北アイルランドが舞台の人気警察小説シリーズを中心に掲載しています。
北アイルランドはアイルランド共和国とは違い、イギリスの一部となります。
複雑に絡み合う宗教関連など、歴史と共に楽しめる小説となっています。
北アイルランドが舞台の小説
「ミルクマン」 アンナ・バーンズ(著)
2018年ブッカー賞(イギリス最高峰)受賞作
ディストピア小説
1970年代に北アイルランドの首都ベルファストに生まれた18歳の少女。
北アイルランド紛争を背景に、狭いコミュニティの話
「北アイルランド」が舞台の人気警察小説シリーズ
エイドリアン・マッキンティの「刑事ショーン・ダフィシリーズ」
北アイルランド紛争など、時代背景や国際情勢が絡んだミステリーです。
実在したスパイがモデルなど、現代史としてもおすすめの警察小説です。
最新作
「ポリス・アット・ザ・ステーション」 エイドリアン・マッキンティ(著)
2022年6月にシリーズ第6弾となる最新作が発売されています。
「レイン・ドッグズ」 エイドリアン・マッキンティ(著)
2017年エドガー(アメリカ探偵作家クラブ)賞最優秀ペイパーバック部門受賞作
北アイルランドが舞台の警察小説「コールド・コールド・グラウンド」に始まるショーン・ダフィシリーズの第5作目です。
【あらすじ&レビュー】
「コールド・コールド・グラウンド」エイドリアン・マッキンティ(著)
81年の北アイルランド紛争下の警察小説
エイドリアン・マッキンティのデビュー作で第1作目となります。
レビュー
対立のカソリックとプロテスタント、アイルランド共和軍(IRA)とアルスター防衛同盟(UDA)の歴史的背景が複雑に絡まる謎が面白かったです。
実在の人物モデルが存在するというのも、全くの創造物ではなくて良かったです。
最後の方までどうなるかわからず、最終ページまで期待しながら読むことが出来ました。
ポリティカル(政治的)な要素も満載で、国際情勢の勉強にもなる秀逸なスパイミステリー警察小説と言えるのではないかとと思います。
国際情勢、近代史的にも激推ししたい1冊です。
面白かった。星5つ
あとがきなどを読むと、かなり史実に近い感じで執筆しているのではないかと感じました。
「サイレンズ・イン・ザ・ストリート」エイドリアン・マッキンティ(著)
警察小説第2弾です。
レビュー
デビュー作が凄く良かったので期待して読みました。
「フォークランド紛争」の時代背景が触れ込みだったから期待しましたが、物語とは関係がなく、物足りなさを感じました。
「コールド・コールド・グラウンド」には及びませんでした。
ただ、ストーリーはそこそこ面白かったです。
「アイル・ビー・ゴーン」 エイドリアン・マッキンティ(著)
ショーン・ダフィシリーズ第3弾となります。
オーストラリア推理作家協会賞受賞作 密室殺人ものです。
「ガン・ストリート・ガール」 エイドリアン・マッキンティ(著)
第4弾で、2020年10月15日に発売となりました。
富豪の夫妻が殺され、息子が自殺する中、犯人を追ううちに真相が分かってきます。
レビュー
不安定な北アイルランド情勢を背景に、途中くらいから人間関係の繋がりが見えてきて、複雑な事情が出てきてから面白くなってきます。
1985年レーガンとサッチャーの時代、アングロ=アイリッシュ協定など政治背景挟みつつ。ロイヤリストとIRAの関係なども勉強になりました。
ナショナリスト、リパブリカンなどの説明は巻頭にも1つずつ簡単な説明が書かれていますが、小説内でもユニオリスト、ロイヤリストなどの北アイルランドならではの事情が見えてきます。
コールド・コールドグラウンドと同じように、最後に政治的ネタばらしあり、最後まで興味を持って読み進められました。
北アイルランドの複雑な情勢!? 簡単なおさらい
アイルランド島には、アイルランド共和国と北アイルランドという国があります。
1970年代~1990年代に起きた北アイルランド紛争は、90年代に沈静化され、1998年に「ベルファスト合意」で包括和平合意となりました。
しかし、現在でも根本にはカトリックとプロテスタントの意識の対立(精神的な壁)は大きいと言われています。
カトリック系住民とプロテスタント住民の対立は、アイルランド共和軍やアルスター防衛同盟(UDA)、アルスター義勇軍などの武力組織や右派組織、右派民兵組織の地域紛争となりました。
「コールドコールド・グラウンド」は、この北アイルランド紛争を時代背景にした警察小説です。
映画では、「ハンガー」がハンガーストライキを描いていましたが、以前にも「デビル」というアイルランドのテロをテーマにした映画もありました。