【ロードノベル20選】旅をしたくなる小説物語

ロードトリップノベル

旅気分を味わえるロードノベルを中心にまとめました。

飛行機の中で、鉄道で、宿で、旅をしながらバックパックに携帯したい小説です。

そんな、旅とリンクするロードノベルをまとめました。

海外作家のロードノベル

名作ロードノベル

「ザ・ロード」 コーマック・マッカーシー(著)

[2007年]ピュリッツァー賞 受賞作

ロードノベルの傑作

2023年6月逝去のアメリカ文学の巨匠、コーマック・マッカーシー代表作

荒れ果てた大陸を漂流する親子の旅路。

映画「ノーカントリー」の原作者としても知られています。

 

「オン・ザ・ロード」 ジャック・ケルアック(著)

ケルアックの名作とも言われている1冊です。

大陸アメリカを車で突っ走るロードノベルです。

カウンターカルチャー花開く時代の50年代~60年代。作家と親友の2人は、自由を求めてアメリカ大陸を車で疾駆する。

ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、パターソンなど。

 

「ロードマークス」 ロジャー・ゼラズニイ(著)

60年代、アメリカSF界を牽引した作家、ロジャー・ゼラズニイの傑作

緊迫のロードノヴェル

レッド・ドラキーンは、トラックのドライバーで、過去と未来を行き来できる「道」を疾走していた。しかし、彼を暗殺するため、「黒の十殺」が追いかけ!?・・

 

「ここではないどこかへ」 モナ・シンプソン(著)

ロードノベルの古典的傑作

著者は、スティーヴ・ジョブズと生き別れになった妹

12歳の娘アンをハリウッドの子役スターにするため、アデルとアンの母娘は、白いリンカーン・コンチネンタルでウィスコンシン~カルフォルニアへ向かう。アメリカン・ドリームを追って旅する女達の疾走感ある物語・・

 

「アルケミスト」 パウロ・コエーリョ(著)

ブラジルの作詞家・小説家のパウロ・コエーリョによるロードノベル

スピリチュアル小説とも言われています。

羊飼いの少年がアンダルシア~エジプトのピラミッドに向けて旅に出ます。アフリカの砂漠を越え、その過程の中で人生の知恵を学んでいく..

著者の他の作品に「星の巡礼」など。



近年のロードノベル

「とむらい家族旅行」 サマンサ・ダウニング(著)

「殺人記念日」著者の最新作

アメリカ横断ドライブのロード・サスペンス

ベス達兄妹は、亡き祖父の遺産を相続するため、20年前のアメリカ横断の旅を再現する。しかし、その旅には秘密が!?--

 

「リンカーン・ハイウェイ」 エイモア・トールズ(著)

少年4人の旅と成長を描くロードノベル

刑務所から出た18歳のエメット。母が暮らしているサンフランシスコに弟と向かうが、車を悪友2人に奪われてしまう・・ 車をとり戻すため、エメットは弟と共にニューヨークに向かうが!?ーー

 

「11月に去りし者」 ルー・バーニー(著)

英国推理作家協会(CWA)賞 イアンフレミングスチール・ダガー賞

2020年(第11回)「翻訳ミステリー大賞」受賞

翻訳ミステリー大賞では、ドン・ウィンズロウの「ザ・ボーダー」やアンソニー・ホロヴィッツの「メインテーマは殺人」を抑えての受賞。

ニューオリンズに始まり、ルート66を通り、セドナのあるフラッグスタッフに寄り、ラスベガスへと向います。

途中で立ち寄るのがモーテルやダイナーで、アメリカの雰囲気(空気感)を感じられるクライムロードノベルです。

 

「東の果て、夜へ」 ビル・ビバリー(著)

CWA(英国推理作家協会)のゴールドダガー賞(最優秀長篇賞)ほか、3冠達成

「このミステリがすごい!2018年版」第3位

少年の成長物語でもあるクライムロードノヴェルです。

LA(ロサンゼルス)からウィスコンシンへ2000マイルに及ぶ長い旅。仲間と共に、標的の裏切り者を殺しに行くために・・

 

「拳銃使いの娘」 ジョーダン・ハーパー(著)

アメリカ探偵作家クラブ(エドガー賞)最優秀新人賞

「このミステリーがすごい!2020年版」第2位

11歳のポリーの前に、刑務所帰りの実の父親が突然現れる。ギャング組織を敵に回した父親は、自らと娘の命を守るため逃亡の旅に出るが・・

 

「ひとり旅立つ少年よ」 ボストン・テラン(著)

「bookaholic認定2019年度翻訳ミステリー・ベスト10」 第3位

少年の冒険譚であり、成長物語でもあります。

1850年代のアメリカ、南北戦争などの歴史的背景と奴隷制度(人種差別)絡みのロードノベル

ブルックリンからオハイオ、シンシナティ、ケンタッキー、ルイビルを経て、中西部を横切り目的地ミズーリまでを辿る

 

「夕陽の道を北へゆけ」 ジャニーン・カミンズ(著)

メキシコ~アメリカまで。ロードノベルらしい作品。

麻薬カルテルの力の及ばない北を目指す。

メキシコのアカプルコ。書店を経営し、幸せに暮らすリディアの日々が麻薬カルテルにより親族16人を殺されて一変する。たった1人生き残った息子を連れて、貨物列車の屋根に飛び乗りアメリカへ!?・・

