トルコが舞台の小説をまとめています。
東西の文明が交差する街イスタンブルを舞台にした傑作小説があります。
トルコ文学の代表作家やノーベル文学賞作家の作品など、トルコ旅行などトルコに渡航予定の方へもおすすめの小説です。
トルコが舞台の小説
「心の平安」 アフメト・ハムディ・タンプナル(著)
イスタンブルの魅力が描かれた不朽の名作
トルコ近代文学の父と言われる作家の代表作
第二次世界大戦勃発前夜。トルコ共和国建国から約15年のイスタンブル。両親を亡くしたミュムタズは、従兄のもとでオスマン朝時代の伝統文化を愛するようになる。研究者になったミュムタズは、ボスフォラス海峡のフェリーでヌーランと出会い、意気投合する。2人はイスタンブルの街並みを背景に愛を深め、結婚の決意をするが!?・・
「雪」 オルハン・パムク(著)
ノーベル文学賞作家
イスタンブルの街やトルコの歴史をテーマにした小説。
最新刊は、オスマン帝国末期、東地中海のミンゲル島(架空)が舞台の「ペストの夜」です。ミステリ、疫病文学、歴史小説としておすすめです。
他にも「黒い本」「わたしの名は赤」「赤い髪の女」「無垢の博物館」などがあります。
「レイラの最後の10分38秒」 エリフ・シャファク(著)
[2019年度] ブッカー賞最終候補作
トルコで今、最も読まれる女性作家と言われている作家です。
イスタンブルの猥雑さ、多様性、歴史などふんだんに盛り込まれた小説。
「イスタンブールの群狼」 ジェイソン・グッドウィン(著)
【2007年】アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)受賞作
歴史ミステリの傑作
19世紀、イスタンブール。4人の士官が惨殺死体で発見され、オスマントルコ帝国近衛新軍に衝撃が走る。。早期解決を望む司令官は、宦官ヤシムに調査を託す。かつて最強軍団と言われたイェニチェリの残党の影がちらつき!?・・
「コンスタンティノープルの陥落」 塩野 七生(著)
コンスタンティノープルからイスタンブルへと歴史の転換都市となった場所
イスタンブル旅行での遺跡巡りにも参考になる1冊。
トルコが舞台の小説 【あらすじ&レビュー】
「シナン」 夢枕 獏(著)
東洋と西洋が交わるイスタンブールが舞台の歴史小説です
ボスポラス海峡が大陸をヨーロッパとアジアに分けるトルコ最大の都市のイスタンブルにある「アヤ・ソフィア寺院」などのモスクを数多く建築したミマール・スィナンを取り上げた本です。
トルコのモスクを多く建造した人物です。
ビザンツ建築の最高峰アヤソフィア寺院を超えるセリミエモスクも建築しています。
また、スィナンは、オスマントルコ最盛期の第10代皇帝「スレイマン1世」の命によりスレイマニェモスクを建造しています。
100歳で死ぬまで477もの建造物を造りました。
ミマール・スィナン
ミマールは建築家を意味する。最盛期のオスマン帝国を代表する建築家でセリム1世〜ムラト3世にイェニチェリとして仕えた。有能な軍人で天才建築家とかいうチート人物。スレイマニエモスクやセリミエモスク等で知られる。 pic.twitter.com/HuYqArKcvE— オスマン帝国bot (@E_ottoman_bot) 2019年12月9日
レビュー
傑作で名作にも関わらず、物語として非常に読みやすく面白かったです。
何気なく借りてきた本でしたが大当たりでした。物語としても面白かったですが、様々なことが勉強になりました。
是非、皆さんにおすすめしたい本です。
上下巻ありますが、文字も大きめで行間もあり、それほど時間をかけなくても読めます。ぶ厚さを感じることなく、あっという間に読み終わってしまいました。
「わたしの名は赤」 オルハン・パムク(著)
イスラムの細密画を絡めた歴史ミステリ小説です。
トルコのノーベル文学賞作家の名著と言えるのではないでしょうか。
オルハン・パムクは個人的にも大好きな小説家です。
レビュー
偶像崇拝を禁止されているイスラム教の細密画で、人物画を描くということに対する考え方、価値観などの宗教観を感じることができました。
戯曲なども絡めていて、様々なことが勉強になります。
1人1人の人物が章ごとに主人公として、主観で語られていく構成も小説として面白かったです。
オスマン帝国時代の東西文明交錯するイスタンブールならではの文学性を感じて非常に良かったです。