【歴史ミステリ30選】歴史と推理が絡み合う小説

歴史ミステリ小説

歴史ミステリと言われるジャンルの小説をまとめています。

イングランド王政復古、ヴィクトリア朝ロンドン、オスマン帝国、中国の歴史、第2次大戦ものや日本の戦国時代をテーマにしたサスペンスです。

英国推理作家協会賞(CWA)ヒストリカル・ダガー賞を受賞している作品やアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を受賞している作品など。

【海外作家】の歴史ミステリ小説

「亡国のハントレス」 ケイト・クイン(著)

亡国のハントレス
ハーパーコリンズ・ジャパン
発売日:2021/9/17

「戦場のアリス」著者の第2作目

翻訳ミステリ大賞 最終候補作の5冊にも選ばれた壮大な歴史ミステリ

第2次世界大戦の最中、ドイツ占領下のポーランドで「ザ・ハントレス」と呼ばれた殺人者がいた!?ーー 戦時中のヨーロッパとアメリカを行き来しつつ・・

読了者の評判の非常に良い1冊。

 

「指差す標識の事例」 イーアン・ペアーズ(著)

第12回(2021年)翻訳ミステリ大賞 受賞作

このミステリがすごい!2021年版【海外編】第2位

イングランドの王政復古をテーマにからめた歴史ミステリ

信じられない語り手4名により、明らかになってくるオックスフォードでの毒殺事件。時代は、1663年、オリバー・クロムウェルの死後、王政復古でチャールズ2世の統べるイングランド。大学教師の毒殺事件は単純なものと思われたが!?・・

「薔薇の名前」×アガサ・クリスティという触れ込みも納得の1冊。

 

「真珠湾の冬」 ジェイムズ・ケストレル(著)

[2022年] エドガー(アメリカ探偵作家クラブ)賞 受賞作

1941年、ハワイで白人男性と日本人女性の惨殺事件が起きる。。アメリカ人の刑事は容疑者を追い香港に行くが、太平洋戦争の勃発に遭遇する・・

ウェーク島、香港、日本など太平洋諸国が舞台の壮大なミステリ。

真相を求め、戦渦の太平洋諸国を彷徨う男を描いた大作。

 

「帝国の亡霊、そして殺人」ヴァシーム・カーン(著)

[2021年] 英国推理作家協会賞(CWA)ヒストリカル・ダガー受賞作

インドのムンバイが舞台の歴史ミステリ

1949年、インドが共和国になる以前。外交官のジェームズ卿が殺された。。インド初の女性警部ペルシス・ワディアが捜査に乗り出すが、インドの共和国化へ向け独立運動の動きが高まり・・

 

「カルカッタの殺人」 アビール・ムカジー(著)

英国推理作家協会賞(CWA賞)ヒストリカル・ダガー受賞作

1919年の英国領インドの歴史ミステリー

英国人高官が殺害された事件を赴任したばかりの警部が捜査します。現地の暴動寸前の状況と暗躍する諜報機関の影が・・
東洋の交易都市を舞台に、複雑な政情と深い謎が展開する。

シリーズ化されていて、ウィルバー・スミス賞冒険小説賞受賞作の第2弾「マハラジャの葬列」最新作が第3弾「阿片窟の死」となります。

未翻訳の最新作が、2022年の英国推理作家協会賞のゴールド・ダガー賞の最終候補作となっています。

 

「イスタンブールの群狼」 ジェイソン・グッドウィン(著)

【2007年】アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)受賞作

歴史ミステリの傑作

19世紀、イスタンブール。4人の士官が惨殺死体で発見され、オスマントルコ帝国近衛新軍に衝撃が走る。。早期解決を望む司令官は、宦官ヤシムに調査を託す。かつて最強軍団と言われたイェニチェリの残党の影がちらつき!?・・

 

「わたしの名は赤」 オルハン・パムク(著)

