【オーストラリアが舞台の小説15冊】Novels set in Australia

オーストラリア小説

オーストラリアが舞台になっている小説をまとめています。

イギリス文学や先住民文学など、多文化社会のオーストラリア文学の名作や最近の警察ミステリーものです。

名作からエンターテイメント色の強いものまで、12冊を掲載しています。

オーストラリア文学

広大な大地、砂漠など、オーストラリアといえば大自然を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

警察小説やミステリーでも、オーストラリアならではの気候や自然をテーマにした小説が多いように感じます。

また、先住民文化やイギリスから入植してきたイギリス人の文学など、多文化社会というのも特徴です。

当初は、イギリス文学が主流だったようで、その後、先住民文学などがオーストラリア文学に幅と深みを与えたと言われています。

 

オーストラリアが舞台の小説

「異境」 デイヴィッド・マルーフ(著)

異境
現代企画室
発売日:2012/3/1

1993年度ニューサウスウェールズ州首相賞受賞作

オーストラリア現代文学の傑作のひとつと言われています。

19世紀のオーストラリア、アボリジニに育てられた白人の男、言葉を取り戻し、少しずつヨーロッパの側に帰ろうとするが・・・

 

「ボニーとアボリジニの伝説」 アーサー・アップフィールド(著)

オーストラリアが舞台の本格ミステリ

「Man of Two Tribes」(56年)で、英国推理作家協会賞シルバー・ダガー賞を受賞

アボリジニとも親交があった作家による〈ナポレオン・ボナパルト警部〉シリーズ

 

「闇の河 THE SECRET RIVER」 ケイト・グレンヴィル(著)

闇の河
現代企画室
発売日:2016/1/21

オーストラリア文学史上屈指の国民的ベストセラーと言われています。

植民初期のオーストラリアに辿り着く夫婦。一家で移り住んだ未開の地と思われた場所には、先住民が・・

 

「少年は世界をのみこむ」 トレント・ダルトン(著)

2019年オーストラリアで最も売れた小説です。(オーストラリアでは50人に1人が読んでいるそうです。)

オーストラリアABIA 年間大賞受賞作

シドニー、メルボルンに次ぎ、オーストラリア第3の都市ブリスベンが舞台の青春冒険小説(教養小説の要素も有)です。

 

「潤みと翳り」ジェイン・ハーパー(著)

↓下記、読了レビューにも書いた「渇きと偽り」の続篇です。

オーストラリアの大自然の中の閉鎖空間。設定は本格ミステリー風ですが、謎解きは平凡です。

 

「渇きの地」 クリス・ハマー(著)

渇きの地
早川書房
発売日:2023/9/19

オーストラリアの田舎町の秘密ミステリ

オーストラリアの田舎町。銃乱射により、牧師が5人を殺して射殺される。記者のマーティンは、取材をするが、牧師をかばう住民が多いことに気づく・・ しかし、1人の老人が「住民を信じるな」と言い!?ーー

 

「ザ・バット 神話の殺人」 ジョー・ネスボ(著)

デビュー作でガラスの鍵賞受賞作です。

新進気鋭のノルウェー作家として北欧ミステリーの作品が人気です。

オーストラリアで起きた連続女性殺人の捜査にあたるノルウェー刑事、容疑者が2転3転します。

オーストラリアでの人種差別の歴史や白人の侵略など

 

「忘れられた花園」 ケイト・モートン(著)

オーストラリアABIA年間最優秀小説賞受賞

「湖畔荘」で有名なオーストラリア人作家ケイト・モートンの第2作です。

「湖畔荘」は、「このミステリーがすごい!2018年」第4位、ハヤカワの「ミステリが読みたい」第2位になっています。

 

「ブレス」 ティム・ウィントン(著)

ブレス
現代企画室
発売日:2013/12/26

オーストラリア西南部の海辺の街、サーフィンを通して出会いと青春の物語

オーストラリアの人気作家の自伝的物語。

 

「ピクニック・アット・ハンギングロック」 ジョーン・リンジー(著)

1975年のオーストラリアの映画の原作です。

2018年にテレビドラマシリーズ化され、2019年8月から日本でもU-NEXTで配信

オーストラリアビクトリア州。女学校の生徒十数名で近くの”ハンギング・ロック”と呼ばれる岩山へピクニックに出かけます。そんな中、教師がひとり消えてしまい!?・・・

 

「邂逅」シドニー州都警察殺人捜査課) キャンディス・フォックス(著)

オーストラリア推理作家協会賞を2年連続受賞

シドニー近郊の事件に挑む警察小説シリーズの第1弾。

 

オーストラリアが舞台の小説 【あらすじ&レビュー】

「55」 ジェイムズ・デラーギー(著)

ジェイムズデラーギー3.5

54人を殺し、55人目だと言われた被害者が警察に駆け込んできます。しばらくして、もう1人の男も連れてこられますが、その男も襲われたといいます。

2人の男がどちらも被害者だと言い張ります。果たして犯人はどちらか!?・・

その進行と共に、10年前の青年の失踪事件がカットバックで書かれています。

徐々に明らかになる謎と終盤に重なる2つの話という感じです。

レビュー

登場人物も多くなく、終盤までは展開も多いという訳ではありませんが、何故かグイグイ読めてしまいます。

文章自体は、オーストラリアの風景描写や情報が多いという訳ではありません。

しかし、終盤に入り、全体を大きく捉えると、オーストラリアの過酷な大自然の奥地(アウトバック)がよく感じられる小説でした。

終盤の謎解き(動機)もなかなか面白く、物語(ミステリー)を楽しみたいという人にはおすすめだと思いました。

最後の1ページの終わり方もなかなかモヤっとして面白く、最後まで駆け抜けられる読みやすさがありました。

西オーストラリアのパース周辺の大自然、アウトバック(奥地)の過酷さが少しづつ感じられるミステリーでした。

分量が多いながら読みやすいので、1週間かからず読了出来てしまいました。

55
早川書房
発売日:2019/12/19

 

「渇きと偽り」 ジェイン・ハーパー(著)

オーストラリア小説3.0

英国推理作家協会ゴールドダガー、バリーなど11冠と話題になりました。

オーストラリアの深刻な干魃(かんばつ)が背景にあるフーダニットミステリー

小さい田舎町で起きた事件、渇きの気候と小さい町の密接な人間関係ゆえの問題。

レビュー

オーストラリアミステリの傑作とか11冠などの触れこみが気になり、読みましたが、犯人探し以外の深みがありませんでした。

オーストラリアの田舎町の小さな町と狭い人間関係での犯人探しという感じでした。

個人的には、犯人探しの妙を感じず、それ以外の描写も少ないので、読了まで苦痛に感じることもある飽きのくる感じでした。