2021年(第52回)大宅壮一ノンフィクション賞受賞作|内容レビューも

大宅(ノンフィクション本)賞

第52回(2021年)大宅(ノンフィクション)賞が決定しました。

大宅賞は、ノンフィクション(史実や記録に基づいた)の本に贈られる賞として知られています。

そんな、ノンフィクション本の大賞作品と候補作をまとめています。

ノンフィクション本の賞-大宅賞とは!?

大宅賞は、日本のノンフィクション界で最も長い歴史を持つ賞です。

1969年(昭和44年)、公益財団法人日本文学振興会(株式会社:文藝春秋)の協力を得て、大宅壮一ノンフィクション賞が創設されました。

芥川賞や直木賞を選定している日本文学振興会が、ノンフィクション分野の「芥川賞・直木賞」として賞を授与しています。

対象となるジャンルは、ルポルタージュ、伝記、戦記、ドキュメンタリー、旅行記、内幕もの等のノンフィクション作品となります。

時代や社会を映し出したノンフィクションの本に与えられます。

 

第52回(2021年)大宅壮一ノンフィクション賞 受賞作!

受賞作品

「女帝 小池百合子」 石井 妙子(著)

女帝 小池百合子
コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う政治家・小池百合子。...

女性初の都知事である小池百合子を追ったルポタージュ

「芦屋令嬢」育ち、キャスターから政治の道へ、新型コロナ渦の首都・東京の命運を握る人物のドキュメンタリー

 

最終候補(ノミネート)作品!?

第52回(2021年)最終選考まで残った候補作をご紹介します。

「ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」 片山夏子(著)

 

「エンド・オブ・ライフ」 佐々 涼子(著)

「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」の受賞作でもあります。

 

「ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス」 春名 幹男(著)

 

「一八〇秒の熱量」 山本 草介(著)

 



第51回(2020年)大宅壮一ノンフィクション賞 受賞作!

第51回(2020年)の受賞作品とレビューを掲載しています。

受賞作品

「チョンキンマンションのボスは知っている」 小川 さやか(著)

香港の有名な格安宿である重慶大厦(チョンキンマンション)

1960年代に開発された九龍のネイザンロード(弥敦道) に面して建つ複合ビル。そこのボスだと自称するタンザニア人を通して、アフリカ~香港の流通事情などが書かれています。

 

「チョンキンマンションのボスは知っている」の内容レビュー

ノンフィクション本2.5

内容レビュー

“チョンキンマンションのボス”と言われている、2000年代初頭に香港にやってきたタンザニア人のブローカーを通して、アフリカ~香港の流通ビジネスなどについて書かれています。

重慶大厦(チョンキンマンション)のことを書いているのではなく、”チョンキンマンションのボス”と言われているタンザニア人ブローカーのアフリカ~香港のビジネス流通について書かれた本でした。

タンザニア香港組合の創設者で、現副組合長の中古車ディーラーだそうです。

15ヶ国以上のアフリカ諸国の中古車ディーラーとネットワークを持っている人物で、香港とタンザニアの間の草の根のインフォーマルな中古車ビジネスの開拓者とのことです。

ノンフィクション本

ブローカーの日々のビジネスがわかる内容になっています。

このブローカーを通した顧客は、中古車や中古車部品のほかにも、旺角(モンコク)や女人街でスニーカーや花粉症の薬を購入し、これに輸送料や関税、物流業者までの運転代行費、タクシー代、支払う手数料、航空チケット代や宿泊費を払っても、ダルエスサラーム市で中古車を購入するよりもはるかに安く仕入れることができるそうです。

ノンフィクション本

SNSを使って独自のクラウドファンディングや一種のシェアリング経済のシステムを構築している。

送金システムなど交易システムのTRUSTについても詳しく書かれています。

総評:

個人的にはタイトルから、重慶大厦(チョンキンマンション)の実態や裏事情がわかる本だと思っていたので、少し残念でした。

あと少し、タンザニア人の情報で占められすぎ(偏ってる!?)かな!?とも思わなくもなかったです。タイトルが誤解を招くつけ方だと思いました。

タンザニア人のとの交流記というか、9割近く、そちらからの情報という感じです。

ただ、しっかり読んでみると、売春を生業とするアフリカ系女性たちのことなど、なかなか知りえない世界の裏情がわかり、ノンフィクション本としての面白さがなくはなかったです。

香港~アフリカ間の流通やビジネスのことについては少し勉強になりました。

チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学
チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学

 

2020年ノンフィクション本賞の最終候補作品

第51回(2020年)大宅賞の最終選考まで残った候補作4冊をご紹介します。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 ブレイディみかこ(著)

「Yahoo!ニュース|本屋大賞2019 ノンフィクション本大賞」「毎日出版文化賞 特別賞」受賞作品。

ビジネス書の中から読者が最も有意義だと感じた作品を選んで投票する「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020 リベラルアーツ部門」でも第1位に選ばれています。

教養書としても人気で、子育て世代、中学生、大学生からも支持の高い1冊です。ノンフィクション本ですが、幅広い世代から支持を得ています。

 

「安楽死を遂げた日本人」 宮下 洋一 (著)

先頃、ニュースになり、話題になった出来事のルポタージュ本です。

NHKスペシャルでも放送され、反響を呼びました。安楽死を求めてスイスに渡った日本人に密着したノンフィクション本です。講談社ノンフィクション賞受賞作

 

「無敗の男 中村喜四郎 全告白」 常井 健一 (著)

中村喜四郎という強烈な個性を炙り出しているノンフィクション本です。

ゼネコン汚職で逮捕され、刑務所帰り後も当選し続け、現在も現役の「選挙の鬼」と言われる男の独白本です。絶対に選挙に落ちないと言われています。

 

「聖なるズー」 濱野 ちひろ (著)

動物性愛者「ズー」と言われる人々について書かれた本です。

著者自身も性暴力に苦しんだ経験を持ち、動物をパートナーとして愛することもあるというかなり重い内容です。

セックス、差別、フェミニズム、暴力や虐待の問題などについて考えさせられる本です。 第17回開高健ノンフィクション賞受賞