日本歴史時代作家協会賞の「作品賞」の歴代受賞作品をまとめています。
日本歴史時代作家協会(旧・歴史時代作家クラブ)により主催され、時代・歴史小説に贈られる文学賞です。
史実に沿った作品なども多く、歴史の勉強にもなる小説が多くあります。
日本歴史時代作家協会賞【作品賞】歴代受賞作 一覧
2024年度(第13回) 作品賞 受賞作
「佐渡絢爛」 赤神 諒(著)
[第14回] 本屋が選ぶ時代小説大賞 受賞作
佐渡金銀山に隠された秘密とは!?ーー
時は元禄。金銀産出の激減に苦しむ佐渡で、立て続けに怪事件が起こる。36名が命を落とす落盤事故、能舞台で磔(はりつけ)にされた斬死体.. 振矩師(ふりがねし)の静野与右衛門は、事件の真相解明を命ぜられるが!?・・
2023年度(第12回) 作品賞 受賞作
「上海灯蛾」 上田 早夕里(著)
夜に生きる男達を描いた上海ピカレスク
1934年上海。「魔都」と呼ばれる地に、成功を夢見て来た日本人青年の吾郷次郎。彼のもとに、謎めいた日本人女性が訪ねてくる。その女性が持ち込んだのは、極上の阿片と芥子の種。。次郎は、阿片の売買を通じて上海の裏社会へ深く踏み入っていくが!?・・
「まいまいつぶろ」 村木 嵐(著)
第九代将軍・徳川家重を描く傑作歴史小説
歩いたあとに尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろ(カタツムリ)と蔑まれた君主がいた。小姓・兵庫は、ただひとり、側につかえる。しかし、老中らの企みが2人を襲い!?・・
2022年度(第11回) 作品賞 受賞作
「琉球建国記」 矢野 隆(著)
琉球王国の黎明期を描く歴史小説
15世紀、琉球王国。勝連半島の役人の加那(阿麻和利)は、民衆に悪政を強いる勝連城主を倒す。新たに按司となり、繁栄をもたらす。一方、国王となった尚泰久と側近の金丸は、失脚させるための計略をめぐらすが!?・・
琉球王朝の興亡を史実に沿って描いたそれぞれの生き様。
「高く翔べ-快商・紀伊國屋文左衛門」 吉川 永青(著)
江戸随一の材木商へのし上がった天才商人の生涯
元禄。文吉は、故郷の紀州で商人を志す。しかし、許嫁の死を機に、江戸を目指すが!?-- 故郷を蜜柑の商いで救い、莫大な富を得ながらも一代で店を閉じた謎多き紀伊國屋文左衛門の生き様とは!?・・
2021年度(第10回) 作品賞 受賞作
「千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女」 武川 佑(著)
デビュー作「虎の牙」で歴史時代作家クラブ【新人賞】を受賞した著者の歴史小説
室町幕府6代目将軍・足利義教。「くじ引きで選ばれた」将軍と会うことで、茶屋で給仕をする娘・小鼓(こつづみ)の運命が変わる。小鼓の故郷坂本の町を都から来た高僧・青蓮院義圓(後の義教)が焼き払う。。義圓は、小鼓の父を追い、坂本までやってきたらしい・・ 何故、しがない足軽の父の命が狙われるのか!?-- 小鼓は、自らの力で戦場を渡り歩き、父の謎を追うが!?・・
2020年度(第9回) 作品賞 受賞作
「まむし三代記」 木下 昌輝(著)
戦国史を根底から覆す長編時代小説
国盗りの大望を秘め美濃・土岐家内でのし上がる法蓮房。その子で、美濃の蝮と呼ばれた斎藤道三。その子の義龍の三代に渡る壮大な大河物語。国盗りの武器「国滅ぼし」とは!?--
2019年度(第8回) 作品賞 受賞作
「雑賀のいくさ姫」 天野 純希(著)
戦国の海洋を舞台にした傑作歴史ロマン
