SFが読みたい!【2024年版】第1位~10位ランキング結果

早川書房が毎年発行しているSF小説のランキングのガイドブック「SFが読みたい!」

その「SFが読みたい!2024年版」のランキング順位を掲載しています。

発表された【ベストSF2023】の国内篇&海外篇のトップ10作品です。

国内編【ベストSF2023】ランキング順位

第1位

「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」 高野 史緒(著)

[2024年] 星雲賞 受賞作

茨城県・土浦が舞台の青春SFの新たな金字塔

夏紀と登志夫。別々の2021年を生きる2人には、幼い頃「グラーフ・ツェッペリン号」を見たという記憶があった。そんな、夏紀のもとへ電子メールで思いがけない返信が届き!?・・

 

第2位

「わたしたちの怪獣」 久永 実木彦(著)

短編として初めて日本SF大賞候補作になった全4編の短編集

わたしは、怪獣が暴れる東京に、お父さんの死体を棄てにいく・・ 妹が父を殺してしまい、立ち尽くす姉妹。その時、テレビからは、東京湾に怪獣が出現したとの緊急ニュースが流れていて!?・・「わたしたちの怪獣」など..

 

第3位

「ときときチャンネル 宇宙飲んでみた」 宮澤 伊織(著)

新感覚の動画配信者SF

目指せ!チャンネル登録者数1,000人!

「ときときチャンネル」を配信サービスで始めた十時(ととき)さくら。同居人で、マッドサイエンティスト・多田羅未貴(たたらみき)の発明を紹介し、収益を目指す。配信口調と視聴者コメントで語られる、新感覚の1冊。

 

第4位

「走馬灯のセトリは考えておいて」 柴田 勝家(著)

奇想と文化人類学が混じる6編のSF傑作集

「走馬灯のセトリは考えておいて」ー この世(人が死後に自らのライフログから分身を遺せるようになった未来)を卒業するバーチャルアイドルのラストライブを舞台裏から描く。「オンライン福男」ー コロナ渦で、ウェブに移行した神事がVR空間上の超巨大競技へ変化していく。など..

 

第5位

「あなたは月面に倒れている」 倉田 タカシ(著)

【奇想/幻想/未来SF】9編を収めた独立短編集

「二本の足で」ー近未来SF、変貌を遂げた日本社会を、若者達の視点から描いた作品。「あかるかれエレクトロ」ー幻想小説、独特の浮遊感漂う作品。「夕暮にゆうくりなき声満ちて風」ー実験小説、タイポグラフィを駆使した作品など..

 

第6位

「禍」 小田 雅久仁(著)

禍
新潮社
発売日:2023/7/12

このホラーがすごい!2024年版【国内編】第1位

7編からなる短編ホラー小説

「残月記」で第43回(2023年)日本SF大賞受賞を受賞した作家の恐怖の到達点。

 

第7位

「シュレーディンガーの少女」 松崎 有理(著)

ディストピア世界で生きる女性達を描いた短編集

健康至上主義社会。数学の使用を禁じ、刑を処す王国。全ての65歳にプログラムされた死が訪れる世界。「Zウィルス」によるパンデミックが起きた渋谷の街・・ 様々なディストピア世界で生きる、コミカルでダークな物語。

 

第8位

「回樹」 斜線堂 有紀(著)

回樹
早川書房
発売日:2023/3/23

死と葬送にまつわる6編のSF短編集

特殊な世界観や設定の作品集。「回樹」ーありふれた愛の顛末を描く、「骨刻」ー骨の表面に文字を刻む技術、「BTTF葬送」ー100年前の映画への鎮魂歌など..

 

第9位

「アナベル・アノマリー」 谷口裕貴(著)

サイキックSF4編の連作中編集

ただ存在するだけで、全てを変容させることができる「少女禍」。それは、世界を歪め、滅ぼす。アナベルという少女が殺され、その呪いが世界を覆う・・ 他、「獣のヴィーナス」「魔女のピエタ」など..

 

第10位

「AIとSF」 日本SF作家クラブ(編)

AIとSF
早川書房
発売日:2023/5/23

日本SF作家クラブ編集の書き下ろしアンソロジー第3弾

22人の日本SF作家が描く、人工知性の最前線の物語

AIと人類の未来とは!?ーー 画像生成AI、ChatGPTなどの対話型AI、チャットボット、AIカウンセラーからシンギュラリティまで。



海外編【ベストSF2023】ランキング順位

第1位

「チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク」 ジョン・スラデック(著)

英国SF協会賞 受賞作

ロボット・ピカレスク

ロボットのチク・タク。人間の安全のため、ロボット達には三原則を遵守させる「アシモフ回路」が組み込まれていたが、チク・タクには回路が作動していなかった。やがてチク・タクは、人間への「実験」(殺人、強盗、扇動など)を開始し!?・・

