【世界の文学賞まとめ】最新の受賞作など有名タイトル

文学賞小説賞

「2年連続ガラスの鍵賞!」とか「ブッカー賞受賞作!」など、「~賞って言われてもわからない・・」という人も少なくないと思います。

日本の「芥川・直木賞」のように世界にも多くの文学賞があります。

そこで、ノーベル文学賞やブッカー賞、ピュリツァー賞など、世界の文学賞についてまとめてみました。

世界の主要な文学賞

世界3大文学賞

ノーベル文学賞

ノーベル文学賞は、ノーベル賞の6部門のうちの1つです。

文学の分野において理念をもって創作し、最も傑出した作品を創作した人物に授与されます。

選考基準として「人類にとっての理想を目指す、世界でも傑出した文学者」を一番前面に出し「人権擁護」を強く意識しているそうです。

世界の文学賞っぽい雰囲気を出していますが、実はかなりヨーロッパよりとのことです。

受賞作!?

ペルーの作家マリオ・バルガス=リョサやコロンビアの作家ガルシア・マルケス、トルコのオルハン・パムク、スイスのヘルマン・ヘッセ、ポーランドのオルガ・トカルチュクなどがいます。

日本では、川端康成と大江健三郎が受賞しています。

 

最新の翻訳されている受賞作は、2022年受賞アニー・エルノーの「シンプルな情熱」です。

 

ブッカー賞

イギリスで最も権威のある文学賞世界的にも権威のある賞の1つです。

選考対象は、イギリス連邦、アイルランド及びアメリカ国籍の著者によって英語で書かれた長編小説です。

その年に出版された最も優れた長編小説に与えられます。

選考方法が厳密でバランスがとれていることから、読書家の人達から最も信頼できる賞とも言われています。

受賞作!?

カズオ・イシグロの「日の名残り」、J・Mクッツェーの「恥辱」などが受賞しています。

どちらもノーベル文学賞作家でもありますが、J・Mクッツェーは2年連続ブッカー賞を受賞しています。

最新の翻訳されている受賞作は、「マーリ・アルメイダの七つの月」です。

 

ゴンクール賞

フランスで最も権威のある文学賞の一つです。

仏ゴンクール賞は、ノーベル文学賞、ブッカー賞と共に、世界3大文学賞と呼ばれています。

毎年、その年の最も独創的な小説などに贈られ、受賞作はフランス文学の代表作として扱われます。

フランスやベルギーなどフランス語圏の文学賞として注目されています。

受賞作!?

翻訳済みの最新の受賞作は、2021年受賞「人類の深奥に秘められた記憶」です。

セネガル出身の作家の受賞作です。


ピュリツァー賞 【フィクション部門】

アメリカ合衆国での新聞、雑誌、オンライン上の報道、文学、作曲などの功績に対して授与される賞です。

ピュリツァー賞の部門の1つに、【フィクション部門】があります。

1948年より【小説部門】が【フィクション部門】の名前に変更。

受賞作!?

古くはヘミングウェイの「老人と海」があります。

 

最新の翻訳作品は、2023年の「トラスト―絆/わが人生/追憶の記/未来―」です。

 

エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)

アメリカ合衆国の推理作家の団体であるアメリカ探偵作家クラブが主催する文学賞です。

前年にアメリカで発表されたミステリの分野の作品から選ばれます。

長編賞や短編賞などいくつかの部門があります。

受賞作!?

古典的な名作として有名なレイモンド・チャンドラーの「ロング・グッドバイ」などが過去に受賞しています。

最新の翻訳されている受賞作は、2023年発売の「死刑執行のノート」です。

 

英国推理作家協会賞(CWA賞)

英国推理作家協会により、その年にイギリスで出版された推理小説から選ばれます。

最優秀長編賞に、「ゴールド・ダガー賞」があります。

ゴールドダガーの賞金は、推理小説の賞金としては世界最高額です。

受賞作!?

翻訳されている最新の受賞作は「われら闇より天を見る」です。

 

ガラスの鍵賞

北欧の文学賞で最も権威があるのがガラスの鍵賞です。

北欧5ヶ国(アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク)の最も優れた推理小説に贈られる文学賞です。

スカンジナヴィア推理作家協会が選別。

1992年に創設された比較的新しい文学賞でもあります。

受賞作!?

北欧ミステリーブームの火付け役でもあるミレニアムシリーズから、「ミレニアム3 ~眠れる女と狂卓の騎士~」が受賞しています。

ガラスの鍵賞と同時にCWA賞など5冠の「許されざる者」などもあります。

翻訳済みの最新の受賞作は、2021年受賞「忘れたとは言わせない」です。

 

全米図書賞

アメリカで最も権威のある文学賞の1つです。

小説・ノンフィクション・詩・児童文学といった部門があります。

いわゆる純文学といわれるジャンルの中で最高の賞となるそうです。

複数の出版社グループにより創設、現在は全米図書協会が運営しています。

受賞作!?

古くはトマス・ピンチョンの「重力の虹」があります。

940ページと重厚なウィリアム・ギャディス の「JR」なども受賞しています。

最新の翻訳されている受賞作は、2018年の「友だち」です。



それ以外の世界的な文学賞

セルバンテス賞

スペイン語圏で最も権威のある文学賞の1つです。

賞金額が高い文学賞で、スペイン語文学に貢献した著者に贈られます。

必ずしもスペインの小説ということではなく、スペイン語で書かれた著作なので、南米(ブラジルを除く)やメキシコなどの中米、カリブ海地域などの著作も対象です。

受賞作!?

アルゼンチンの文豪ホルヘ・ルイス・ボルヘスやメキシコ作家のカルロス・フエンテスなどが受賞しています。

最新の翻訳発売されている受賞作は、2017年のニカラグア作家セルヒオ・ラミレスの「ただ影だけ」です。

 

エルサレム賞

エルサレム国際ブックフェアで表彰される文学賞です。

人間の自由、社会、政治、政府というテーマを扱った著作を執筆している作家が受賞対象です。

エルサレム賞選考委員会により2年に1回開催。

受賞作!?

2019年の受賞者は、アメリカのジョイス・キャロル・オーツでした。

作品には「ジャック・オブ・スペード」があります。

 

フランツ・カフカ賞

チェコの文学賞で、2001年創設の比較的新しい文学賞です。

プラハ出身の作家「フランツ・カフカ」にちなんで、チェコのフランツ・カフカ協会が創設しました。

オーストリアにある団体が行なっているカフカ賞とは別のものとなります。

受賞作!?

2019年の受賞者は、フランスのピエール・ミションでした。

作品に「男性支配」があります。

男性支配
藤原書店
発売日:2017/1/26