【2024年最新】翻訳小説の新刊-名作&有名人気作家の作品

2024年発売の翻訳小説の注目作品をまとめています。

ノーベル文学賞受賞作家の最新作や世界幻想文学賞受賞作品など、話題の翻訳小説が発売されます。

12月新刊

「モナ・リザのニスを剥ぐ」 ポール・サン・ブリス(著)

20以上の賞を受けた絶品アート小説

美とは何か!? 本物とは何か!?ーー

学芸員のオレリアンは、ヤリ手の新館長・ダフネに修復プロジェクトを命令される。ルーヴルの至宝を500年前の素顔に戻すことになるが、国家をも巻き込む大騒動となりながらも、姿を現わしたモナ・リザの本来の顔とは!?・・

 

「チャーチ・レディの秘密の生活」 ディーシャ・フィルヨー(著)

第41回(2021年)ペン/フォークナー賞 受賞作

最注目アフリカ系アメリカ人作家の短篇集

4世代・9つの彼女たちの物語。

協会、母娘の葛藤、自らの欲望に従うことなどを描く、美しく精巧な作品。

 

「タッチ」 オラフ・オラフソン(著)

タッチ
早川書房
発売日:2024/12/4

2020年、アイスランド。パンデミックでレストランを閉めたクリストファーに、50年前姿を消した元恋人ミコから1通のメールが届く。彼女は、何故、自分のもとを去ったのか!? 彼は日本へ向かう・・

 

11月新刊

「生き急ぐ」 ブリジット・ジロー(著)

生き急ぐ
早川書房
発売日:2024/11/7

【2022年】 仏ゴンクール賞 受賞作

1999年に夫をバイクの事故で亡くした著者が、その出来事をもとに執筆した作品。

2022年に120年を迎えたゴンクール賞の受賞作です。

最終選考では「クレムリンの魔術師」(ロシアのページに掲載)との選考で難航し、13回もの投票を行ない、決定したとのことです。

 

「悪い時」 ガブリエル・ガルシア・マルケス(著)

悪い時
光文社
発売日:2024/11/12

ノーベル文学賞作家によるコロンビア社会の姿

「暴力時代」後のコロンビア社会を描く、死体と腐臭と謎に満ちた物語

10月の雨の朝、殺人事件に関係しているビラにより、息苦しく不気味な雰囲気が街全体を覆っていく。。見せかけの平和を維持する側と弾圧に耐える双方の姿とは!?ー

 

「降りていこう」 ジェスミン・ウォード(著)

「歌え、葬られぬ者たちよ、歌え」で、2017年全米図書賞を受賞作家の最新作

奴隷の少女が自由を目指す長編小説

「あたしの武器はあたし」。母から言われた言葉を胸に強く生きる少女。祖母や母から伝えられた知識と勇気ーー

 

「私が死なねばならぬなら 21世紀パレスチナ短篇集」 リフアト・アル=アルイール(著)

ガザの若き作家たちによる23篇

現代パレスチナを代表する詩人の暴力と占領に抵抗する魂の作品集。

 

「モヒカン族最後の戦士:一七五七年の物語」 ジェイムズ・フェニモア・クーパー(著)

アメリカ文学の古典的名作

開拓時代を描く連作「レザーストッキング物語」のうち最も読まれ、映画、演劇など、様々なアダプテーションを生み出した本書。西欧植民地主義が北米先住民に加えた甚大な損害とは!?・・

 

「心は泣いたり笑ったり:マリーズ・コンデの少女時代」 マリーズ・コンデ(著)

「生命の樹」で、ニュー・アカデミー文学賞(ノーベル文学賞の代替え)を受賞したフランコフォニー文学の旗手の最新作

カリブ海系の作家の少女時代のメモワール

 

「わたしの人生」 ダーチャ・マライーニ(著)

イタリアを代表する作家のメモワール

70余年の時を経て、現代への警告の気持ちを込めて綴る。

わたしは忘れないーー

1938年、文化人類学者の父の研究のため、2歳で来日する著者。1943年、ムッソリーニ新政権に忠誠を誓うことを拒否した両親と共に、終戦まで名古屋で抑留される。厳しい監視、追い詰められる飢餓、そして、ファシズムへの憤り..



10月新刊

「灰色のミツバチ」 アンドレイ・クルコフ(著)

全米図書批評家協会賞 受賞作

世界的ベストセラー「ペンギンの憂鬱」著者の寓話的物語

戦禍のウクライナが舞台。ロシアとのあいだに設けられた緩衝地帯「グレーゾーン」。地雷に囲まれた村には、中年男2人を除いて誰も残っていなかった。やがて意を決したセルゲーイチは、ロシア占領下のクリミアを目指して旅に出るー

 

「高雄港の娘」 陳 柔縉(著)

実在の人物をモデルに、台湾の現代史を見つめ直す歴史小説

孫愛雪は、日本統治時代に、台湾南部の港町・高雄で生まれる。政治的弾圧で国を去った父と夫を追い、自身も日本へ渡る。台湾独立運動に奔走する夫を支えながら、自らも実業家として道を切り拓く。しかし、晩年、家族を陥れた意外な真実を知り!?・・

