話題のクライムノヴェルを中心に、数年内の注目作品をまとめています。
骨太でハードボイルドながら読み応えのある作品が多くあります。
ミステリー要素を含んだ小説も多く、ミステリ好きにもおすすめです。
【クライムノベル】犯罪小説一覧
「頬に哀しみを刻め」 S・A・コスビー(著)
アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞 受賞作
このミステリがすごい!2024年版【海外編】第1位
<ハヤカワ>ミステリが読みたい!2024年版【海外篇】第3位
殺人罪で服役した黒人のアイクは、出所後、庭師として働いていたが、ある日、息子が殺害されたと警察から知らされる。。アイクは犯人探しに乗り出すが!?・・
2022年クライムノベルで話題を呼んだ「黒き荒野の果て」著者の作品
最新作は「すべての罪は血を流す」です。
「愚者の街」 ロス・トーマス(著)
<ハヤカワ>ミステリが読みたい!2024年版【海外篇】第1位
このミステリがすごい!2024年版【海外篇】第4位
1976年の「The Money Harvest」と1985年の「女刑事の死」で、2度のエドガー賞(MWA)に輝くクライム・ノヴェルの巨匠の大作
暴力と騙し合いの壮大なサーガ
母を亡くし、父と2人で上海に渡ったダイ。南京路での爆撃で、父親も亡くす。。 やがて成人したダイは、米国秘密情報部でエージェントとしての活動に従事する。しかし、何者からに陥れられ、情報部も解雇になる。そして、腐敗する南部の街をさらに腐敗させ、再興させるという仕事を始めるが!?・・
最新作は「狂った宴」です。
「爆弾」 呉 勝浩(著)
[2023年版] このミステリがすごい!【国内編】第1位
2020年日本推理作家協会賞「スワン」をはじめ、「おれたちの歌をうたえ」などの傑作を執筆している著者の新刊
東京、秋葉原。連行された酔っ払いの中年男の予言通り、廃ビルが爆発する。その男によると、「ここから三度、次は一時間後に爆発します」とのこと。警察は爆弾魔を止められるか!?・・
「テスカトリポカ」 佐藤 究(著)
第165回(2021年上半期)直木賞 受賞
骨太ハードボイルド・クライムノヴェル
メキシコの麻薬カルテル、ジャカルタ、川崎などが交錯しながら進む話にグイグイ引き込まれます。メキシコ・アステカ文明の神話が絡みつつ!?・・
「地面師たち アノニマス」 新庄 耕(著)
地面師になるまでを描く、それぞれの前日譚
100億円という前代未聞の不動産詐欺を実行した彼らの短編、7編のスピンオフ
司法書士歴20年の後藤は、ひとり娘の塾代にも困っていた。そんな折、山中と名乗る実業家から、不正への加担を依頼される。当初は、拒否するが、事態は一変し!?・・
「地面師たち ファイナル・ベッツ」 新庄 耕(著)
Netflixでドラマ化された「地面師たち」の続編
不動産詐欺のクライムノヴェル
シンガポールのカジノで全財産を失い、失意のどん底にいた元Jリーガーの稲田。大物地面師のハリソン山中は、苫小牧の不動産詐欺メンバーの一員として稲田に仕事を依頼する。一方、警視庁捜査二課のサクラは、捜査を続けるうち逃亡中のハリソン山中が北海道にいるとの情報をつかみ!?・・
「逆転のバラッド」 宇佐美 まこと(著)
一発逆転のリベンジゲーム
地方の町での悪事に立ち上がる人生の折り返し点を過ぎた男達の奮闘。
港町にある銭湯。昭和世代の憩いの場として、新聞記者の弘之、銭湯主人の邦明、釜焚き係の吾郎は交流を深めていた。彼らの前に、不審死したみなと湯の銀行融資担当の丸岡の元婚約者が現れ!?--
中年の再生物語であり、クライム(犯罪)ノヴェル
「リバー」 奥田 英朗(著)
2022年度「本の雑誌」年間ベスト10、第1位
人間の業と情をえぐる圧巻の犯罪小説
渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見される。10年前の未解決連続殺人事件と手口が酷似しているが、同一犯か!? 模倣犯なのか!? かつて容疑をかけられた男、取り調べをした元刑事、執念で犯人を捜す父親、新たな容疑者達など、様々な人間がからみあい!?・・
「マリアビートル」 伊坂 幸太郎(著)
[2022年] 英国推理作家協会(CWA)賞【翻訳部門】最終候補作
ブラッド・ピット主演で映画化の原作
邦題:「ブレット・トレイン」(原題:BULLET TRAIN)
東京発盛岡行きの新幹線の車内で交錯する狙う者と狙われる者。。殺し屋どうしの心理戦。物騒な奴らを乗せた東北新幹線は疾走する!・・ 殺し屋達の娯楽小説。
続編「777 トリプルセブン」も発売されています。
「夜に生きる」 デニス・ルヘイン(著)
[2013年] アメリカ探偵作家クラブ(エドガー)賞 受賞作
禁酒法時代末期のボストン。ギャングの手下ジョーは、強盗に入った賭博場でエマと出会う。恋に落ちる2人だが、エマは対立組織のボスの情婦だった・・やがて起きる抗争の中で、若者を待つ運命は!? 激動の時代を生きるギャング達の生き様。。
「ミスティック・リバー」の著者が描くアメリカ裏面史
「11月に去りし者」 ルー・バーニー(著)
英国推理作家協会賞(CWA)イアンフレミング・スチール・ダガー 受賞
2020年 翻訳ミステリー大賞 受賞作
ロードノベル要素も備えたアメリカン・クライムノヴェル。アメリカ・ニューオリンズからラスベガスを経由し、LA(ロサンゼルス)へ!?