国際IMPACダブリン文学賞(アイルランド)、最優秀海外文学賞(フランス)、グリンザーネ・カヴール賞(イタリア)受賞

トルコ初のノーベル文学賞作家、オルハン・パムクの代表作

イスラム細密画を絡めた傑作ミステリ

1591年。オスマン帝国の首都イスタンブル。細密画師が殺される。。原因は、皇帝の命により秘密裡に製作されている装飾写本なのか!?・・12年ぶりにイスタンブルに帰ってきたカラは、装飾写本の作業監督の叔父の手助けをするうちに、従妹シェキュレへの恋心をつのらせ!?・・

 

「影の子」 デイヴィッド・ヤング(著)

影の子
早川書房
発売日:2018/5/2

[2016年] 英国推理作家協会(CWA)賞 ヒストリカル・ダガー受賞作

東ドイツの秘密警察シュタージ絡みの歴史ミステリ

冷戦時代、社会主義国家ならではの情勢を絡めた歴史ミステリの傑作。

 

「サヴァナの王国」 ジョージ・ドーズ・グリーン(著)

[2023年] CWAゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)受賞作

米南部ジョージア州サヴァナを舞台にしたゴシック・ミステリ

ある夜、ホームレスの青年が殺害され、考古学者の黒人女性が拉致される。土地開発業者のグスマンが逮捕されるが、探偵事務所の老婦人モルガナに真相解明を依頼する。やがて、歴史の大きな闇が見えてきて!?・・

 

「グラーグ57」 トム・ロブ スミス(著)

このミステリがすごい!2009年版【海外編】第1位「チャイルド44」続編

レオ・デミドフは、念願のモスクワ殺人課を創設するも、養女ゾーヤに手を焼いていた。その頃、フルシチョフは、スターリン批判を展開する。投獄されていた者達は釈放され、かつての捜査官や密告者達が投獄されはじめ!?・・

スターリンの粛清時代やアフガン侵攻など、ソ連の現代史が満載のシリーズで傑作です。

 

注目!「両京十五日 1:凶兆」 馬伯庸(著)

中国歴史サスペンス超大作

現代中国を代表するミステリ作家で、累計165億回再生越えの大ヒットドラマ「長安二十四時」の著者

15世紀の中国、明の時代。北京から南京に遣わされた皇太子が、爆発による襲撃で襲われる。北京にいる皇帝も命を狙われていることを知った皇太子は、南京から北京へ向かうが刺客が襲ってきて!?ーー

 

「辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿」 莫理斯 (トレヴァー・モリス)(著)

第9回(2023年)日本翻訳大賞 受賞作

第11回(2023年)翻訳ミステリー読者賞 受賞作

香港が舞台のミステリ歴史小説

清朝末期の香港を舞台に、中国人の福邇(フー・アル)と華笙(ホア・ション)が事件を解決していく・・

1880年代の香港の描写や歴史もわかるホームズ・パスティーシュ作品

 

「元年春之祭」 陸 秋槎(著)

このミステリーがすごい!2019年版【海外篇】第4位

2000年以上前の ”前漢時代” の中国を扱った本格推理小説

山中の名家を訪ねてきた少女は、この地で殺人事件が起きたことを聞く。そして推理を試みるが、新たな事件が!?ーー

 

「大唐泥犁獄」 陳漸(著)

唐の時代を舞台にした時代ミステリの傑作

大唐の第二代皇帝に即位した李世民の治世。旅の僧・玄奘と従者の波羅葉は、霍邑県を訪ねた際、県令郭宰の屋敷の女中から「県令夫人を祟る悪鬼を祓ってほしい」と申し出られる。。

しかし、対面後、夫人は「今すぐ霍邑から立ち去れと」言い出す。その夜から相次ぐ怪現象と襲撃がくり返されるが!?・・

 

「景福宮の秘密コード」 イ・ジョンミョン(著)

韓国で大ベストセラーの歴史ミステリ

朝鮮王朝最高の天才君主・世宗大王。ハングル設定が発表される直前、景福宮で学士達の連続殺人事件が起こる!?・・ ハングルに隠された”秘密コ-ド”とは!?・・

 

「エルサレムから来た悪魔」 アリアナ・フランクリン(著)