 

9月新刊

「缶詰サーディンの謎」 ステファン・テメルソン(著)

ポーランド前衛作家の哲学ノヴェル

イングランド~マヨルカ島~ポーランドを舞台に、予想できないラストへ向かう奇想天外な物語。哲学・歴史・政治・数学・言語をめぐる考察が展開される1986年作の初訳。

 

8月新刊

「朝と夕」 ヨン・フォッセ(著)

朝と夕
国書刊行会
発売日:2024/8/26

ノーベル文学賞作家の北欧文学

ノルウェー、フィヨルド辺の家。やがて漁師となるヨハネスが生まれる。フィヨルドの風景に、コーヒーを沸かし、パンに山羊のチーズをのせる老いたヨハネスの1日が始まる。

北欧の風景が思い浮かぶような神秘的で神話的な幻想譚。

 

「二階のいい人」 陳 思宏(著)

台湾文学コレクション3 

台湾の高校教師がベルリンの弟の家にやってきた。不慣れな外国で、彼女は古い記憶をたどる。疎外感を抱き生きてきた女性のひと夏の物語



7月新刊

「サヴァナの王国」 ジョージ・ドーズ・グリーン(著)

[2023年] CWAゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)受賞作

米南部ジョージア州サヴァナを舞台にしたゴシック・ミステリ

ある夜、ホームレスの青年が殺害され、考古学者の黒人女性が拉致される。土地開発業者のグスマンが逮捕されるが、探偵事務所の老婦人モルガナに真相解明を依頼する。やがて、歴史の大きな闇が見えてきて!?・・

 

「とるに足りない細部」 アダニーヤ・シブリー(著)

[2023年] リベラトゥール賞(ドイツの文学賞)受賞作

2つの時代の極限状況を描く傑作

1949年、ナクバ(大災厄)渦中のパレスチナ/イスラエルで起きたレイプ殺人と、その痕跡を現代にたどるパレスチナ人女性。

 

「わたしたちが起こした嵐」 ヴァネッサ・チャン(著)

マラヤ(マレーシア)が舞台の戦争小説

1945年、英国統治下から日本占領下となったマラヤで、少年達が姿を消し始める。日本軍のスパイに協力した主婦セシリーと家族に起こった数々の悲劇とは!?・・

 

6月新刊

「約束」 デイモン・ガルガット(著)

約束
早川書房
発売日:2024/6/19

【2021年】英国ブッカー賞 受賞作

南アフリカ。アパルトヘイトの社会変革の渦中。プレトリアで農場を営む白人家族と黒人メイドの土地所有権をめぐる約束が、40年に渡り運命を翻弄する・・ アフリカ文学最先端の1冊。

 

5月新刊

「エジプト人 シヌヘ」 ミカ・ヴァルタリ(著)

古代エジプト文明が克明に描かれた歴史小説

ファラオ、神官など、史実に基づく世界的ベストセラー

古代エジプト文明の新王朝時代末期に生まれた主人公・シヌの一代記。テーベで医師になり、シリア、バビロン、ヒッタイト、クレタ島への壮大な旅が始まる!ーー

 

4月新刊

「花と夢」 ツェリン・ヤンキー(著)

英国 PEN翻訳賞 受賞作

チベット発、シスターフッドの物語

ラサのナイトクラブで働く4人の女性達の共同生活。家父長制、ミソジニー、搾取、農村の困窮などの犠牲になりながら訪れる悲痛な運命・・ 傷を抱えながら生きる女性達の姿を描き出す。

 

3月新刊

「陳澄波を探して 消された台湾画家の謎」 柯 宗明(著)

台北が舞台の歴史小説

日本統治時代の台湾に生まれ、二・二八事件で幕を閉じた苦闘の生涯!?ー

1984年、台北。駆け出しの画家、阿政のもとに、古い絵画の修復依頼がくる。阿政は、作者が明かせないという絵の調査に乗り出すが、歴史から抹消されていた画家・陳澄波の存在が浮かびあがり!?・・

 

「房思琪の初恋の楽園」 林奕含(著)

台湾の実話に基づく衝撃作

13歳の文学好きな美少女・房思琪。高級マンションに住んでいる。憧れの国語教師から性的虐待をうける関係に陥ってしまい!?・・・

 

「姉妹のように」 クロエ・コルマン(著)

第2回「日本の学生が選ぶゴンクール賞」受賞作

幼くしてナチの強制収容所で亡くなった、著者クロエの親族のコルマン3姉妹。クロエは、生存者や資料をあたるうち、別の3姉妹の存在を知るーー

 

「本を読む女(ひと)」 ゾラン・ジヴコヴィチ(著)

セルビアの幻想小説家による連作短編集 第2弾

女性・タマラさんの日常。読書を好み、本を愛で果実を頬張る。当たり前で、時々、不穏な非日常ーー

 

「マッドアダム」 マーガレット・アトウッド(著)

2度のブッカー賞受賞作家の文豪、マーガレット・アトウッドの新作

ディストピア的な壮大な物語

謎のウィルスにより、ほぼ絶滅した人類。生き残ったのは、一握りの人々と人造人間クレイカー、残忍な凶悪犯達だった・・ 世界を破滅させたウィルスの正体は何だったのか!?--

