【スコットランドが舞台の小説】エディンバラ、グラスゴー

スコットランド小説

英国からの独立問題に揺れる英北部のスコットランド。

そんな、スコットランドの文学やミステリなどの小説をまとめています。

エディンバラ、グラスゴー、アバディーンなどが舞台の小説です。

スコットランド・ミステリ

「蘇る男」 イアン・ランキン(著)

[2001年] エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長篇賞 受賞作

《リーバス警部シリーズ》第13作

スコットランドのエディンバラ警察の警察小説。

エディンバラとグラスゴー近郊の2つの物語。

上司と対立し暴力を振るってしまったリーバス警部は、警察官再教育施設に放り込まれる。。そこには同じく上司に歯向かい、施設送りにされた5人の刑事がいた・・

 

リーバス警部シリーズは未訳も含め、第21作目まで発表済み。

1997年に発売の第8作「黒と青」は、英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞を受賞

 

「花崗岩の街」 スチュアート・マクブライド(著)

[2006年] バリー賞新人賞 受賞作

スコットランド第3の港湾都市アバディーンを舞台にしたミステリ

著名な建築物の殆どが花崗岩で作られているため「花崗岩の街」と呼ばれているアバディーン。 雨が多く、うっそうとした雰囲気も秀逸。

エディンバラ、グラスゴーに次ぐ港湾都市の描写が豊富なデビュー作。

休職から復帰したローガン・マクレイ刑事は、水路に浮かぶ幼児の死体を発見する。その後も、街では幼児が次々と姿を消す。。連続殺人鬼が徘徊しているのか!?・・

作家の最新作は「獣たちの葬列」です。前作「獣狩り」から2年後を描いたスコットランド東部が舞台の警察小説。

獣たちの葬列
ハーパーコリンズ・ジャパン
発売日:2021/10/15

 

「ダークマター スケルフ葬儀社の探偵たち」 ダグ・ジョンストン(著)

[2020年] マッキルヴァニー賞 最終候補作

スコットランド発、ブラックユーモア・ミステリ

エディンバラで100年続くスケルフ葬儀社。10年前からは探偵業も営んでいるが、当主のジムが亡くなる。70歳の妻ドロシーは、ジムのある秘密を知ってしまう。。45歳バツイチの娘ジェニーは、解雇通告を受け、20歳の孫娘のハナは、フラットメイトのメルの失踪で衝撃を受ける。3世代の女達は、それぞれの「案件」を解決しようと奔走するが!?・・

美しい街を舞台にくり広げられる、女3世代のミステリ。

 

「血塗られた一月」 アラン・パークス(著)

スコットランドのグラスゴーが舞台の警察ミステリ

1973年、グラスゴー。刑事のハリー・マッコイは、少女射殺事件の捜査に挑み、事件の裏の巨悪に触れるが!?--

 

「悪魔が唾棄する街」 アラン・パークス(著)

スコットランド、グラスゴーが舞台の警察小説

1973年、グラスゴーでの一人の少女の失踪事件。ハリー・マッコイ刑事は、捜査から外されてしまう。そんな折、ロックスターの変死事件が起きる。この事件が殺人事件だとわかり、マッコイは、自らを犠牲にして解決を試みるが!?・・

 

「窓辺の愛書家」 エリー・グリフィス(著)

2020年エドガー受賞作「見知らぬ人」著者の翻訳第2作目。

英国ミステリのため全編ではありませんが、中間あたりから終盤にかけて、スコットランド第3の都市アバディーンが舞台となります。

街や風景描写はありませんが、スコットランド人の話し方、「花崗岩の街」という情報、スコットランド作家イアン・ランキンの名前など、所々、アバディーンとスコットランドの情報が挟まれています。



スコットランド文学小説

「スコットランド物語」 ナイジェル・トランター(著)

スコットランド作家による歴史小説

古代ケルト王国~大英帝国頃の19世紀までの長い歴史。

スコットランドの自然環境や人間性、歴史などが豊富な物語。

スコットランド史の入門書としてもおすすめです。

 

「シャギー・ベイン」 ダグラス・スチュアート(著)

[2020年] 英国ブッカー賞 受賞作

1980年代、グラスゴー貧困地区に住む少年シャギー。かつて産業革命の立役者となり、造船所が建設され、経済を発展させたグラスゴーも、今や造船所、炭鉱が閉鎖され、廃れてしまっている。そんな街で生まれ育った性的少数派の少年は、アルコール依存症の母と暮らし、母子の絆、家族のあり方などと向かい合う。。

