近刊のSF小説から、おもしろいおすすめ作品をまとめています。
SF小説の有名な賞に、ヒューゴー賞、ネピュラ賞、ローカス賞などがあります。英国SF協会賞も有名です。
日本では、日本SF大賞や星雲賞などがあります。勢いのある中華SF小説なども話題になっています。
【SF小説】近刊の話題作
「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」 高野 史緒(著)
[2024年] 星雲賞 受賞作
SFが読みたい!ベストSF 2023【国内篇】第1位
茨城県・土浦が舞台の青春SFの新たな金字塔
夏紀と登志夫。別々の2021年を生きる2人には、幼い頃「グラーフ・ツェッペリン号」を見たという記憶があった。そんな、夏紀のもとへ電子メールで思いがけない返信が届き!?・・
「チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク」 ジョン・スラデック(著)
英国SF協会賞 受賞作
SFが読みたい!ベストSF 2023【海外篇】第1位
ロボット・ピカレスク
ロボットのチク・タク。人間の安全のため、ロボット達には三原則を遵守させる「アシモフ回路」が組み込まれていたが、チク・タクには回路が作動していなかった。やがてチク・タクは、人間への「実験」(殺人、強盗、扇動など)を開始し!?・・
「輝石の空」 N・K・ジェミシン(著)
ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞 受賞作
3年連続ヒューゴー賞受賞の3部作 完結編
SFが読みたい!ベストSF 2023[海外篇]第7位
「第五の季節」に始まる破滅SF小説。
超大陸スティルネス。天変地異〈第五の季節〉により、数百年ごとに文明を滅ぼしてきた世界。古代絶滅文明が残した巨大な力で世界を救おうとする母。一方、世界を破壊しようとする娘。地球の裏側にある古代文明の遺跡都市を巡り、最期の旅が始まるが!?ーー
「怪獣保護協会」 ジョン・スコルジー(著)
[2024年] 星雲賞 受賞作
[2023年] ローカス賞 受賞作
SFが読みたい!ベストSF 2023[海外篇]第8位
アメリカ発の傑作怪獣SF
2020年。パンデミックの最中、ジェイミーは会社を解雇される。昔の知人に紹介された仕事は、体長150mの怪獣を保護する仕事だった!・・ ジェイミーは驚きながらも「怪獣保護協会」の一員として、絶滅の危機にある彼らを保護する。しかし、地球からやってきた億万長者により、怪獣惑星と地球に危機が迫り!?・・
「マーダーボット・ダイアリー」 マーサ・ウェルズ(著)
ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞3冠&2年連続ヒューゴー賞 受賞作
第7回(2021年) 日本翻訳大賞受賞作
記憶を消されている人型警備ユニット。自らのことを「弊機」と語るAIが主人公の本格宇宙SF
シリーズ化されていて、最新作は2024年発売で第4弾の「システム・クラッシュ:マーダーボット・ダイアリー」です。2024年のローカス賞も受賞しています。
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」 アンディ・ウィアー (著)
SFが読みたい!【ベストSF 2022年】第1位
2022年みんなのつぶやき文学賞【海外編】第4位
各方面で話題になっている2022年注目のSF小説です
「火星の人」の著者によるSFエンターテイメント
たった一人で目を覚ましたグレースは、地球ではなく宇宙船〈ヘイル・メアリー〉号だと気づく。存亡の危機に瀕した人類は「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を発動し!?・・
「マン・カインド」 藤井 太洋(著)
[2022年] 星雲賞 受賞作
2045年、国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオは、軍事企業〈グッドフェローズ〉の捕虜を銃殺する。迫田城兵は、これをレポートしようとするが、事実確認プラットフォームに配信を拒否される。はたして人類に何が起こっているのか!?・・
「鋼鉄紅女」 シーラン・ジェイ・ジャオ(著)
英国SF協会賞受賞作
傑作アクションSF
華夏の国。巨大戦闘機械に男女ペアで乗り組み、メカ生物と戦っていた。。村娘の則天は、パイロットに志願するが!?・・
「赦しへの四つの道」 アーシュラ・K・ル・グィン(著)
