2023年に発売される新刊から、有名作家のおすすめ翻訳小説作品をまとめています。
ノーベル賞作家ナギーブ・マフフーズやロシアの文豪ドストエフスキー、トルーマン・カポーティー、メグレ警視のジョルジュ・シムノン、ジム・トンプスンなど。
世界文学の翻訳小説の新刊・新訳の発売日を掲載しています。
12月発売の新刊
「だれか、来る」 ヨン・フォッセ(著)
[2023年] ノーベル文学賞受賞者の最新作
フィヨルドを臨む古びた家にたどり着いた「彼」と「彼女」はーー
ノルウェーの劇作家である「ヨン・フォッセ」氏が受賞しました。
劇、小説、エッセー、子供向けの本など、様々な著作を残されている人物です。
ノルウェーの人の約10%しか使用しないというニーノシュク(新ノルウェー語)で執筆している貴重な作家とのことです。
「マーリ・アルメイダの七つの月」 シェハン・カルナティラカ(著)
[2022年] 英 ブッカー賞 受賞作
スリランカ内戦の狂騒を描く幻想的な小説
1990年、コロンボ。戦場カメラマンのマーリ・アルメイダは、冥界の受付にいた。どうやって自分が死んだのか思い出そうとするが!?・・あの世もこの世も巻き込んだ混乱の行きつく先は!?ーー
「中国のはなし」 閻 連科(著)
[2014年] フランツ・カフカ賞受賞作家の最新作
中国の暗部をえぐる傑作小説
経済成長と裏腹に、金や欲にとらわれていく人達・・ 息子、父、母。作家を前に3人の告白から浮かび上がる真実とは!?ーー
ノーベル賞の有力候補と言われながらも、本書を含め、多数の作品が発禁扱いとなる。
「ラストコールの殺人鬼」 イーロン・グリーン(著)
2022年 エドガー賞【犯罪実話部門】受賞作
ゲイ差別の実態を炙り出したノンフィクション
1990年代、ニューヨーク。ゲイ男性を次々餌食にし、「ラストコール・キラー」と呼ばれた殺人鬼。男性4人がバラバラ死体で発見される。。深夜の閉店間際のゲイバーから誘い出され、何故、彼らは殺されなければいけなかったのか!?ーー
エイズが猛威を振るった時代背景を含みつつ。
「シェイクスピアの記憶」 ホルヘ・ルイス・ボルヘス(著)
20世紀文学の巨匠、ホルヘ・ルイス・ボルヘス最後の短編集
初訳の表題作「シェイクスピアの記憶」、「一九八三年八月二十五日」、「青い虎」、「パラケルススの薔薇」を収録。
記憶、分身、夢、不死などがテーマの作品群。
「楽園」 アブドゥルラザク・グルナ(著)
ノーベル賞作家のブッカー賞最終候補作(1994年度)
20世紀初頭、タンザニア。東アフリカ沿岸地域の歴史的な転換期と少年・ユスフの成長を描く。
「ああ、ウィリアム!」 エリザベス・ストラウト(著)
「私の名前はルーシー・バートン」の姉妹篇
71歳にして人生の荒波に翻弄されている作家ルーシー・バートンの前夫ウィリアム。ルーシーは、彼の亡母ゆかりの地を訪ねる旅に同行することになる。結婚生活を振り返り、今までの人生に思いを馳せる!?--
11月発売の新刊
「ハーレム・シャッフル」 コルソン・ホワイトヘッド(著)
2017年に「地下鉄道」で、2020年に「ニッケル・ボーイズ」でピュリツァー賞を2度受賞した作家の最新翻訳小説
ハーレム街の中古家具店で働くレイは、成り上がりを夢見ている。従弟の持ち込む盗品を夢のために売るしかない。。しかし、レイは、従弟の事件から裏社会の争いに巻き込まれ!?ーー
10月発売の翻訳小説
「少女、女、ほか」 バーナディン・エヴァリスト(著)
【英ブッカー賞】受賞作
時代、背景がそれぞれ違う英国黒人女性が乗り越えてきた苦難を描く傑作翻訳小説。
「人類の深奥に秘められた記憶」 モハメド・ムブガル=サール(著)
[2021年] 仏ゴンクール賞 受賞作
第4回(2024年)みんなのつぶやき文学賞【海外篇】第1位
フランスで60万部を突破した傑作
パリに暮らす作家ジェガーヌは、セネガル出身。同郷の作家エリマンは、1938年にデビュー作「人でなしの迷宮」でセンセーションを巻き起こすが、作品は回収騒ぎになり、忘れられた存在になっていた。。ジェガーヌは、エリマンについて調べ始めるが!?・・
9月発売の翻訳小説
「暗闇に戯れて 白さと文学的想像力」 トニ・モリスン(著)
ノーベル文学賞作家、トニ・モリスンの最新翻訳書
現代アメリカ文学を牽引する作家の批評の書。アメリカ文学史の根底に流れる「白人男性を中心とした思考」を分析し、指摘する1冊。
ヘミングウェイやマーク・トウェイン、ポーの作品から見えてくるものとは!?ーー
