【ノンフィクション本(大宅壮一)賞】歴代受賞作一覧

歴代ノンフィクション賞

歴代(過去)の大宅壮一賞の受賞作を一覧にしています。

優れたルポタージュやノンフィクション本に贈られる賞で最も権威のある大宅壮一賞。

日本文学振興会により、毎年、優れたノンフィクション本に贈られています。

大宅壮一ノンフィクション賞とは!?

芥川賞や直木賞を発表している日本文学振興会が、優れたノンフィクション本に贈る賞

ノンフィクション部門の芥川・直木賞とも言われています。

正式には、「大宅壮一ノンフィクション賞」となっています。

 

ノンフィクションの意味は!?

ノンフィクションは、史実や記録に基づいた文章や映像となります。

取材者やジャーナリストが現地に取材に行き、報告することをルポタージュと言います



歴代の受賞作品(ノンフィクション大賞)

2024年 受賞作

「鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折」 春日 太一(著)

日本を代表する脚本家・橋本忍の評伝

「羅生門」「七人の侍」「私は貝になりたい」「白い巨塔」「砂の器」「八甲田山」「八つ墓村」など歴史的傑作、黒澤映画などの誕生秘話など圧倒的筆力の1冊

 

2023年 受賞作

「黒い海 船は突然、深海へ消えた」 伊澤 理江(著)

2008年、太平洋上で碇泊中の中型漁船が沈没し、17名の犠牲者を出した事件のノンフィクション

未解決のまま時が流れた未解決事件

 

2022年 受賞作

「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」 鈴木 忠平(著)

名将・落合博満の実像に迫る1冊

中日ドラゴンズで監督を務めた8年間。2007年には、日本一にも輝き、日本シリーズには5度選出された落合博満の実像に迫る。

 

「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」 樋田 毅(著)

1972年の早稲田大学文学部構内。「川口大三郎君事件」と言われる学生の虐殺がきっかけに、一般学生が自由を求めて蜂起し、学外にも暴力が吹き荒れて!?ーー

 

2021年 受賞作

「女帝 小池百合子」 石井 妙子(著)

女性初の都知事である小池百合子を追ったルポタージュ

「芦屋令嬢」育ち、キャスターから政治の道へ、新型コロナ渦の首都・東京の命運を握る人物のドキュメンタリー

 

2020年 受賞作

「チョンキンマンションのボスは知っている」 小川 さやか(著)

香港の有名な格安宿のチョンキンマンション(重慶大厦)

そのボスと言われているブローカーのタンザニア人を通して、アフリカと香港の中古販売事業や流通などが見えてきます。

 

2019年 受賞作

「八九六四「天安門事件」は再び起きるか」 安田 峰俊(著)

1989年の6月4日、天安門事件に関わった人達を取材したルポタージュです。

“全共闘運動”を取材した民主化デモに参加した人達だけでなく、様々な関わりのあった当事者1人1人にインタビューしている本

 

「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子」 河合 香織(著)

出生前診断の現実に迫ったルポタージュです。

出生前の診断で、これから生まれてくる子の状態を「異常なし」と判断されたにも関わらずダウン症の子が生まれくる・・

医者と医院を提訴した裁判の過程で、障害を理由にした中絶は認められていないという現在の母体保護法と出生前診断を考えさせられる1冊です。

 

2018年 受賞作

「悪だくみ 加計(かけ)学園」 森 功(著)

安倍晋三と加計孝太郎による悪どい悪だくみ。加計学園問題を取材したノンフィクション本です。

2年連続「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞している著者の本

 

読者賞

「石つぶて 警視庁 二課刑事(でか)の残したもの」清武 英利(著)

 

2017年 受賞作

「小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの」森 健(著)

ヤマト運輸元社長で「宅急便」の生みの親、小倉昌男氏を取材した本です。

引退後の晩年、障害者福祉に私財46億円を投じ「ヤマト福祉財団」を創設。

多額の私財を投じた理由とは!?・・

第22回小学館ノンフィクション大賞では、史上初めて選考委員全員が満点をつけたそうです。

 

読者賞

「日本(にっぽん)会議の研究」 菅野完(著)

 

2016年 受賞作

雑誌部門

堤清二 罪と業 最後の「告白」 児玉 博(著)

西武王国を一代で築いた実業家「堤 康次郎」。その息子でセゾングループの総帥だった「堤 清二」が死の1年前に綴った一族の物語。

暴君として家族の前に立ちふさがる弟の義明氏との関係など、華麗なる一族「堤家」崩壊の歴史

 

書籍部門

「原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年」 堀川 惠子(著)

戦後75年を迎える2020年にあって、戦争や原爆を改めて考えさせられる1冊です。



2015年 受賞作

雑誌部門

《ルポ 外国人「隷属」労働者》 安田 浩一(著)

 

書籍部門

「捏造(ねつぞう)の科学者 STAP細胞事件」 須田 桃子(著)

iPS細胞を超える万能細胞として発表されたSTAP細胞

その正体を追い求め、記者が独自の取材で掴んだ全貌を書いたルポタージュ。

何故、一流化学者が揃いながら捏造は起きたのか・・・

 

2014年 受賞作

雑誌部門

「全聾の作曲家はペテン師だった!ゴーストライター懺悔実名告白」 神山 典士(著)

世間を騒がせた2014年のゴーストライター事件。ノンフィクション作家による新垣 隆氏への独占インタビュー記事

作曲家・佐村河内守のゴーストライターをしていた新垣 隆氏の告白本でもあります。

 

書籍部門

「市場と権力―「改革」に憑かれた経済学者の肖像」 佐々木 実(著)

8年に及ぶ取材から浮き上がってくる真実

小泉改革とは何だったのか!? キーマンの竹中平蔵という「経済学者」の存在・・ 郵政民営化を推し進めた政治家、官僚、学者etc..

 

2013年 受賞作

「カウントダウン・メルトダウン(上下)」 船橋 洋一(著)

原発事故の際の政府内部の対応に肉薄した取材本

内閣・官僚機構・東電・アメリカ政府などの意思決定の過程などのやり取りを時系列での取材しています。

 

2012年 受賞作

「つなみ 被災地のこども80人の作文集」森健と被災地の子どもたち

東日本大震災による津波で被災地となった子供たちの作文集です。

20万部のベストセラーになっています。

津波から生き延びた子供達の生の声が聞ける本になっています。

 

「つなみの子どもたち-作文に書かれなかった物語」森健と被災地の子どもたち

作文集「つなみ 被災地の子どもたちの作文集」の舞台裏を明かしている本です。

 

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」 増田 俊也(著)

 

2011年 受賞作

「空白の五マイル ―チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」 角幡 唯介(著)

旅好きにはたまらない未知の領域、秘境のルポタージュです。チベットの奥に広がる人類未踏の地の空白の五マイルを著者自ら旅をした記録です。

 

「ヤノマミ」 国分 拓(著)

「ヤマノミ」と150日間に及ぶ共同生活を綴ったノンフィクション本です。

「ヤマノミ」とは、1万年に渡って奥アマゾンで暮らしている人達のことを言います。

独自の文化と風習を守り続けているヤマノミに迫るルポタージュ

 

2010年 受賞作

「日本の路地を旅する」上原 善広(著)

部落問題、同和問題に迫るルポタージュです。

被差別部落の歴史や成り立ちなどが勉強になります。この本での「路地」とは、被差別部落を指しています。

 

「逝かない身体 ―ALS的日常を生きる」 川口 由美子(著)