黒人文学と言われる黒人作家による小説をまとめています。
人種差別問題、BLM(Black Lives Matter)、アパルトヘイト政策など、歴史的な出来事を含んだ小説が多い傾向があります。
黒人文学・BLM小説
「ビラヴド」 トニ・モリスン(著)
[1988年] ピュリッツァー賞 受賞作
アメリカのノーベル文学賞 受賞作家の名作
黒人奴隷が解放後も黒人差別に向き合う物語
黒人奴隷だった女性・セサ。南北戦争後のアメリカに暮らす。娘デンヴァー、義母ベビー・サッグス、恋人ポールD、そして、あの世から帰ってきたセサの長女・ビラヴドなどを含む群像劇。マジック(魔術的)リアリズム小説。
「ネイティヴ・サン:アメリカの息子」 リチャード・ライト(著)
ブラック・ライヴズ・マターの原点
20世紀アメリカ文学最大の問題作/黒人文学が世界へ羽ばたいた記念碑的作品
1930年代、大恐慌下のシカゴ。アフリカ系の青年ビッガー・トマスは、資本家令嬢の白人女性を殺害してしまう。発覚を恐れ、遺体を暖炉に押し込んだ時、逃走劇が始まるーー 人種差別を告発しつつ、アフリカ系小説を世界文革に高めた1冊。
「少女、女、ほか」 バーナディン・エヴァリスト(著)
[2019年] (英)ブッカー賞 受賞作
時代、背景がそれぞれ違う英国黒人女性が乗り越えてきた苦難を描く傑作翻訳小説。
斬新な文体の文学的な作品。
「地下鉄道」 コルソン・ホワイトヘッド(著)
[2017年] ピュリツァー賞【小説部門】(FICTION)受賞作
[2016年] 全米図書賞 受賞作
実在した組織「地下鉄道」と言われる組織がテーマのアメリカ南部文学
歴史的事実をテーマに奴隷少女の逃亡譚。奴隷少女コーラは、過酷な現実から自由を目指し北部へ逃げるが!?・・
19世紀、南北戦争前に存在した黒人解放運動に同調する人々で組織された奴隷の逃亡援助組織「地下鉄道」は、南部から北部やカナダへの亡命を手助けした。。
「ニッケル・ボーイズ」 コルソン・ホワイトヘッド(著)
[2020年] ピュリツァー賞【小説部門】(FICTION)受賞作
2017年に「地下鉄道」で受賞し、2度目の受賞という快挙となりました。
1960年代のアメリカを舞台に、自由を夢みた黒人少年達の物語です。実在した少年院をモデルに、実際の事件をもとにしたリアリズム小説。アフリカ系アメリカ人の主人公が地獄を見る・・ 人種差別問題など
「となりのブラックガール」 ザキヤ・ダリラ・ハリス(著)
新世代のBLM(ブラック・ライブズ・マター)小説
NYC(ニューヨーク)の老舗出版社で唯一の黒人女性のネラ。人種問題に理解の無い職場に、同世代の黒人女性が入社してくる。ネラは親交を深めようとするが、大きな陰謀が!?・・
「アパルトヘイトの残滓」 竹中 寛(著)
2000年代の南アフリカが舞台の社会派ビジネス小説
アパルトヘイト(人種隔離政策)廃止から10年が経ち、黒人の地位向上に腐心する南アフリカ。
南アフリカの状況から見えてくる世界のリアル。ある商社員の物語。総合商社に勤める主人公が南アフリカに赴任する。そこで目にした人種差別と格差の無い理想の社会とは程遠い現実・・
「歌え、葬られぬ者たちよ、歌え」 ジェスミン・ウォード(著)
[2017年] 全米図書賞 受賞作
全米図書賞を2度受賞した作家の渾身作
現代アメリカ文学を代表する親子3世代の物語
アメリカ南部。混血の少年ジョジョは、1人の死者、黒人少年リッチーを連れて帰る。彼は、ジョジョの祖父から「自分が死んだ理由」を聞き出したいというが!?ーー 人種差別、貧困、暴力、ドラッグなど、様々な要素を含みながら。。
「降りていこう」 ジェスミン・ウォード(著)
「歌え、葬られぬ者たちよ、歌え」で、2017年全米図書賞を受賞作家の最新作
奴隷の少女が自由を目指す長編小説
「あたしの武器はあたし」。母から言われた言葉を胸に強く生きる少女。祖母や母から伝えられた知識と勇気ーー
「デッサ・ローズ」 シャーリー・アン・ウィリアムズ(著)
19世紀アメリカの奴隷制度を描く黒人文学の傑作
