスコープ」 春暮 康一(著)
ファーストコンタクトの宇宙探査SF
子供の頃から星空に魅了されてきた鮎沢望(のぞむ)。高校の天文部で天体観測に夢中になり、大学で電波天文学を専攻する。やがて、天文部時代からの友人・千塚新(あらた)と、大学の研究者仲間・八代縁(ゆかり)の3人で、太陽系規模の電波望遠鏡の実現を検討し始めるが!?・・
第2位
「コード・ブッダ 機械仏教史縁起」 円城 塔(著)
第76回 読売文学賞 受賞作
「本の雑誌」2024年度SFベスト1位
壮大な「機械救済」小説
2021年、名もなきコードがブッダを名乗った。この世の苦しみを脱する方法を説き始める。そのコードは対話プログラムで、機械仏教の開基としてブッダ・チャットボットの名で呼ばれることになる。人が辿ってきた仏教史を、人工知能が再構築するが!?・・
第3位
「奏で手のヌフレツン」 酉島 伝法(著)
日本SF大賞を2度受賞した作家のSFファンタジー
球地(たまつち)と呼ばれる凹面世界。太陽信仰と共に生きる人達。親子3代に渡る壮大な叙事詩。 太陽に抗った聚落の子孫・ヌフレツン。運命に導かれ、バイオンリの奏で手を目指すが!?・・
第4位
「銀河風帆走」 宮西 建礼(著)
創元SF短編賞受賞作収録の5編の短編集
人類の存続を賭けて別の銀河をめざす宇宙船たちを襲う試練とは!?ー「銀河風帆走」地球に衝突するコースの小惑星の軌道をそらす計画に挑む高校生たちー「もしもぼくらが生まれていたら」など..
第5位
「マン・カインド」 藤井 太洋(著)
[2022年] 星雲賞 受賞作
2045年、国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオは、軍事企業〈グッドフェローズ〉の捕虜を銃殺する。迫田城兵は、これをレポートしようとするが、事実確認プラットフォームに配信を拒否される。はたして人類に何が起こっているのか!?・・
第6位
「ここはすべての夜明けまえ」 間宮 改衣(著)
老いない身体を手に入れた彼女の家族史
2123年、九州の山奥に1人で住む「わたし」。100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受ける時に、父親から提案されたことなどの家族史を書き始める・・
第7位
「射手座の香る夏」 松樹 凛(著)
創元SF短編賞受賞作を含むデビュー作品集
夏を舞台とする4つの小説に、青春のきらめきや痛みを描いたSF短編集。限りなく夏が続く仮想現実世界で、自らの身体性に悩む人工知性の少年少女..
第8位
「感傷ファンタスマゴリィ」 空木 春宵(著)
「感応グラン=ギニョル」の著者による第2作品集
SFと幻想の融合の世界を描く物語
AIとファッション、古典落語と幽霊譚、オリエンタリズムと搾取、VR空間と魔女狩り・・
第9位
「山手線が転生して加速器になりました。」 松崎有理(著)
奇想天外なユーモアが詰まった短篇集
蔓延する超強力ウィルスのパンデミックを恐れ、全人類がフルリモートになっていた。そんな世界を舞台にした奇想天外な発想の物語群。
第10位
「ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅」 高野 史緒(著)
旅と本にまつわる5つの物語
[2024年] 星雲賞、SFが読みたい!2024年版【国内篇】第1位などで話題になった「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」著者の最新作
本好きの、本好きによる、本好きのための本
第10位
「わたしは孤独な星のように」 池澤 春菜(著)
声優、書評家、エッセイスト池澤春菜の初の7編からなる小説集
滅びゆくコロニーで暮らす女性ふたり。叔母の弔いのため、小さな旅をするー「わたしは孤独な星のように」 SFプロトタイピングから生まれた、AIをめぐる物語ー「Yours is the Earth and everything that’s in it」など..
