韓国の翻訳小説が増えていて、韓国文学ブームとも言われています。
「新しい韓国の文学シリーズ」など、出版が増えています。
そんな、韓国小説で話題になっている作品をまとめました。
韓国ミステリ小説
「破果」 ク・ビョンモ(著)
第十五回(2024年)翻訳ミステリー大賞 受賞作
このミステリがすごい!2024年版【海外篇】第11位
韓国・ハードボイルド小説
かつて名を馳せた女殺し屋・爪角(チョガク)。稼業ひとすじ45年で、老いにより、致命的なミスを犯してしまう。「守るべきものはつくらない」が信条だが、人生最後の死闘が始まり!?ーー
「破砕」 ク・ビョンモ(著)
「破果」の外伝
韓国作家によるハードボイルド小説の外伝。伝説の殺し屋誕生を描き出す。
「夜間旅行者」 ユン・ゴウン(著)
英国推理作家協会賞(CWA)最優秀【翻訳小説賞】受賞作
ダークツアー専門の旅行会社の社員・ヨナ。自社企画の査定を命じられ、ベトナム沖の島・ムイに向かう。。しかし、様々なトラブルに巻き込まれていき!?・・
「殺したい子」 イ・コンニム(著)
人間心理をえぐる韓国ミステリ
校舎裏で殺された女子高生ソウン。親友だったジョヨンは、容疑者として取調べを受けることになる。貧しい家庭で育ったソウンと裕福な家庭で育ったジョヨン。性格も周りの評価も正反対の2人だが、新たな証言者が出る度、真実が見えてきて!?・・
「誘拐の日」チョン・ヘヨン(著)
新鋭作家による次世代韓国ミステリー
ドラマ化決定。2021年に発売されたミステリで、次々と展開するストーリーに引き込まれる1冊です。
↓↓↓ページ下部に読了レビューも書いています。
「種の起源」チョン・ユジョン(著)
韓国ベストセラー作家のサイコミステリーです。
ハヤカワの「ミステリが読みたい!2020年版」で第15位
各種ミステリランキングでもランク常連となりました。
「景福宮の秘密コード」 イ・ジョンミョン(著)
15世紀、朝鮮王朝の名君、世宗大王時代の歴史ミステリーです。ソウル市内の5大王宮の中でも最も大きい景福宮(キョンボックン)が舞台のミステリー。
韓国でテレビドラマ化。韓国ベストセラー作家の出世作
「殺人者の記憶法」 キム・ヨンハ(著)
文学トンネ作家賞、黄順元文学賞、東仁文学賞、万海文学賞、現代文学賞、李箱文学賞、金裕貞文学賞など、韓国の主要な文学賞を殆ど受賞しています。
日本では、第4回日本翻訳大賞を受賞
韓国長編ミステリ小説の傑作。映画化もされています。
「記憶書店 殺人者を待つ空間」 チョン・ミョンソプ(著)
ビブリオ系 韓国ミステリ
犯人は、この4人の中にいる!?--
残忍な男により妻と娘の命を奪われたユ・ミョンウ。未解決のまま15年が経過する。。そんな犯人が古書に異常な執着を持っていることがわかり、ユ・ミョンウは、犯人をおびき出すため、古書だけを扱う「記憶書店」を開店するが!?・・ そこに現れた4人の怪しい客ーー
韓国作家の話題の小説
「すべての、白いものたちの」 ハン・ガン(著)
2024年 ノーベル文学賞を韓国人初(アジアの女性初)として受賞
アジア唯一のマン・ブッカー国際賞受賞の韓国作家の代表作
ワルシャワと朝鮮半島をむすぶ、はかなくも偉大ないのちの物語。
Twitter文学賞2020で第5位の「回復する人間」や「菜食主義者」などの作品も。
「別れを告げない」 ハン・ガン(著)
韓国人として初のメディシス賞 受賞作
韓国の文学賞・李箱文学賞も受賞している作家です。
実際の危険を背景にした感動の物語
済州島4.3事件を背景に、生きる力を取り戻そうとする女性の友人同士の再生の物語。
