【チェコ作家&舞台の小説15冊】中央ヨーロッパの文学

チェコ文学

中央ヨーロッパのチェコにはどういった作家がいるのでしょうか!?

かつては、チェコスロバキア共和国の一部だったチェコですが、作家や文学も名作が多くあります。

そんな、チェコの文学やチェコ作家の小説をまとめています。

チェコ作家 & 舞台の小説

「存在の耐えられない軽さ」 ミラン・クンデラ(著)

チェコ(旧チェコ・スロバキア)を代表する作家

時代の流れに翻弄され、改革への支持を表明したことから、1968年の「プラハの春」以降、著作が発禁処分となります。

1979年にチェコスロバキアの国籍を剥奪され、81年にフランスに帰化していました。

2019年に、剥奪されていたチェコの市民権を改めて獲得しました。

 

他の作品に、「笑いと忘却の書」「冗談」「不滅」などがあります。

クンデラ唯一の短編集である「微笑を誘う愛の物語」などもあります。

 

「あまりにも騒がしい孤独」 ボフミル・フラバル (著)

20世紀チェコを代表する作家ボフミル・フラバルの傑作。

他にも、「わたしは英国王に給仕した」「厳重に監視された列車」「剃髪式」といった作品が有名です。

 

傑作短編集「十一月の嵐」は、フラバル自身が経験したナチスのチェコ侵略、「プラハの春」の挫折、「ビロード革命」などの歴史の語り。

 

「ロボット(R.U.R.)」 カレル・チャペック(著)

チェコスロバキア時代に最も人気があった国民的作家

1920年に発表され、ロボットという言葉を創り出しました。

チェコ語で「robota ロボタ」は、「労働」を意味するそうです。

新型コロナ渦で注目されているのが、カミュの「ペスト」など疫病文学ですが、カレル・チャペックの「白い病」もその1つです。

 

最新翻訳作に、2022年8月発売の「マクロプロスの処方箋」があります。

 

「エウロペアナ: 二〇世紀史概説」 パトリク・オウジェドニーク(著)

第1回 日本翻訳大賞の受賞作

現代チェコ文学を牽引する作家の20世紀ヨーロッパ史、斬新な歴史-小説。

20世紀を象徴するテーマである「世界大戦」「ファシズム」「共産主義」などをユーモアを交えて記載されています。

 

「プラハの深い夜」 パヴェル・コホウト(著)

第2次大戦下のプラハが舞台のチェコミステリー

主人公が2人、ナチス占領下のプラハの事件。戦時下のプラハの混乱ぶりがわかる小説です。敗戦後のドイツ人狩りなども。

2段組でページ数も多く、テーマ的にも重厚感の相当ある本です。

 

「シブヤで目覚めて」 アンナ・ツィマ(著)

マグネジア・リテラ新人賞(チェコ最大の文学賞)

みんなのつぶやき文学賞【海外編】第4位

チェコのプラハと日本の渋谷を交互に描く新世代幻想ジャパネスク小説。

17歳の主人公ヤナはプラハで日本文学を学ぶ、一方、分身的なヤナは東京の渋谷にいる。

日本好きなヤナの豊富な日本文学の情報などが特徴的です。

 

「ノックス師に捧げる10の犯罪」 ヨゼフ・シュクヴォレツキー (著)

推理小説を書く時の基本的なルールである「ノックスの十戒」を基にした本格推理

パロディあり、ゲーム的趣向ありの謎解きミステリーの10の短編集

 

「火葬人」 ラジスラフ・フクス (著)

1930年代末、ナチスドイツの影が迫るプラハ。

葬儀場に勤める火葬人コップフルキングルは、愛する妻と娘、息子に囲まれ、平穏な日々を送っているが……

 

「チェコSF短編小説集2」 ヤロスラフ・オルシャ・jr. (編集)

カレル・チャペック賞(SF作品賞)の受賞作など..

13編からなる短編小説集

1980年代以降の作品群。チェコ作家の作品がたくさん収録されており、チェコ文学に興味のある方におすすめの1冊。

 

「変身」 フランツ・カフカ(著)

変身
KADOKAWA
発売日:2007/5/30

チェコ作家と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、フランツ・カフカという人も多いのではないでしょうか。

「変身」「城」などの代表作があります。

 

「あなたの迷宮のなかへ カフカへの失われた愛の手紙」 マリ=フィリップ・ジョンシュレー(著)

20世紀最大の作家・カフカに宛てた100通以上の幻の手紙ーー

カフカの恋人でチェコ人女性のミレナ。ミレナの手紙に書かれたカフカへの愛と情熱。自身の孤独と叫び。別離後もカフカを慕い、強制収容所で絶命した1人の女性の運命とは!?ーー

 

「hhHhプラハ-1942年」 ローラン・ビネ(著)

ゴンクール賞 最優秀新人賞受賞作

2014年 本屋大賞「翻訳小説部門」 第1位

ナチスのハイドリヒについて書かれた小説です。

ユダヤ人大量虐殺の首謀者、金髪の野獣ハイドリヒ。彼を暗殺すべく、二人の青年はプラハに潜入した。



チェコが舞台の小説(チェコ作家以外)

「プラハの春」 春江 一也 (著)

日本人作家の小説ですが、1968年、民主化運動に揺れるチェコスロバキアを舞台にした小説です。

チェコ第2の都市ブルノの描写など、馴染みのないチェコの風景なども浮かんでくるような小説です。

外交官・堀江亮介はひとりの女性を愛し、時代の奔流に巻き込まれてゆく・・

 

おまけ

小説ではありませんが、評判の高い著作を掲載します。

「力なき者たちの力」 ヴァーツラフ・ハヴェル (著)

チェコスロバキア大統領で、チェコ共和国初代大統領のヴァーツラフ・ハヴェルによる不朽の名著

劇作家でもある著者のエッセイ。冷戦下の東欧で広く読まれ、影響力のあった1冊

全体主義の権力のあり様を分析、「真実の生をいきるために私たちがなすべきことは何か!?・・」



チェコの文学賞!?

フランツ・カフカ賞

プラハ出身の作家「フランツ・カフカ」にちなんで、チェコのフランツ・カフカ協会が創設しました。

2001年創設の比較的新しい文学賞です。

オーストリアにある団体が行なっているカフカ賞とは別のもの(歴史はこちらの方が深いですが)となります。

2020年に、ミラン・クンデラが受賞しています。