モンスター級の読書家としても知られる池澤春菜さんの作品。
海外編【ベストSF2024】ランキング順位
第1位
注目!「精霊を統べる者」 P・ジェリ・クラーク(著)
ネビュラ賞、ローカス賞、イグナイト賞、コンプトン・クルック賞の4冠
スチームパンクSF(傑作歴史改変SF)
エジプト社会。19世紀後半、伝説の魔術師アル=ジャーヒズが、ジン(精霊)の世界の扉を開く。魔法や奇跡と科学の融合で、急速な発展を遂げる。40年後、エジプト魔術省の女性・ファトマは、アル=ジャーヒズを名乗る謎の男を捜査するが!?・・
第2位
「ロボットの夢の都市」 ラヴィ・ティドハー(著)
ふしぎな未来のSF物語
太陽系を巻き込んだ大戦争から数百年。宇宙への脱出を夢見る少年、移動隊商宿で旅を続ける少年、砂漠の巨大都市でロボットと出会った女性。彼らの運命がより合わさる時、戦闘ロボットが長い眠りから目覚め!?・・
第3位
「無限病院」 韓 松(著)
中国SF四天王のひとりによるSFエンタテインメント3部作【開幕篇】
平凡なビジネスマンの楊偉(ヤン・ウェイ)。ある日、ホテルでミネラルウォーターを飲んで、腹痛で倒れてしまう。巨大な病院に運び込まれ、検査を受けるが、何故か治療はしてもらえない。逃げだそうとするが、エントランスの外には、病院に入ろうとする膨大な人の海が広がっていて!?・・
第4位
「宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選」 顧適, 何夕, 韓松,他.. (著)
第41回(2021年)日本SF大賞【特別賞】受賞作
全15人の中国SF作家による中華SFアンソロジー
「三体」の著者、劉慈欣と並び称される王晋康、韓松、何夕といったベテランと、中堅・新人の15人の作品集。初邦訳作品で、陸秋槎氏の新作「杞憂」、本好きなら誰もが感動する表題作「宇宙の果ての本屋」など..
第5位
「歌う船」 アン・マキャフリー(著)
旧版の6編に、短編2編を追加した歴史的傑作
少女の心とチタン製の身体をもつ宇宙船ヘルヴァの活躍と成長を描く物語。サイボーグ宇宙船になった彼女は、銀河を駆け巡る!--
第6位
「星、はるか遠く: 宇宙探査SF傑作選」 セイバーヘーゲン、ローマー他(著)
全9編のアンソロジー
宇宙の深淵。生まれ育った地球をあとにして旅立った人類が目撃するものは!?ーー 太陽系外縁部の宇宙空間、人類が初めて出会う惑星、そこに待ち受けるであろう想像を超えた驚異とは!?・・
第7位
「赦しへの四つの道」 アーシュラ・K・ル・グィン(著)
ローカス賞 受賞作
人種、性、身分制度に問いかけをする世界の四つの物語
惑星ウェレルは、奴隷解放戦争で疲弊していた。そんな中、宇宙連合エクーメンの使節ソリーは、祭りの日にさらわれ、この地の真実をかいま見るーー「赦しの日」など..
第8位
「シリコンバレーのドローン海賊:人新世SF傑作選」 ジョナサン・ストラーン(編集)
不透明な未来を見通すためのアンソロジー
グレッグ・イーガンら気鋭の作家によるパンデミック、世界的経済格差、人権問題、資源問題、そして環境破壊や気候変動問題・・ 未来が破壊的に思える時のSF。
第9位
「システム・クラッシュ:マーダーボット・ダイアリー」 マーサ・ウェルズ(著)
【2024年】ローカス賞 受賞作
ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞 & 日本翻訳大賞受賞の大人気シリーズ「マーダーボット・ダイアリー」シリーズ第4弾
暴走人型警備ユニットの主人公の “弊機”。植民惑星での異星遺物汚染事件に巻き込まれるが、窮地を脱する。しかし、この惑星を狙う企業は、まだ諦めていなかった。。さらに、弊機は、異常事態に襲われ!?・・
第10位
「妄想感染体」 デイヴィッド・ウェリントン(著)
ホラー宇宙SFシリーズ
防衛警察の警部補・サシャは、植民惑星パラダイス‐1の調査を命じられ、太陽系から百光年離れた惑星へ向かう。しかし、彼らを待ち受けていたのは、無数の宇宙船と蔓延する様々な致死的な妄想だった。理性を失いゾンビ化した者たちに攻撃され、サシャもその狂気に感染してしまい!?・・