 

「メイスン&ディクスン」 トマス・ピンチョン(著)

アメリカを南北に分断する国境線「メイソン&ディクソン線」を測量するため旅立つ珍道中(ロードノベル)

実在した天文学者チャールズ・メイスンと測量士、アマチュア天文学者のジェレマイア・ディクスンの2人の名がついた境界線は、南北戦争時代の北部と南部の州の間の分割のラインとなった。

ピンチョン作品の中では比較的、読みやすい小説だと言われています。

 

「ぼくとペダルと始まりの旅」 ロン・マクラーティ(著)

隠れた名作とも言われる自転車ロードノベル

天涯孤独になったスミシーは、姉の眠るLAへと自転車を漕ぎ出す。

独身、仕事は退屈、オタクで半分ひきこもり。酒とジャンクフード。そのうえ、突然の事故で両親を亡くし姉までも・・。後悔ばかりの人生は逆転できる!? 大陸横断旅行の行方は!?

魂を揺るがす感動の物語。 (「奇蹟の自転車」からの改題)

 

「旅の終わりに」 マイケル・ザドゥリアン(著)

旅の終わりに
東京創元社
発売日:2017/12/20

人生を考えさせられる傑作、老人ロード・ノベル

アルツハイマーの夫と末期癌の妻。自分の死後の夫の身を案じた妻は、愛用のキャンピングカーで、ルート66を辿る旅を決意する。夫の記憶が突然戻ったり、強盗に対峙したり、老夫婦2人の旅は!?--

映画「ロング、ロングバケーション」原作

 

「濃霧は危険」 クリスチアナ・ブランド(著)

濃霧は危険
国書刊行会
発売日:2023/2/25

イギリス南部ダートムアが舞台の冒険小説

レデヴン館の相続人ビル・レデヴン少年は、親の命で休暇を過ごすため、目的地に向かっていたが、途中の荒れ地で運転手に車からつまみ出される。。ビルは荒れ地を彷徨ううち、少年パッチと知り合い、2人は行動を共にするが!?・・

英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家と言われる著者の作品。

 

「脱出記」 スラヴォミール・ラウイッツ(著)

12カ月間、6500キロの過酷な行程のノンフィクション小説

映画化もされています。

第2次大戦中、無実の罪でシベリア収容所に入れられた主人公が脱走。飢え、脱水、蛇やサソリの恐怖と戦いながら過酷な行程を行くが..

実話ですが小説風。シベリアからインドまで、モンゴルのゴビ砂漠を通過し、ヒマラヤを越えて歩いた男達の物語。

 

「戦場のアリス」 ケイト・クイン(著)

戦場のアリス
ハーパーコリンズ・ ジャパン
発売日:2019/3/15

第一次大戦下、暗躍した伝説の女スパイを題材にした歴史ミステリー

題名や題材が歴史ミステリーの印象が強くなっていますが、フランス北部のロードノベル感が強い作品です。

いとこを戦時中、殺された理由をフランスで探す若い女性。同行している年配の女性が戦時中に経験したスパイ活動と関わった人達。2つの話が交互に語られます。



国内作家のロードノベル

「夏色ジャンクション」 福田 栄一(著)

隠れた名作とも言われている青春ロードノベル

ミニバンで生活する失意の青年、おちゃめな老人、ヒッチハイクで青森を目指すアメリカ娘の3人の熱い夏。

山形まで、3つの人生を乗せてミニバンは北へ走る!?・・

 

「幸せジャンクション」 香住 泰(著)

幸せジャンクション
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2023/1/27

未来への勇気が湧いてくるロードノベル

勤務先の会社が突然、倒産してしまった浜浦遼二。退職金代わりのキャンピングカーで人助けの旅が始まる。。浜浦には、10年前のある秘密があるが、3泊4日のキャンピングカーの旅はどうなる!?・・

突然やってきた人生の分岐点、心が温まる旅物語

 

「ペーパー・リリイ」 佐原 ひかり(著)

氷室冴子青春文学賞 大賞受賞作家の新作

爆走青春ロードノベル

17歳の高校2年生・野中杏は、結婚詐欺師の叔父に育てられている。。夏休みの朝、叔父に300万円だまし取られた女性キヨエが家にやってくる。杏は、家から500万円を持ち出し、キヨエと一週間限定の旅に出るが!?--

 

「旅する練習」 乗代 雄介(著)

[2022年] みんなのつぶやき文学賞【国内編】第2位

第164回芥川賞候補作

サッカー好きの姪とおじの徒歩でのロード・ノベル。

千葉県の我孫子~鹿島アントラーズの本拠地へ利根川沿いを徒歩の旅。

利根川の野鳥の風景描写、文豪の情報など秀逸な作品。

 

「地べたを旅立つ」 そえだ 信(著)

2020年(第10回)アガサ・クリスティー賞 受賞作

ミステリー要素もあるロードノベル

札幌から姪のいる小樽まで約30キロ、北海道の警察署刑事課勤務の主人公は車にはねられ、気づいた時にはロボット掃除機になっていたが!?・・

 

「くるまの娘」 宇佐見りん(著)

くるまの娘
河出書房新社
発売日:2022/5/11

芥川受賞作家の新境地

久しぶりの車中泊の旅をする17歳のかんこ達一家。ままならない家族の根源の関係があぶり出るが!?・・

家族小説であり、ロードノベルとも言える1冊。