「逃げ道」 ナオミ・イシグロ(著)
イギリスのノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロの娘、ナオミ・イシグロのデビュー短編集
魔法使いを夢みる男の子、人の何倍の体感速度で生きる男、ひどい記憶力の女、、孤独を幻想的な表現で描くあたたかい物語集。
イギリス文学界の新星の傑作翻訳小説です。
「アミナ」 賀淑芳(著)
英国PEN翻訳賞 受賞作
マレーシアを代表する女性作家の11篇からなる短篇集
民族・宗教・国境などの境界をこえようと悩み、もがく女性達。
男性優位の社会の中で、イスラム化に急加速するマレーシアの現状。マレー人、華人、インド人で構成される多民族・多言語国家のマレーシアを知れる小説。
8月発売の翻訳小説
「ゴールデン・ギズモ」 ジム・トンプスン(著)
暗黒小説(ノワール)の帝王、ジム・トンプスンの初翻訳小説
2転3転する犯罪ミステリ小説
トディは、金買付人(ゴールド・バイヤー)で実入りのいい仕事をしている。しかし、ある男の家でドーベルマン(しゃべる犬)と出くわし、謎の事件に巻き込まれていくが!?ーー
「遠い声、遠い部屋」 トルーマン・カポーティ(著)
半自伝的なデビュー長編
アメリカ文学界に衝撃を与えたカポーティのデビュー作
父親を探し、アメリカ南部の町を訪れるジョエル少年。大人の世界に怯え、屈折する心理や感情を描いた傑作。
7月発売の翻訳小説
「見ること」 ジョゼ・サラマーゴ(著)
ノーベル賞作家による警鐘の翻訳書
突然、目が見えなくなる感染症が流行する。4年後、その国の首都の総選挙で、白票が投じられるが!?・・
「乾杯、神さま」 エレナ・ポニアトウスカ(著)
セルバンテス賞 受賞作家によるルポルタージュ文学の傑作
変動するメキシコシティの地。メキシコ革命を兵士として生き、その後、労働者として生きる女性ヘスサは何者なのか!?--
ジャーナリストでもある著者による女性の物語。
「チンギス紀 十七 天地」 北方 謙三(著)
モンゴル帝国のチンギス・ハンを描いた歴史大河小説
2018年から刊行されている「チンギス紀」の最新作です。
モンゴル帝国の初代皇帝チンギス・ハンの生涯を描くシリーズ翻訳小説。
「水滸伝」シリーズで知られる北方謙三氏の連載中の小説です。
6月発売の翻訳小説
「無垢の時代」 イーディス・ウォートン(著)
[1921年] ピューリッツァー賞 受賞作
1870年代ニューヨーク。富の大小で階級の定まった社交界、純真なメイとの婚約発表を間近に控えたニューランドは、ヨーロッパで自由な生活をおくり戻ってきたエレンと再会する。 やがて、2人の女性の間で揺れ惑うようになるが!?・・
「ポーランドの人」 J.M.クッツェー(著)
ノーベル文学賞作家の最新作
究極の「男と女」の物語
ショパン弾きの老ピアニストは、旅先で出会ったベアトリスに一目惚れする。その後、駆け落ちしようと迫るが!?・・
5月発売の翻訳小説
「トラスト ―絆/わが人生/追憶の記/未来―」 エルナン・ディアズ(著)
[2023年] ピュリッツァー賞 受賞作
カーカス賞、ジョン・アップダイク賞なども受賞。
オバマ元大統領も絶賛の現代アメリカ文学の最先端
1920年代、ニューヨーク。ニューヨーク金融界の頂点に登り詰めた投資家ベンジャミン・ラスク。その妻ヘレンは、社交界で名声を得るが、やがて精神に病をきたしてしまう・・ 夫妻の巨万の富の代償は、いったい何だったのか!?ーー フィクションと現実を織り交ぜつつ・・
「火山の下」 マルカム・ラウリー(著)
世界情勢を背景に、メキシコの歴史などを絡めた20世紀文学の傑作翻訳
2つの火山を臨むメキシコ。クワウナワクの町で、元英国領事ジェフリー・ファーミンは、最愛の妻に捨てられ、酒浸りの日々を送っている。。1938年の「死者の日」に、妻イヴォンヌが突然舞い戻るが、彼は彼女を許せず、益々、酒に溺れていき!?・・
4月発売の翻訳小説
「ロスノフスキ家の娘」 ジェフリー・アーチャー(著)
名作「ケインとアベル」の幻の続編
ストーリーテラーの巨匠、ジェフリー・アーチャーの最新作
3月発売の翻訳小説
「ガブリエル・ガルシア=マルケス ある人生」 ジェラルド・マーティン(著)
ノーベル文学賞作家の生涯
ラテンアメリカ文学の巨匠、ガブリエル・ガルシア=マルケスの人生に迫る自伝的翻訳小説。
「百年の孤独」で有名な南米文学を代表する作家の若き日の貧困、ジャーナリストとしての日々、ノーベル賞受賞の裏話など..