「三十の反撃」 ソン・ウォンピョン(著)
2022年【本屋大賞】翻訳小説部門 第1位
勇気をもらえる傑作感動作。
1988年ソウルオリンピックの年に生まれて30歳になる主人公。平凡に生き、大人になったが本当にしたかったことを考えるように・・そして、ついに「本当の自分」として一歩を踏み出す。
前作「アーモンド」でも2020年【本屋大賞】翻訳小説部門 第1位となっています。
「暗殺コンサル」 イム・ソンスン(著)
第6回 世界文学賞(韓国)受賞作
僕は、サラリーマンの殺し屋。キーボードを叩き、シナリオを描くだけで、会社が暗殺を実行する。そして、高給を受け取る。僕は、リストラのコンサルタントを名乗っている。しかし、唯一、おそろしいのは、会社の存在だが!?ーー
「82年生まれ、キム・ジヨン」 チョ・ナムジュ(著)
2019年Twitter(ツイッター)文学賞【海外部門】第2位
韓国では社会現象にもなり、100万部を超えるベストセラー
映画化もされ、2020年10月9日公開されました。
他にも、短篇集「ヒョンナムオッパへ」や「彼女の名前は」などの作品があります。
超格差社会を描いた長編「サハマンション」も。
「ソヨンドン物語」 チョ・ナムジュ(著)
「82年生まれ、キム・ジヨン」著者の最新作
韓国のベストセラー作家で、マンションを舞台にした連作小説
資産への欲望と持たざる者の希望とは!?・・
「保健室のアン・ウニョン先生」 チョン・セラン(著)
2021年(第1回)「みんなのつぶやき文学賞」第3位
心温まるストーリーと奇想天外な物語。
「フィフティ・ピープル」でも知られる若き作家の小説です。
初のSF短編集となった「声をあげます」では、2022年(第2回)「みんなのつぶやき文学賞」第8位となりました。
「女の答えはピッチにある:女子サッカーが私に教えてくれたこと」 キム・ホンビ(著)
2021年「サッカー本大賞」大賞 受賞作
「千個の青」 チョン・ソンラン(著)
韓国科学文学賞大賞 受賞作
2022年(第2回)「みんなのつぶやき文学賞」第9位
韓国新世代SF作家による近未来小説
「ピンポン」 パク・ミンギュ(著)
著者パク・ミンギュは、現代韓国を代表する作家です。
第8回(2018年)Twitter(ツイッター)文学賞 第2位
中学生男子が卓球で人類存亡を賭けた試合に臨む!?いじめ問題を含みつつ明るく展開する物語。純文学で読みやすいです。
短編集「カステラ」は、自国のシン・ドンヨプ創作賞を受賞しています。
日本翻訳大賞の第1回受賞作でもあります。
「パチンコ」 ミン・ジン リー(著)
「全米図書賞」最終候補作
2021年(第1回)「みんなのつぶやき文学賞」第9位
日本に併合された朝鮮半島、釜山沖の影島。四世代に渡る在日コリアン一家の壮大な物語。
「私は私のままで生きることにした」 キム・スヒョン(著)
韓国で100万部のベストセラー!日韓累計145万部
2019年、2020年に、2年連続で年間ベストセラーにランクイン
韓国の若者を中心に日本でも大反響
「+1cm(プラスイッセンチ)たった1cmの差があなたの世界をがらりと変える」 キム・ウンジュ(著)
韓国・米国で75万部超えのベストセラーが日本上陸
「たった1cm見方が変わるだけで180度世界が違って見える。」そんなポジティブな発想で、仕事、恋愛、人間関係などの人生を変えるアイデアとヒントが満載です。
「あやうく一生懸命生きるところだった」 ハ・ワン(著)
韓国でベストセラー25万部
変わったタイトルの書籍に贈られる「日本タイトルだけ大賞2020」で大賞を受賞しています。