↓ 読了レビューをページ下部に記載しています。
「7月のダークライド」が最新作になります。
「ビリー・サマーズ」 スティーヴン・キング(著)
ミステリが読みたい!2025年版【海外篇】第2位
スティーヴン・キングのクライム・ノヴェル最新作
凄腕の殺し屋・ビリー。標的が悪人の殺ししか請け負わない。そんなビリーが最後にうけた仕事。その標的の狙撃地点になる街に潜伏するため、小説家を装うことになるが!?・・
「彼女は水曜日に死んだ」 リチャード・ラング(著)
第14回(2023年)翻訳ミステリ大賞 受賞作
L.A(ロサンゼルス)とメキシコに纏わる短篇集
10篇からなるクライム・ノヴェル。
アメリカの暗部など、悲惨な状況がかいま見れる短編集。
「はなればなれに」 ドロレス・ヒッチェンズ(著)
このミステリがすごい!2024年版【海外篇】第17位
傑作青春ノワール
22歳の前科者スキップとエディは、夜間学校で、天涯孤独の17歳の娘カレンと出会う。2人は、彼女が身を寄せる未亡人の屋敷の金を奪う計画を立てる。プロの犯罪者仲間を計画に加えるが、歯車が狂いはじめ!?・・
「ザ・ボーダー」 ドン・ウィンズロウ(著)
このミステリがすごい!2020版【海外編】第3位
クライム・ノヴェルの帝王ドン・ウィンズロウの骨太小説です。
「犬の力」「ザ・カルテル」に続くメキシコ麻薬戦争3部作の最終章です。
ウィンズロウの最新作は、シリーズ最終章の「終の市」です。
「老いた殺し屋の祈り」 マルコ・マルターニ(著)
イタリア映画界の脚本を手がける著者のイタリアン・クライムノヴェル
還暦を過ぎた殺し屋。イタリア中部の町に向かう途中、列車内で襲ってきた男の連れに見覚えがあるが!?・・
11月に去りし者 【あらすじ&レビュー】
「11月に去りし者」 ルー・バーニー(著)
作者のルー・バーニーは、クライムノベルの大御所エルモア・レナードの影響を色濃く受けているそうです。
あらすじ
物語は、1963年のニューオリンズを舞台に始まります。
ケネディ大統領が暗殺された1963年11月、主人公は実在したニューオリンズの犯罪組織のボス「カルロス・マルチェロ」から逃げなければいけない状況に陥る。
懇意にしていたラスベガスのギャングのボス、「ビッグ・エド・ツィンゲル」のところへ向かうが・・
レビュー
ロードノベル、クライムノベルとして、まあまあ面白かったです。
思った以上に車で移動の行程での話(時間?)が中心で、完全なロードノベルだと感じました。ダラス、テキサス、ヒューストンなど
ニューオリンズでの出来事を皮切りに、車で西へ向かう主人公とそこに絡んでくる母娘との出会いと恋愛。追っ手の殺し屋の存在。三者三様。
先行き見えない感じは良く、サスペンス的な面白さもあります。
ただ、中盤から展開が多くない割には、終盤の展開まで少し冗長かな!?とも思いました。
ダイナー、モーテル、ジャズなど黒人ミュージックの話題も所々にあり、アメリカ作家らしい(文脈など)雰囲気を感じる作品でした。