2024年のエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ)が2024年5月1日に発表されました。
優れたミステリ小説に与えられる歴史のある文学賞です。
そんな、エドガー賞の歴代受賞作品をまとめています。
2024年(最新)エドガー賞(MWA)受賞作
注目!「破れざる旗の下に」 ジェイムズ・リー・バーク(著)
南北戦争時代のルイジアナが舞台のミステリ
南北戦争下のルイジアナ。伯父の農園で過ごす外科医のウェイドは、戦場での過酷な体験に苛まれていた。一方、殺人容疑をかけられ、農園から脱走した奴隷女性のハンナ。運命に翻弄される彼らが辿り着いた真実とは!?ーー
2023年(最新)エドガー賞(MWA)受賞作
「死刑執行のノート」 ダーニャ・クカフカ(著)
衝撃のサスペンス
アンセル・パッカーの死刑執行まで12時間。殺人事件により、運命が大きく変わった女性達とその視点から見る連続殺人犯の生涯とは!?ーー
【歴代受賞作品】一覧
最優秀長編賞
「真珠湾の冬」 ジェイムズ・ケストレル(著)
ミステリ、恋愛、スパイ、戦争など、様々な要素を含む壮大な物語
1941年、ハワイで白人男性と日本人女性の惨殺事件が起きる。。アメリカ人の刑事は容疑者を追い、ウェーク島、香港~日本に辿り着くが・・ 太平洋戦争の勃発に遭遇し!?・・
1941年~45年までの12月が5回(原題:Five Desember)の物語。
真相を求め、戦渦の太平洋諸国を彷徨う男を描いた大作。
メアリー・ヒギンズ・クラーク賞
「クラーク・アンド・ディヴィジョン」平原 直美(著)
[2022年] エドガー賞(メアリー・ヒギンズ・クラーク)受賞作
「ヒロシマボーイ」でデビューした日系米国人作家の歴史ミステリ
1944年、シカゴ。日系二世のアキ・イトウは、姉のローズがクラーク・アンド・ディヴィジョン駅で列車に轢かれて死んだことを知る。真相を求めて独自に調査を始めるが!?・・
メアリー・ヒギンズ・クラーク賞は、「サスペンスの女王」と言われたメアリ・H・クラークが「主人公が若い女性であること」「その女性の日常が突然冒されること」など7つのガイドラインに定められているそうです。
犯罪実話部門
「ラストコールの殺人鬼」 イーロン・グリーン(著)
2022年 エドガー賞【犯罪実話部門】受賞作
ゲイ差別の実態を炙り出したノンフィクション
1990年代、ニューヨーク。ゲイ男性を次々餌食にし、「ラストコール・キラー」と呼ばれた殺人鬼。男性4人がバラバラ死体で発見される。。深夜の閉店間際のゲイバーから誘い出され、何故、彼らは殺されなければいけなかったのか!?ーー
エイズが猛威を振るった時代背景を含みつつ。
最優秀長編賞
「ブート・バザールの少年探偵」 ディーパ・アーナパーラ(著)
インド社会の闇を描いた傑作
スラム居住区(バスティ)に住む少年から見るインドの現実。
処女長編賞
「塩の湿地に消えゆく前に」 ケイトリン・マレン(著)
2022年1月発売のエドガー賞【処女長編賞】受賞作
オリジナル・ペーパーバック賞
「ブルックリンの死」 アリッサ・コール(著)
ストランド・マガジン批評家賞[最優秀新人賞] 受賞
2022年3月に発売になりました。
最優秀長編賞
「見知らぬ人」 エリー・グリフィス(著)
著者は、英国推理作家協会(CWA)賞の受賞作家でもあります。
英国ミステリらしい作品で、密接な人間関係の中でのフーダニットです。
謎解きミステリが好きな方におすすめ。
英語教師が殺害される。犯人探しをするうち、殺人がヴィクトリア朝時代の作家ホランドの「見知らぬ人」を利用した見立て殺人だとわかるが!?・・
原題は「The Stranger Diaries」でした。
処女長編賞