2月発売の翻訳小説
「ミダック横町」 ナギーブ・マフフーズ(著)
[1988年] アラブ圏初のノーベル文学賞作家となった作家の初訳
1940年代のエジプト・カイロの下町に生きる人々を描いた翻訳小説。
過ぎ去りし時代の偉大なる遺産と言われる下町、ミダック横丁。
エジプトを舞台にしたカイロ3部作「張り出し窓の街」もおすすめです。
「すべての、白いものたちの」 ハン・ガン(著)
アジア唯一のブッカー賞受賞の韓国作家の代表作
ワルシャワと朝鮮半島をむすぶ、はかなくも偉大ないのちの物語。
Twitter文学賞2020で第5位になった「回復する人間」や「菜食主義者」の作品で知られる作家です。
「メグレと若い女の死」 ジョルジュ・シムノン(著)
フレンチ・ミステリの巨匠、ジョルジュ・シムノンの新訳
人気シリーズ・メグレ警視の新訳版の翻訳小説です。
真夜中のパリで、女性の奇妙な死体が見つかる。。メグレ警視は事件の捜査にあたるが!?・・
「影の王」 マアザ・メンギステ(著)
エチオピア人作家によるエチオピアの女性兵士達の物語
1935年、エチオピア。孤児になった少女ヒルトは、将軍の家にお手伝いとして匿われる。そんな折、ムッソリーニ率いるイタリア軍の侵攻の足音が近づいてきて!?・・
「無垢なる聖人」 ミゲル・デリーベス(著)
20世紀のスペインを代表する作家でナダル賞受賞作家の最新翻訳
農園主と労働者達の生きる姿を描く名作。
1960年代スペイン。スペイン南西エストレマドゥーラの大農園で認知症を患ったアサリアスは、義弟の家へやっかいになる。その義弟が事故で足を骨折してしまう。。アサリアスは義弟のかわりに主人の狩りのお供をするが!?・・
「図書館」 ゾラン・ジヴコヴィチ(著)
盛林堂書房から注文可能です。
刊行日:2023年2月11日
セルビアを代表する作家のゾラン・ジヴコヴィッチ氏のビブリオ小説の翻訳。
東欧のボルヘスと呼ばれる作家の本にまつわる不条理な物語が詰まる1冊。
1月発売の翻訳小説
「無条件降伏:誉れの剣Ⅲ」 イーヴリン・ウォー(著)
戦争文学の金字塔《誉れの剣》3部作の最終章
戦争の醜さ、滑稽さを描いた傑作翻訳。
ガイ・クラウチバック大尉は、激戦地クレタ島脱出後、ロンドンで無為な日々をおくっていた。戦友達が戦地に向かう中、年齢を理由にとり残されたガイは大義を見失いつつあったが!?・・
「つわものども」「士官たちと紳士たち 」に続く最終巻
「未成年 3」 フョードル・ドストエフスキー(著)
3部作からなる完結篇
ロシアの文豪、ドストエフスキーの翻訳小説。
20歳の青年アルカージーの成長の記録。父母と無縁に人生を切り開いてきた彼の目の前に、謎だらけの父親が突然現れる!?・・ 実父ヴェルシーロフとの熱く長い会話。。