ローカス賞 受賞作
人種、性、身分制度などに問いかける4つのSF物語
「赦しの日」ー惑星ウェレル。長年の奴隷解放戦争で疲弊している惑星。。宇宙連合エクーメンの使節ソリーは、この地の真実をかいま見るが!?ーー
「宇宙【そら】へ」 メアリ・ロビネット・コワル(著)
ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞受賞の話題作
宇宙開発SF
1952年、ワシントンD.C近海に落下した巨大隕石により、アメリカ東海岸が壊滅する。。元パイロットで数学の博士号を持つエルマは、隕石落下による環境の激変を導き出す。人類が生き残るためには宇宙開発に乗り出さなければいけないが!?・・
作家の最新作「無情の月」も2022年9月に発売されています。
「こうしてあなたたちは時間戦争に負ける」 アマル・エル=モフタール(著) マックス・グラッドストーン(著)
【中長編小説部門】2020年ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞&英国SF協会賞中短編部門受賞
2人の共作による多世界時間SF
時空の覇権を争う2大勢力が、時間線での戦いを経て文通する関係になるが・・
「クロックワーク・ロケット」 グレッグ・イーガン(著)
「エターナル・フレイム」「アロウズ・オブ・タイム」へと続く3部作SFシリーズ第1弾
グレッグ・イーガンのデビュー作となります。
著者は、ヒューゴー賞・ローカス賞を受賞しています。
「ネクサス(NEXUS)」 ラメズ・ナム(著)
小説家としてのデビュー作となる新鋭のSF小説です。
デビュー作でありながら、2005年度H・G・ウエルズ賞を受賞
この作品から始まる3部作の3作目「Apex」では、2016年のフィリップ・K・ディック賞を受賞。ノンストップSFスリラー
ファーストコンタクト
「プロトコル・オブ・ヒューマニティ」 長谷 敏司(著)
[2024年] 日本SF大賞 受賞作
[2023年] 星雲賞 受賞作
ファーストコンタクトもの。
「あなたのための物語」「allo, toi, toi」「BEATLESS」を超える10年ぶりの最高傑作
「工作艦明石の孤独3」 林 譲治(著)
ファーストコンタクトSF
2021年「星系出雲の兵站」で、日本SF大賞を受賞した作家の最新作
新たな文明を模索するセラエノ星系の人類。一方、工作艦明石の椎名ラパーナは、知性体イビスとのファーストコンタクトを展開するが!?--
中華SF小説
「三体」 劉 慈欣(著)
SFが読みたい!【ベストSF2019】第1位
華文SFとしてアジア初のヒューゴー賞を受賞
中国SF小説の先駆けとして、大変話題になりました。
3部作で「三体Ⅱ 黒暗森林」「三体III 死神永生」と続きます。
「三体0【ゼロ】 球状閃電」 劉 慈欣(著)
世界的ベストセラー「三体」の前日譚
幻の「エピソード0(ゼロ)」
14歳の少年・陳(チェン)の前に突然現れた壁を通り抜ける球状の雷(ボール・ライトニング)。少年は、人生を一変させた自然現象に魅せられ、研究を始める。。やがて行き詰まり、理論物理学者・丁儀(ディン・イー)に助力を求め、“球状閃電”の謎に挑むが!?・・
丁儀がたどりついた現代物理学を根底から揺るがす大発見とは!?--
「超新星紀元」 劉 慈欣(著)
大ヒットSF「三体」の著者、劉慈欣の長篇デビュー作
1999年末、超新星爆発により発生した放射線バーストが地球に降り注ぐ。。1年後に13歳以上の大人全てが死ぬことが判明し、「超新星紀元」の地球は子供達に託され!?-
「宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選」 顧適,何夕,韓松,宝樹,陸秋槎,陳楸帆(著)
[第41回] 日本SF大賞 特別賞 受賞の中華SFアンソロジー
SFから幻想譚まで15人の人気作家の傑作を集めた物語。
日本でも人気の作家、陸秋槎の新作「杞憂」(初邦訳作品)や劉慈欣と並び称される王晋康、韓松、何夕など、中国人気作家によるSF集。
「息吹」 テッド・チャン(著)
ヒューゴー賞、ローカス賞、英国SF協会賞、SFマガジン読者賞 受賞作
SFが読みたい!【ベストSF 2020年】第1位
「三体」と共に、中国SFの火付け役的小説になっています。
テッド・チャンは、映画「メッセージ」の原作者です。
SF以外の文学賞にもノミネートされ、現代SF界をリードする存在です。
「あなたの人生の物語」 テッド・チャン (著)
映画「メッセージ」の原作含む 全8篇の物語