 

「出会いはいつも八月」 ガブリエル・ガルシア=マルケス(著)

ノーベル文学賞作家の未完の傑作

ひとりの女性が島で営む、秘密の行為とは!?ー

幸せな結婚生活をおくるアナだが、誰にも言えない秘密があった。年に1度訪れるカリブ海の島で、現地の男と1晩限りの関係を結び!?・・ 圧巻のラスト。

 

「義とされた罪人の手記と告白」 ジェイムズ・ホッグ(著)

スコットランドが舞台の傑作ゴシック小説

17世紀末スコットランド。領主コルウァンの2人の息子は、別々に育てられる。弟のロバートは、17歳の誕生日に出会った不思議な人物にそそのかされ、罪を重ねていく・・ そして、兄・ジョージとの運命的な対決に!?ーー

 

「別れを告げない」 ハン・ガン(著)

【2024年】ノーベル文学賞 受賞作家(韓国人として初、アジア女性として初)

実際の危険を背景にした感動の物語

韓国・済州島4.3事件を背景に、生きる力を取り戻そうとする女性の友人同士の再生の物語。

 

「マリーナ バルセロナの亡霊たち」 カルロス・ルイス・サフォン(著)

故・スペインの巨匠の幻の初期作

少年オスカルと少女マリーナの青春冒険物語

霧の都・バルセロナに潜む怪奇と真実とは!?・・

 

「夜の人々」 エドワード・アンダースン(著)

ノワール小説の幻の古典的名作が、ついにヴェールを脱ぐ

殺人により、14歳で終身刑となった青年・ボウイ。囚人仲間と共に刑務所を脱獄し、銀行強盗など犯罪を重ねんがら逃亡する。そして自動車事故を起こしてしまい、後続車に乗っていた囚人仲間が警官2人を射殺してしまう。ボウイは主犯として追われるが!?・・

レイモンド・チャンドラーも激賞の1冊

 

2月新刊

「エステルハージ博士の事件簿」 アヴラム・デイヴィッドスン(著)

[1976年] 世界幻想文学大賞【アンソロジー/短編集】 受賞作

幻想、怪奇小説の傑作

博覧強記のエステルハージ博士が、架空の小国の難事件を解決!?ー

 

「ヴィンデビー・パズル」 ロイス・ローリー(著)

古代ゲルマン世界の歴史物語

考古学・法医人類学の知識で、帝政期ローマの民族誌を組み合わせた歴史小説。1952年、北欧の湿地で見つかった少女の遺体は、何を物語るのか!?・・

 

「捜査・浴槽で発見された手記」 スタニスワフ・レム(著)

「惑星ソラリス」などで知られるユダヤ人作家の文豪、スタニスワフ・レムの作品

疑似SF的不条理小説。メタ推理小説とも言える「捜査」とSF的要素の小説「新第三紀人の記録」の2篇を収録

 

1月新刊

「楽園」 アブドゥルラザク・グルナ(著)

楽園
白水社
発売日:2024/1/31

[2021年] ノーベル文学賞 受賞者の初訳

[1994年度] ブッカー賞 最終候補作

アフリカ・タンザニア出身の作家の最新作。イギリスで活動する作家で、アフリカやイギリスなどでは多くの人に読まれている作家です。

20世紀初頭、タンザニアを舞台に少年ユスフの成長を描く物語。東アフリカの沿岸地域の歴史など。

 

「レッド・アロー」 ウィリアム・ブルワー(著)

デビュー作で反響を呼んだ作家。しかし、次作の原稿が1文字も進まない。。 前金は旅行に消えてしまう・・ ゴーストライターの仕事が決まるも、回想録を書く筈の物理学者は失踪してしまう。 窮地に立たされた作家は!?ーー

 

「屍衣にポケットはない」 ホレス・マッコイ(著)

人間ドラマの名作

地方紙「タイムズ・ガゼット」の人気記者ドーラン。広告重視の会社と縁を切り、自ら雑誌を創刊する。そんな彼に、古巣の新聞社は、圧力をかけ、立ちはだかるが!?-- 真実を追求する記者の孤闘。

 

「ナイン・ストーリーズ」 J・D・サリンジャー(著)

アメリカ文学史に輝く9編

「ライ麦畑でつかまえて」で有名な文豪・サリンジャーの文庫化

砂浜で男が少女に語る、ある魚の悲しい生態(『バナナフィッシュ日和』)、客船で天才少年に起きた出来事(『テディ』)。不確かな現実を綱渡りで生きる人々を描いた、アメリカ文学史に燦然と輝く9篇。

 

「モスカット一族」 アイザック・バシェヴィス・シンガー(著)

ノーベル文学賞作家の大巨編

20世紀初頭、ポーランド・ワルシャワ。戦争と近代化にゆれるユダヤ人社会。3世代に渡る伝統的家族社会は、内部から崩壊していく!?・・ ポーランド独立回復を目指す蜂起、ポーランド・ソヴィエト戦争、ナチスの侵攻などを背景にーー