【直木賞】の歴代受賞作品一覧|新人及び、中堅作家の大衆文学

直木賞の歴代受賞作品を一覧でまとめています。

直木賞は、日本文学振興会により選ばれる国内の文学賞として歴史があります。

そんな直木賞の過去の受賞作品を掲載しています。

【直木賞】歴代受賞作一覧

2024年 直木賞

上半期

「ツミデミック」 一穂ミチ(著)

心揺さぶる全6話

夜の街で客引きのバイトをしている優斗。バイト中に話かけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶に戸惑う優斗だが!?・・「違う羽の鳥」調理師の職を失った恭一。ある日、小一の息子・隼が、聖徳太子の旧一万円札を持っていた。それを隼から奪った恭一は、たばこを買うため使ってしまう・・「特別縁故者」

 

2023年 直木賞

下半期

「ともぐい」 河﨑 秋子(著)

動物文学の最高到達点

熊との闘いを描く熊文学

明治後期の北海道の山。熊爪は、山中で山男として熊をも狩る。マタギではなく、猟師でもない熊爪と穴持たずの熊、盲目の少女、ロシアとの戦争に向かう時代を背景に!?・・

 

「八月の御所グラウンド」 万城目 学(著)

感動の青春小説

京都。スポーツ✖青春の清々しい2篇

女子全国高校駅伝 ――方向音痴な女子高生が、都大路にピンチランナーとして挑む。

8月のグラウンドで野球をする大学生。御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する。

 

上半期

「極楽征夷大将軍」 垣根 涼介(著)

初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇

幕府の祖で謎に包まれた足利尊氏。天下をとった尊氏が権力の頂点へ登り詰められたのは何故か!? 地に堕ちた鎌倉府の信用、幕府の粛清、新生幕府の樹立!?・・

 

「木挽町のあだ討ち」 永井 紗耶子(著)

第36回 山本周五郎賞 受賞作

時代・歴史小説家の令和の傑作

ある雪の日、美しい若衆・菊之助による仇討ちが成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、多くの人々から賞賛される。2年後、菊之助の縁者というひとりの侍が、仇討ちの顚末を知りたいと訪れるが!?・・

語り草となった大事件の真相は!?ーー



2022年 直木賞

下半期

「地図と拳」 小川 哲(著)

[第13回] 山田風太郎賞 受賞作

歴史×空想の超大作

満州の架空の都市を舞台に、くり広げられる戦いと人々の群像劇。

満州に乗り込んだ日本人、ロシアの鉄道網拡大のために来たロシア人神父、抵抗する中国人。日中露の様々な思惑が交錯する物語。

日露戦争前夜~第2次大戦に満州の都市で繰り広げられる知略と殺戮ーー

 

「しろがねの葉」 千早 茜(著)

銀山で働く女・ウメの生き様を描いた大河小説

戦国末期、石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女・ウメは、銀山の知識と鉱脈のありかを授けられる。死ととなり合わせで銀の採掘に励む男達のそばで成長するが!?・・

 

上半期

「夜に星を放つ」 窪 美澄(著)

5編からなる星がらみの短編集

大切な人間関係を失い、傷ついた者達の物語。

日常にあるとまどい、うまくいかない境遇でも行動しようとする姿勢。

 

2021年 直木賞

下半期

「黒牢城」 米澤 穂信(著)

このミステリーがすごい!2022年版【国内編】第1位

「王とサーカス」などの作品で知られる著者の歴史ミステリ

天正6年冬、本能寺の変の4年前。織田信長に反旗を翻して有岡城に立てこもった荒木村重。城内で起きる難事件に翻弄されるが!?・・

謎解きの推理小説としても人気の1冊です。

 

「塞王の楯」 今村 翔吾(著)

楯(石垣)と矛(鉄砲)の戦いを描く戦国小説

石垣職人と鉄砲職人の職人達の熱き戦い。

戦国時代、1573年~1600年関が原の戦い。石垣職人に助けられた匡介(きょうすけ)は、石垣作りの職人集団の飛田屋で育てられる。「最強の盾」である石垣を作れば戦を無くせると考えていたが!?・・

 

上半期

「テスカトリポカ」 佐藤 究(著)

[第34回] 山本周五郎賞 受賞作

このミステリーがすごい!2022年版【国内編】第2位

骨太ハードボイルドクライムノベル

メキシコのカルテルで麻薬密売人をしていたバルミロと川崎で生まれ育つ少年。2人は出会い、少年はいつの間にか犯罪に巻き込まれていくが!?・・

川崎とメキシコ、ジャカルタなど、世界を又にかけ、重厚感のある筆力と壮大なスケール。メキシコのアステカ神話も絡みつつ。

 

「星落ちて、なお」 澤田 瞳子(著)

女絵師の一代記

浮世絵師で日本画家の河鍋暁斎(幕末から明治初期にかけて活躍)の娘、河鍋暁翠の物語。

絵師という仕事とは!?--

河鍋暁斎の娘暁翠の師であり、父親である河鍋暁斎との心の葛藤。5歳で父親は師となり、兄がライバルとなる絵師の世界。河鍋一門の行末は!?-

 