貧困、宗教確執などの社会問題も含みつつ。

デビュー作でのブッカー賞受賞となっています。

 

「自由の地を求めて」 ケン・フォレット(著)

混乱の時代を映し出す歴史長編

「大聖堂」で知られる巨匠、ケン・フォレットの作品

18世紀後半、スコットランドの炭坑でマックマカッシュは、爆発の危機と未来の見えない状況で労働についていた。。ある日、領主の娘、リジー・ハリムに助けられ、マックはロンドンへと逃亡するが!?・・

 

「ラナーク―四巻からなる伝記」 アラスター・グレイ(著)

スコットランド文学の奇才の最高傑作

30年近い年月をかけ、完成させた小説だと言われています。

ミステリ・ファンタジー・SF・文芸批評・メタフィクションなどの形式が混じった叙事詩

第3巻から始まり、1、2巻と進み、4巻になるという構成。

退廃の都市アンサンクをさまよう記憶を持たないラナークは、奇怪な施設に収容され、陰謀の渦巻く大騒動に巻き込まれるが!?・・

 

「哀れなるものたち」 アラスター・グレイ(著)

ウィットブレッド賞、ガーディアン賞 ダブル受賞作

スコットランドを代表する小説家によるゴシック小説の傑作

19世紀末、グラスゴー。異端の科学者バクスターは、身投げした女性に胎児の脳を移植し、蘇生させるという驚異の手術を成功させる。その女性・ベラは、街を飛び出し旅をしながら成長をとげる。そして、彼女が知った真実とは!?ーー

 

「義とされた罪人の手記と告白」 ジェイムズ・ホッグ(著)

スコットランドが舞台の傑作ゴシック小説

17世紀末スコットランド。領主コルウァンの2人の息子は、別々に育てられる。弟のロバートは、17歳の誕生日に出会った不思議な人物にそそのかされ、罪を重ねていく・・ そして、兄・ジョージとの運命的な対決に!?ーー

 

「いきている山」 ナン・シェパード(著)

いきている山
みすず書房
発売日:2022/10/19

山岳文学で、ネイチャーライティングの名作

舞台は、スコットランド北東部に広がるケアンゴーム山塊。

ほどよく近いアバディーンで生まれたナンは、生涯、山に通い続ける。氷と水の力で削られてできた約4000フィート(1219m)の山々、泉が湧く池や湖。風、土、草花、鳥、虫、雪などの自然の中で山を感じる。。

詩性あふれる文章で自然との交感を語る書。

 

「トレインスポッティング0 スキャグボーイズ」 アーヴィン・ウィルシュ(著)

映画「トレインスポッティング」の前日譚

エディンバラ出身の作家アーヴィン・ウィルシュによる物語。

スキャグ(ヘロイン)に手を伸ばし、絶望的な青春の若者の心情ーー

1984年、格差社会が進行し、未来に不安を抱える若者達。レントンには、アバディーンの大学を卒業して、エディンバラから出て行くという選択肢もあった。しかし、未来の幸福を捨ててしまったレントンは!?・・

 

「世界のはての少年」 ジェラルディン・マコックラン(著)

[2018年] カーネギー賞 受賞作

1728年、大人3人、子供9人を乗せた船が、スコットランドのヒルダ島から海鳥を獲りに無人島へ渡る。しかし、約束の日がきても迎えの船は来ない・・ 厳しい自然の中、少年達は生き延びるために闘うが!?・・

実話をもとに書かれた少年達の勇気と成長の冒険物語。

 

「雲(CLOUD)」 エリック・マコーマック(著)

雲(CLOUD)
東京創元社
発売日:2019/12/20

奇想天外なストーリーの奇譚小説

スコットランド作家の幻想的で一風変わった小説。

旅先で見つけた1冊の古書。「黒曜石雲」という本には、19世紀スコットランドで起きた謎の気象現象が書かれていた。グラスゴーのスラムで生まれた主人公の人生が回想されていく・・

 

「シラー戯曲傑作選 メアリー・ステュアート」 フリードリヒ・シラー(著)

全5幕のシラーの歴史劇

16世紀、スコットランド女王メアリーの生涯「最後の3日間」が舞台

カトリック対プロテスタントの宗教・政治的対立を描いた1冊。

 

おわりに

スコットランド北部にある「シェトランド諸島」のミステリシリーズもまとめています。

シェトランド諸島は、スコットランド自治政府からの独立を目指しています。