 

第2位

「最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選」 ジェフリー・フォード(著)

世界幻想文学大賞7回、シャーリイ・ジャクスン賞4回、MWA賞、ネビュラ賞など数多の賞に輝く作家

このホラーがすごい!2024年版【海外篇】第6位

現代幻想文学の巨人の14篇

町に残される奇妙な印に潜む魔術的陰謀を孤独な男女が追うーー「最後の三角形」、コーヒー味を通してのみ互いを認識できる少年と少女の交流を描くーー「アイスクリーム帝国」(ネビュラ賞受賞作)など。

 

第3位

「ガーンズバック変換」 陸 秋槎(著)

「元年春之祭」で知られる華文作家の最新作

ネットへの視覚的なアクセスを遮断する規制が敷かれた香川県からやってきた女子高生の大阪観光サイバーパンクーー表題作「ガーンズバック変換」

全8篇からなる短篇群。

 

第4位

「文明交錯」 ローラン・ビネ(著)

文明交錯
東京創元社
発売日:2023/3/30

アカデミー・フランセーズ小説大賞 受賞作

「HHhHー1942年」で、[2010年]仏ゴンクール賞【最優秀新人賞】受賞、[2014年] 本屋大賞第1位(翻訳小説部門)の著者によるSF小説

スリリングな歴史改変小説

スペインがインカ帝国を征服ではなく、インカ帝国がスペインを征服していたら!?・・ 鉄、銃、馬、病原菌への免疫をインカ帝国が持っていたら!? ヨーロッパ全体は、世界はどう変わっていたのか!? 架空の逆転世界を描く。

 

第5位

「美しき血 竜のグリオールシリーズ」 ルーシャス・シェパード(著)

〈竜のグリオール〉シリーズ最終作

動かぬ巨竜グリオール。彼の身体には、川が流れ、村があり、体内では四季が巡る。動かない巨体は、未だ謎が多い。グリオールの血液を研究していたロザッハーは、竜の血から精製した麻薬で、財を成す。しかし、彼は、決して逃れられない巨竜の思念に翻弄され!?・・

 

第6位

「SFの気恥ずかしさ」 トマス・M・ディッシュ(著)

書評・エッセイを集成したSF評論集

「SFの気恥ずかしさ」ーSFの限界と可能性を論じた名講演。「レイバー・デイ・グループ」ー新世代SF作家を批判した伝説的評論。「聖ブラッドベリ祭」ー書評家として燃やすべき本について語った。など..

 

第7位

「輝石の空」 N・K・ジェミシン(著)

輝石の空
東京創元社
発売日:2023/2/13

ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞 受賞作

3年連続ヒューゴー賞受賞の3部作 完結編

「第五の季節」に始まる破滅SF小説。

超大陸スティルネス。天変地異〈第五の季節〉により、数百年ごとに文明を滅ぼしてきた世界。古代絶滅文明が残した巨大な力で世界を救おうとする母。一方、世界を破壊しようとする娘。地球の裏側にある古代文明の遺跡都市を巡り、最期の旅が始まるが!?ーー

 

第8位

「怪獣保護協会」 ジョン・スコルジー(著)

[2024年] 星雲賞 受賞作

[2023年] ローカス賞 受賞作

アメリカ発の傑作怪獣SF

2020年。パンデミックの最中、ジェイミーは会社を解雇される。昔の知人に紹介された仕事は、体長150mの怪獣を保護する仕事だった!・・ ジェイミーは驚きながらも「怪獣保護協会」の一員として、絶滅の危機にある彼らを保護する。しかし、地球からやってきた億万長者により、怪獣惑星と地球に危機が迫り!?・・

 

第9位

「未来省」 キム・スタンリー・ロビンスン(著)

未来省
パーソナルメディア
発売日:2023/9/19

人類 vs 気候変動の近未来小説

2025年、国連に、通称「未来省」が設立される。大熱波により、2,000万人が犠牲に・・ 新しいテクノロジーで、沸騰化する地球を救えるのか!?ーー

 

第10位

「時ありて」 イアン・マクドナルド(著)

時ありて
早川書房
発売日:2022/11/16

英国SF協会賞 受賞作

時を超えてさまよう2人の男の物語

古書ディーラーのエメット・リーは、閉店する書店の在庫から詩集「時ありて」を手にする。その古ぼけた詩集には、1枚の手紙が挟まれていた。それは、第2次世界大戦を生きた2人の男、トムとベンの人生が刻まれていた。エメットは、その手紙の謎を追ううち、2人の人生の迷宮をさまよい!?・・