2020年 直木賞

下半期

「心淋し川」 西條 奈加(著)

連作時代小説

江戸の片隅、川沿いに立ち並ぶ古い長屋。懸命に生きる人々の人生模様。

 

上半期

「少年と犬」 馳 星周(著)

少年と犬
文藝春秋
発売日:2020/5/15

6篇からなる連作短編小説

ハードボイルド作家・馳星周の犬と人間の感涙作。

2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母と介護をする姉のため、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日、コンビニで野良犬を拾う。犬の名は「多聞」。和正の守り神のような存在になるが、多聞はいつも南の方向へ顔を向けている。どこへ行こうとしているのか!?・・

 

2019年 直木賞

下半期

「熱源」 川越 宗一(著)

熱源
文藝春秋
発売日:2022/7/6

樺太(サハリン)のアイヌをテーマにした歴史大作

樺太に生まれたアイヌのヤヨマネクフ。集団移住の後、天然痘やコレラで妻や友人達を亡くし、再び樺太に戻ることを目指す。リトアニアに生まれたブロニスワフ・ピウスツキは、ロシアで皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。。2人は樺太で出会い!?-

樺太で生きるアイヌの風俗や風土などが描かれている1冊。

 

上半期

「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」 大島 真寿美(著)

人形浄瑠璃作者・近松半二の生涯を描いた物語。

江戸時代の大坂、道頓堀。近松半二は、弟弟子に先を越されながらも人形浄瑠璃に人生をかけるが!?・・

浄瑠璃や歌舞伎が世に広まりつつある時代の渦。

 

2018年 直木賞

下半期

「宝島」 真藤 順丈(著)

宝島
講談社
発売日:2021/7/15

[第9回] 山田風太郎賞 受賞作

戦後間もない沖縄の状況が感じられる冒険、青春小説。

沖縄の戦後、1952年~1972年の本土返還まで20年の物語

3人の若者が激動の時代で熱く行動する姿が生き生きと描かれる。米軍基地に忍び込み、略奪した物品を住民に分け与える「戦果アギャー」など。

 

上半期

「ファーストラヴ」 島本 理生(著)

ベストセラーミステリ

女子大生の聖山環菜が父親を殺して逮捕される。。環菜は就職活動中で、面接の帰りに凶行に及ぶ。世間を騒がす殺人事件ながら動機がわからず、事件を取材する心理士の真壁由紀は、動機を探るため奔走するが!?・・

堤 幸彦監督で映画化もされています。

 

2017年 直木賞

下半期

「銀河鉄道の父」門井 慶喜(著)

父・政次郎の視点から描く「宮沢賢治」の生涯

岩手県花巻に生まれた宮沢賢治。明治29年(1896年)~昭和8年(1933年)没。生家は、祖父の代から裕福で、賢治の父・政次郎も地元の名士。

学問の道に進み、教師や技師として働きながら創作をした賢治は、どんな生涯を送ったのか!?ーー

 

上半期

「月の満ち欠け」 佐藤 正午(著)

ファンタジー要素のある壮大な愛の物語

月の満ち欠けのように生まれ変わる!?

人妻の瑠璃は、レンタルビデオショップの店員「アキヒコクン」と出会う。2人は男女の関係になるが、瑠璃が事故で死んでしまう。。生まれ変わり、再び出会えるのか!?・・「もう1度会いたい」という想い。

映画化済みの作品です。

 

2016年 直木賞

下半期

「蜜蜂と遠雷」 恩田 陸(著)

[2017年] 本屋大賞 受賞作

ピアノコンクールを舞台に、音楽と才能を描いた青春小説。

芳ヶ江国際ピアノコンクール。ここの覇者は「世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあった。

自宅にピアノがない15歳の少年・風間塵。母の死の13歳以来、ピアノが弾けなかった20歳の栄伝亜夜。楽器店勤務でコンクール年齢制限ギリギリの28歳の高島明石。名門ジュリアード音楽院の19歳、マサル・C・レヴィ=アナトール。天才達による凌ぎ合いで優勝するのは誰か!?--

 

上半期

「海の見える理髪店」 荻原 浩(著)

全6篇のヒューマンドラマ小説集

「海の見える理髪店」-有名俳優や政財界の大物が通いつめた理髪店。僕は予約を入れて店を訪れるが・・

他、「成人式」「いつか来た道」など。。

父と息子、母と娘など、家族の絆がテーマのノススタルジックな作品群。

 

2015年 直木賞

下半期

「つまをめとらば」 青山 文平(著)

去った女、逝った妻……瞼に浮かぶ、獰猛なまでに美しい女たちの面影はいまなお男を惑わせる。江戸の町に乱れ咲く、男と女の性と業。

 

上半期

「流」 東山 彰良(著)

流
講談社
発売日:2015/5/13

台湾の激動の歴史を絡めた青春小説

内戦で敗れ、台湾に渡った祖父が殺された理由と犯人を主人公が自らのルーツを辿りながら旅に出る・・ 1975年の台北も舞台になっています。

台湾の歴史もわかり、台湾旅行に行かれる人にもおすすめの1冊。