他の作品に、ヒューゴー賞受賞作の「地獄とは神の不在なり」、ネビュラ賞受賞作の「バビロンの塔」など収録
「時のきざはし 現代中華SF傑作選」 江波,何夕,糖匪,昼温,陸秋槎,陳楸帆(著)
17名の人気作家による現代中華SF
「中国SF四天王」と言われ、劉慈欣と並び称される王晋康、韓松、何夕や台湾SF界の巨匠・黄海、日本でも人気の作家・陸秋槎など、新鋭からベテランまで多くの中華作家によるSFアンソロジー。
国産SF小説
「オービタル・クラウド」 藤井 太洋(著)
第35回【日本SF大賞】受賞
第46回【星雲賞】日本長編部門受賞
SFが読みたい! ベストSF2014【国内篇】第1位
流れ星を観測する日本のWEBフリーランスの木村和海は、イランで打ち上げられたロケットブースター2段目の動きの異常に気づく。。アメリカ軍、アマチュア天文学者、JAXAの職員などが謎に動き始めるが!?・・
日本人作家によるSF小説です。評判の良い1冊です。
「月の落とし子」 穂波 了 (著)
2019年(第9回)アガサ・クリスティ賞 受賞
突然死する宇宙飛行士、墜落する宇宙船、蔓延する致死病原体。現代の状況を予言するかのような超災害ミステリー。
古典の名作SF小説
「星を継ぐもの」 ジェイムズ・P・ホーガン(著)
[2024年] 創元SFオールタイム・ベスト(東京創元社)読者投票のベスト20 第1位
「SF小説の中での最高傑作」との声も高い小説です。
1977年の古典的SFとも言える古めの小説ですが、スケールの大きさがあります。
「星を継ぐもの」の最終巻も発売されています。
[2024年] 創元SFオールタイム・ベスト読者投票 第1位
「スターメイカー」 オラフ・ステープルドン(著)
壮大なスケールのSF小説の金字塔
1937年発表以来、様々な媒体に影響を与えてきました。
肉体を離脱した主人公が、宇宙の彼方へと探索の旅に出る・・ 時間と空間を超えて。。宇宙の発生から滅亡まで・・
「2001年宇宙の旅」 アーサー・C. クラーク(著)
言わずと知れたSF史上に輝くアーサー・C・クラークの不朽の名作です。
シリーズは、「2010年宇宙の旅」「2061年宇宙の旅」「3001年終局への旅」へと続きます。
「幼年期の終わり」「都市と星」なども有名です。
「ソラリス」 スタニスワフ・レム(著)
SFの名作として有名なのが、スタニスワフ・レムの「ソラリス」です。
惑星ソラリスの調査に向った宇宙船内で様々な奇怪な出来事が・・・
宇宙人などが対象のSFは多くありますが、惑星自体が神秘の謎となっています。
「火星からの来訪者:知られざるレム初期作品集」 スタニスワフ・レム(著)
巨匠・スタニスワフ・レムの初訳の初期作品集
第二次世界大戦でドイツが降伏した頃、アメリカのノースダコタ州とサウスダコタ州の境に隕石らしきものが落下する。それは、ただの隕石ではなく、火星から飛来したロケットだった!?-
「火星年代記」 レイ・ブラッドベリ(著)
火星が舞台のSF史上に輝く記念碑
同じく不朽の名作「華氏451度」は、1953年に書かれたディストピアSF小説で、ブラッドベリの名声と評価を不動のものにしました。
NHKの名作解説番組「100分de名著」にも、2021年6月に取り上げられています。
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 フィリップ・K・ディック(著)
映画「ブレードランナー」の原作として知られています。
SF小説の名作で、独特の世界観があります。
家族の絆や恋愛など人間関係が盛り込まれているのが特徴です。
「タイタンの幼女」 カート・ヴォネガット・ジュニア(著)
第4回 星雲賞【海外部門】受賞
アメリカ作家の巨匠カート・ヴェネガットのSF小説です。
いろいろな星を移動しながら、旅を続ける主人公の話です。ヴォネガット特有の言い回しや文章が特徴的な作品でもあります。
「アンドロメダ病原体」 マイクル・クライトン (著)
第2回 星雲賞【海外部門】受賞
世界的なベストセラー作家のパンデミック小説の金字塔。宇宙から侵入したウイルスとの戦い。
続編に、「アンドロメダ病原体-変異-」があります。
「デューン 砂の惑星」〔新訳版〕 フランク・ハーバート(著)
ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞のSF大河小説
2021年10月15日映画公開の原作
映画「メッセージ」の監督ドゥニ・ビルヌーブが手がけています。
全宇宙から命を狙われる青年に未来は託された!?・・