「ミラクル・クリーク」 アンジー・キム(著)
エドガー賞[最優秀新人賞]&国際スリラー作家協会[最優秀新人賞] 二冠
オリジナル・ペーパーバック賞
「ホテル・ネヴァーシンク」 アダム・オファロン・プライス(著)
リアルサウンド認定[2021年度]翻訳ミステリーベスト10【第1位】
「流れは、いつか海へと」 ウォルター・モズリイ(著)
アメリカの暗部を含んだ探偵小説
刑事時代に何者かにはめられ辞職した元ニューヨーク市警の主人公は現在、私立探偵。黒人ジャーナリストの事件を調べて欲しいとの依頼を受ける。黒人ジャーナリストは警官2名を撃ち殺した罪で死刑宣告されているが、無実を証明して欲しいとのこと。自分をはめた犯人と黒人ジャーナリストの冤罪の2つの事件を同時進行で調べ始めるが!?・・
「ブルーバード・ブルーバード」 アッティカ・ロック(著)
英国推理作家協会スティール・ダガー賞 受賞
【このミステリがすごい!2020年版】海外編 第5位
「晩夏の墜落」 ノア・ホーリー(著)
「地中の記憶」 ローリー・ロイ(著)
「ミスター・メルセデス」 スティーヴン・キング(著)
【このミステリがすごい!2017年版】海外編 第3位
スティーヴンキングの初のミステリー小説とも言える作品です。
「ありふれた祈り」 ウィリアム・K・クルーガー(著)
「夜に生きる」 デニス・ルヘイン(著)
[2013年] アメリカ探偵作家クラブ(エドガー)賞 受賞作
禁酒法時代末期のボストン。ギャングの手下ジョーは、強盗に入った賭博場でエマと出会う。恋に落ちる2人だが、エマは対立組織のボスの情婦だった・・やがて起きる抗争の中で、若者を待つ運命は!? 激動の時代を生きるギャング達の生き様。。
「ミスティック・リバー」の著者が描くアメリカ裏面史
「喪失」 モー・ヘイダー(著)
「解錠師」 スティーヴ・ハミルトン(著)
【このミステリがすごい!2013年版】海外編 第1位
英国推理作家協会(CWA)賞 スティール・ダガー賞 受賞作
犯罪の世界に生きる少年の成長小説
8歳の時に、ある出来事から言葉を失ってしまったマイク。そんな彼は、どんな鍵も開くことが出来る才能があった。高校生になったある日、プロの金庫破りの弟子になる。やがて、芸術的な腕前の解錠師になるが!?ーー
エドガー賞受賞作 【あらすじ&レビュー】
「流れはいつか海へと」 ウォルター・モズリィ(著)
探偵小説
レビュー
ミステリというよりは、探偵小説という感じです。
ヘロイン流通や売春、悪徳警官、人種差別など、巨大都市ニューヨークの片隅で起こっている街の暗部が見えてくる感じがありました。
比較的薄い冊子で、気軽にいっき読みのできる1冊でした。
エドガー(MWA)賞とは!?
エドガー(MWA)賞は、アメリカの文学賞で、優れたミステリー小説に与えられる賞です。
別名:「アメリカ探偵作家クラブ賞」とも言われます。
前年にアメリカで発表されたミステリーが対象となっています。
エドガー賞の名前の由来は、推理小説の始祖でもある文豪エドガー・アラン・ポーにちなんでいます。
アメリカ(米国)の推理作家の団体であるアメリカ探偵作家クラブによって発表されます。
古くは、レイモンド・チャンドラーの「The Long Goodbye(長いお別れ)」やジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」などの受賞作があります。
どんな部門がある!?
- 長編部門
- 処女長編部門
- 短編部門
- オリジナルペーパーバック部門
- ヤングアダルト部門 etc..
【最優秀長編部門】が、一般的に馴染みがあるかもしれません。
「生か、死か」マイケル・ロボサム(著)の読了レビューも書いています。
バザールや地下鉄を捜索するうち、想像を遙かに超える現実が・・