[2007年] CWA最優秀歴史ミステリ賞 受賞作

1171年のイングランドのケンブリッジ。子供の連続失踪、殺害事件が起こる。ユダヤ人の排斥運動が起こる中、国王ヘンリー2世は、シチリア王国から調査官と医師を招聘する。女性検死医・アデリアは、犯人の正体を暴くことができるのか!?ーー

 

「終焉の日」 ビクトル・デル・アルボル(著)

終焉の日
東京創元社
発売日:2019/3/20

ナダル賞(スペインで最高の賞のひとつ)受賞作

スペイン現代史が入り混じる歴史大河ミステリ

1970年代のスペインバルセロナと1940年代マドリッドの南西部。弁護士のマリアと警官のセサル・アルカラ。また、その2人の親の過去とは!?・・

 

「ヴァイパーズ・ドリーム」 ジェイク・ラマー(著)

[2024年度] CWA歴史ミステリー賞(ヒストリカル・ダガー)受賞作

虚実混交のジャズ・ノワール

1961年、ニューヨーク。ジャズ全盛のハーレムで麻薬密売人をするクライドは、自身が犯した殺人を後悔していた。そんな折、ジャズ界の庇護者パノニカから願いを訊かれ、過去に思いを馳せる。1936年、トランペッターを志し都会に出てからの日々、歌姫に出会ってからの日々とは!?・・

 

「死者は語らずとも」 フィリップ・カー(著)

[2009年] 英国推理作家協会賞(ヒストリカル・ダガー賞)受賞作

2年後のオリンピック開催を控える1934年のベルリン。警察を辞め、ホテル警備員をしているグンターの前に、ひとりの女性記者が現れる。アメリカから来た彼女と共に、オリンピック会場建設の不正に迫るが!?・・

 

「ハーフムーン街の殺人」 アレックス・リーヴ(著)

[2019年] CWA(英国推理作家協会賞)ヒストリカル・ダガー賞 最終候補作

ヴィクトリア朝ロンドン時代の暗い歴史スリラー

19世紀末ロンドン。シャーロック・ホームズが活躍した時代―

ウェストミンスター病院の解剖医助手レオ・スタンホープ。牧師の娘として生まれたが、15歳で家を出てからは男として生きるトランスジェンダーだった。そんなレオに普通に接してくれた娼婦のマリア。しかし、デートに現れず、遺体で発見される。レオは、真犯人探しを始めるが!?・・



【国内作家】の歴史ミステリ小説

「アマテラスの暗号」 伊勢谷 武(著)

禁忌の秘史に迫る歴史ミステリ

古代史究極の謎。神道とは!?ー 天皇家の正統性とは!?- われわれ日本人はどこからきたのか!?ー 最高神「アマテラス」が鍵!?ーー

岸田文雄首相が2023年の夏休み読書用に購入したとの情報も。

 

「黒牢城」 米澤 穂信(著)

[2021年下半期] 直木賞 受賞作

このミステリーがすごい!2022年版【国内編】第1位

「王とサーカス」などの作品で知られる著者の歴史ミステリ

天正6年冬、本能寺の変の4年前。織田信長に反旗を翻して有岡城に立てこもった荒木村重。城内で起きる難事件に翻弄されるが!?・・

謎解きの推理小説としても人気の1冊です。

 

「佐渡絢爛」 赤神 諒(著)

佐渡絢爛
徳間書店
発売日:2024/3/27

第13回(2024年)日本歴史時代作家協会賞【作品賞】受賞作

[第14回] 本屋が選ぶ時代小説大賞 受賞作

佐渡金銀山に隠された秘密とは!?ーー

時は元禄。金銀産出の激減に苦しむ佐渡で、立て続けに怪事件が起こる。36名が命を落とす落盤事故、能舞台で磔(はりつけ)にされた斬死体.. 振矩師(ふりがねし)の静野与右衛門は、事件の真相解明を命ぜられるが!?・・

 

「揺籃の都」 羽生 飛鳥(著)