黒人の少女・デッサは、妊娠中の身でありながら奴隷隊の反乱に加わる。一方、白人女性・ルースは、逃亡奴隷達をかくまい、彼らと共に、旅に出るが!?・・
「ビール・ストリートの恋人たち」 ジェイムズ・ボールドウィン(著)
アメリカ黒人文学の傑作
映画「ムーンライト」の原作小説
1970年代初頭のニューヨーク、ハーレム。黒人青年のファニーは、強姦の疑いで収監される。彼の子を妊娠中の恋人・ティッシュは、無実を証明するため、家族や協力者と奔走するが!?・・ 残酷で理不尽な人種差別を含みつつ。
「12番目のカード」 ジェフリー・ディーヴァー(著)
ジェフリー・ディーヴァー、ライムシリーズの傑作
女子高生の強姦未遂事件が起きる。犯人を追ううち、米国憲法の根底を揺るがす140年前の陰謀が見えてきて!?・・ 標的となるのは、16歳の黒人の少女。黒人の公民権問題なども絡んでくる。
どこか、スパイク・リーの映画「Do the right thing」のような雰囲気で、ニューヨーク(ハーレムなど)の描写も豊かな1冊。
「破れざる旗の下に」 ジェイムズ・リー・バーク(著)
[2024年] エドガー賞(MWA)受賞作
南北戦争時代のルイジアナが舞台のミステリ
南北戦争下のルイジアナ。伯父の農園で過ごす外科医のウェイドは、戦場での過酷な体験に苛まれていた。一方、殺人容疑をかけられ、農園から脱走した奴隷女性のハンナ。運命に翻弄される彼らが辿り着いた真実とは!?ーー
「流れは、いつか海へと」 ウォルター・モズリイ(著)
[2019年] エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ) 受賞作
アメリカの暗部を含んだ探偵小説
刑事時代に何者かにはめられ辞職した元ニューヨーク市警の主人公は現在、私立探偵。黒人ジャーナリストの事件を調べて欲しいとの依頼を受ける。黒人ジャーナリストは警官2名を撃ち殺した罪で死刑宣告されているが、無実を証明して欲しいとのこと。自分をはめた犯人と黒人ジャーナリストの冤罪の2つの事件を同時進行で調べ始めるが!?・・
「頬に哀しみを刻め」 S・A・コスビー(著)
アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞 受賞作
このミステリがすごい!2024年版【海外編】第1位
<ハヤカワ>ミステリが読みたい!2024年版【海外篇】第3位
殺人罪で服役した黒人のアイクは、出所後、庭師として働いていたが、ある日、息子が殺害されたと警察から知らされる。。アイクは犯人探しに乗り出すが!?・・
2022年クライムノベルで話題を呼んだ「黒き荒野の果て」著者の最新作
「ゴスペルシンガー」 ハリー・クルーズ(著)
アメリカ南部犯罪小説の伝説的傑作
ディープ・サウスの暴力とグロテスク、世界の混沌と人の愚かさを描く1冊。
行き止まりの町のジョージア州エニグマ。囚われている黒人の大男ウィラリー。葬儀屋には、彼が惨殺したメリーベルの遺体が安置されている。町の誰もが。町出身の成功者ゴスペルシンガーの帰還を待ち望んでいた。その彼が黒いキャデラックで町に帰ってくるが!?・・
「夜明けを探す少女は」 ジュリアナ・グッドマン(著)
アメリカ探偵作家クラブ賞最終候補作
黒人少女の成長を旅立ちを描くミステリ
シカゴの高校に通う黒人の少女・ポー。絵の才能を活かし、卒業を機に、この街を出ると決めていた。そんなある日、姉のカティアが、不法侵入の疑いで警官に射殺される。ポーは姉の無実を証明するため、調査を始めるが!?・・
ノンフィクション
「RISE ラグビー南ア初の黒人主将 シヤ・コリシ自伝」 (著)
ラグビー南アフリカ初の黒人キャプテン、シヤ・コリシ
ラグビーW杯2019日本大会に続き、2023フランス大会でも優勝した南アフリカ代表主将の圧倒的なキャプテンシーを描いた自伝
ラグビー南アフリカ代表は、歴史的に白人と黒人の融合したチームを作ることに意義がありました。そんな、南アフリカ代表で、黒人のシヤ・コリシ選手が主将(キャプテン)を務めていることは、様々な意味を持つと言われています。その波乱万丈のラグビー人生。