「惨憺たる光」 ペク・スリン(著)
7つの物語の短編集。李箱文学賞、マン・ブッカー国際賞受賞の作家
日本翻訳大賞の候補(ノミネート)作品にもなりました。
「野獣の血」 キム・オンス(著)
韓国初登場1位を記録した映画の原作小説
韓国ノワール
1993年、釜山の港町クアム。やくざ稼業に生きてきた万里荘ホテルの支配人ヒス。港町クアムは、海を挟んだ影島の組織と共存共栄を保ってきたが、ある日、組の所有する工場が襲撃される。影島の組織を疑うヒスは、抗争に巻き込まれていき!?--
「未来散歩練習」 パク・ソルメ(著)
韓国作家による実在した事件を絡めた小説
光州事件、釜山アメリカ文化文化院放火事件を当時の子供の目から描く。今を生きる、未来を思うことを描く長編力作。
韓国小説 【あらすじ&レビュー】
「誘拐の日」 チョン・ヘヨン(著)
娘の手術費のため少女を誘拐する誘拐犯。ところが少女は天才少女で、豪邸に住む両親は死体で発見される。
果たして犯人は誰か!?両親が抱えている過去の秘密とは何か!?・・
話が2転3転する次世代の韓国ミステリー
レビュー
出だしから誘拐犯側が主人公の斬新な設定。
しかも、頼りない誘拐犯が11歳の天才少女に口で言いくるめられる有様。
次々と起こる展開と先が気になる感じで面白かったです。
内容は殺人ミステリでありながらシリアスでなく、どこか韓ドラを読んでいるような暗くない小説でした。
スラスラ読めるいっき読みタイプの読みやすさとストーリーの面白さが、おすすめの韓国ミステリーだと思いました。
「土地」 朴 景利(著)
韓国南部を舞台にした1969年から25年間に渡り書き継がれた大河小説
韓国現代文学の最重要作品のひとつと言われる15巻からなるシリーズ
国民文学として韓国でベストセラーになっている小説です。
時代は、朝鮮王朝末期の1897(明治30)年から始まり、農村地域が舞台で大地主とそこに住む人々の系譜と物語です。
レビュー
登場人物も多く最初は入りずらい箇所もありましたが、壮大で面白かったです。
10巻ありますが読みやすいので、間を空けて途中から読んでも入り込めました。
最近の本じゃないけど、おすすめ
韓国の歴史や文化、風習など古くからのことが勉強になります。もちろん、ストーリーも面白いです。
「全羅南道」など、馴染みのない韓国南部の地域についても知ることが出来ました。
また、本土と済州(チェジュ)島の関係なども見えてきます。
「白丁(ペクチョン)」とか「在日の歴史(流れ?)」とか、タブーに近いと思われる事柄についても勉強になりました。
本土はもちろん、済州(チェジュ)島旅行に行かれる人にもおすすめの韓国文学だと感じました。
「韓国が嫌いで」 チャン・ガンミョン(著)
主人公の韓国人が留学生として韓国を出て、オーストラリアで永住権をとる純文学です。あとがきでは、フェミニズム小説となっていました。
レビュー
友達に話しかけるような文体の軽い感じで読みやすく、いっき読み出来るタイプの純文学でした。
160ページ程度の薄い冊子で、韓流ドラマの語りかけのような感じです。
短い時間で、軽い感覚で読める小説としておすすめです。
韓国の事情などの記載もあり、都会生活に疲れ、済州島などに1ヶ月行くマンスリー生活や超低出産率、満員電車など、今の韓国のこともわかりました。
2015年、SNSなどで流行った「ヘル朝鮮」という言葉。働いても働いていなくても閉塞感のある韓国の状況から脱出するように、主人公の韓国人はオーストラリアへ留学します。オーストラリアで永住権をとることの難しさなども。