揺籃の都
東京創元社
発売日:2022/6/30

[2023年] 本格ミステリ大賞 最終候補作

1180年。平清盛は、京都から福原への遷都を強行する。清盛の息子達らが父親を説得するため清盛邸を訪問するが、それを機に怪事件が続発する。清盛の異母弟である平頼盛は、事件解決に乗り出すが!?・・

 

「ファラオの密室」 白川 尚史(著)

2024年(第22回)このミステリーがすごい!大賞 受賞作

紀元前1300年代前半、古代エジプト。

神官・セティは、死んでミイラにされたが、心臓が欠けているため、冥界の審判を受けることが出来ない。期限は3日、心臓を取り戻すため、地上に舞い戻る。やがて、棺に収められた先王のミイラが、密室状態のピラミッドから消失し、大神殿で発見されたという、もう一つの謎に直面し!?ーー

 

「ヴェルサイユ宮の聖殺人」 宮園 ありあ(著)

[2020年] アガサクリスティ賞 優秀賞 受賞作

歴史の光と闇を描き出したミステリー

18世紀フランス、パリ・オペラ座演出家の殺害現場に残された血の伝言と遺体の手に握られた聖書の謎・・

 

「木挽町のあだ討ち」 永井 紗耶子(著)

[2023年] 直木賞 受賞作

第36回 山本周五郎賞 受賞作

時代・歴史小説家の令和の傑作

ある雪の日、美しい若衆・菊之助による仇討ちが成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、多くの人々から賞賛される。2年後、菊之助の縁者というひとりの侍が、仇討ちの顚末を知りたいと訪れるが!?・・ 語り草となった大事件の真相は!?ーー

 

「秘められた真序小倉百人一首」 野田 功(著)

1235年に選歌された国民的歴史歌集の成り立ちとは!?--

小倉百人一首は、天智天皇作を1首めとし順徳院の100首めで終わる。その配列の著者が探し当てたこの並び順とは!?・・ 100首の歌の並び順を替えると、壮大な物語が現れる!?ーー

 

「蒼天の鳥」 三上 幸四郎(著)

[2023年] 江戸川乱歩賞 受賞作

大正時代を描いた歴史活劇ミステリ

実在の作家・田中古代子さんをモデルに、関東大震災など大正期を描く。

大正13年、鳥取県鳥取市。女流作家の田中古代子は、内縁の夫・涌島義博と娘・千鳥と共に、東京への引っ越し予定を立てていた。その直前に、活動写真「兇賊ジゴマ」を観るため、劇場「鳥取座」に向かう。しかし、場内が火事になり、古代子と千鳥は、煙に包まれる「本物」の「兇賊ジゴマ」を見る。。ジゴマはひとりの男を刺殺し、逃亡するが!?・・

 

「クラーク・アンド・ディヴィジョン」平原 直美(著)

[2022年] エドガー賞(メアリー・ヒギンズ・クラーク)受賞作

「ヒロシマボーイ」でデビューした日系米国人作家の歴史ミステリ

1944年、シカゴ。日系二世のアキ・イトウは、姉のローズがクラーク・アンド・ディヴィジョン駅で列車に轢かれて死んだことを知る。真相を求めて独自に調査を始めるが!?・・

 

「四色(よしき)の藍(あい)」 西條 奈加(著)

面白いミステリ風作品。仇討ちに挑む4人の女!?ーー

藍染めを手がける紺屋の女将・紫屋環。殺された亭主の事件を調べるべく、大店の東雲屋の亭主・三左衛門を疑う。同じく東雲屋に恨みをもつ女達と出会い、4人で協力して挑むが!?・・

 

「古書の来歴」 ジェラルディン・ブルックス(著)

古書の来歴
東京創元社
発売日:2023/11/13

第2回(2011年) 翻訳ミステリー大賞 受賞作

伝説の古書「サラエボ・ハガダー」が発見された。焚書(ふんしょ)や戦火の時代を経て、どのように現代に生き延びたのか!?ーー 古書鑑定家のハンナは、謎を紐解いていくが、人間ドラマがからみ合い!?・・