雑賀、村上、毛利、大友、島津。戦国の西国大名オールスター水軍が、日本を狙う海賊と闘う! イスパニアのイダルゴ(騎士)の家系に生まれたジョアン。乗り込んだ船の難破で、紀伊雑賀のいくさ姫、鶴に拾われる。鶴は、ジョアンと共に商いのため、南洋に向かうが、海賊や大名の思惑がからみ合い!?・・
「青山に在り」 篠 綾子(著)
川越を舞台に幕末の人々の生き様を描いた傑作時代小説
将来を嘱望される13歳の少年・小河原左京。川越藩筆頭家老の息子として学問と剣術、いずれにも長けている。ある日、城下の村の道場で、自分と瓜ふたつの少年と出会う。一揆、農兵の導入など、激動の時代を迎えつつある中、ある武士に彼らの出自が疑われるが!?・・
2018年度(第7回) 作品賞 受賞作
「鳳凰の船」 浮穴 みみ(著)
北海道開拓期に名を刻んだ者達を描いた5編
明治初期の函館。仏壇師としてひっそり暮らす続豊治は、かつて洋船造りの名匠と言われていた。若き船大工との邂逅で再び、奮い立つが!?・・(表題作) 初代北海道庁長官・岩村通俊など、北海道開拓期に名を刻んだ者達を描いた短編集。
「おもちゃ絵芳藤」 谷津 矢車(著)
幕末~明治の時代に活躍した絵師達の歴史小説
江戸っ子に人気を博した浮世絵を描く絵師達が、西欧化の波で時代が変わる中、絵を描き続けるーー
文久元年(1861)大絵師・歌川国芳が亡くなる。国芳の弟子・芳藤は、葬儀を取り仕切ることになる。そこに、馴染みの版元・樋口屋がやってきて「国芳の追善絵を企画するから、絵師を誰にするかは一門で決めてくれ」と言われ!?・・
2017年度(第6回) 作品賞 受賞作
「白村江」 荒山 徹(著)
[2017年] 歴史・時代小説ベスト10(週刊朝日)第1位
本屋が選ぶ時代小説大賞2位
朝鮮半島の歴史を描いた歴史大河小説
660年、唐・新羅連合軍により百済は滅亡する。王とその一族は長安に送られ、遺された王族は倭国に亡命していた豊璋ただ一人となる。新羅、高句麗、倭。それぞれの国の思惑が入り乱れ!?・・ 大化の改新、朝鮮半島の動乱、白村江の戦い、歴史の裏でうごめく陰謀とは!?--
2016年度(第5回) 作品賞 受賞作
「ヨイ豊」 梶 よう子(著)
絵師、歌川一門の2代目・国貞を描いた物語
広重、国芳と並び「歌川の三羽烏」と言われた花形絵師・三代豊国が亡くなる。歌川の大看板・豊国がいない今、誰が歌川を率いるのか!?・・ 三代豊国の弟子、清太郎は、才能あふれる弟弟子がいるが!?--
時代のうねりに抗う浮世絵師達の物語
「若冲」 澤田 瞳子(著)
天才絵師・伊藤 若冲の生涯を描いた時代小説
京は錦高倉市場の青物問屋枡源の主・源左衛門 ー 伊藤若冲は、妻を亡くした後、ひたすら絵に打ち込む。池大雅、与謝蕪村、円山応挙らとの交流、贋作を描き続ける義弟・弁蔵との確執など、若冲の生涯に迫る。
京画壇を席巻した天才を描いたベストセラー小説。
2015年度(第4回) 作品賞 受賞作
「かたづの!」 中島 京子(著)
柴田錬三郎賞 受賞作
河合隼雄物語賞 受賞作
王様のブランチブックアワード2014大賞
江戸時代唯一の女大名の一代記
慶長5年。根城南部氏当主直政の妻・祢々は、片角の羚羊と出会う。そんな折、直政や幼い嫡男・久松が不審な死を遂げる。次々とやってくる困難に祢々は立ち向かうが!?・・
実在した南部八戸の女大名の生涯とは!?--
「乱丸」 宮本 昌孝(著)
美しき若武者から見た大望の物語
織田信長が天下布武を決意した年、森乱丸は、美濃・金山城に生をうける。やがて、信長の側近くに小姓として侍ることになる。共に歩む近習衆、名だたる戦国武将達。主君の大望を果たすため、乱丸は自らの命を賭ける!?-
2014年度(第3回) 作品賞 受賞作
「捨ててこそ 空也」 梓澤 要(著)
醍醐天皇のご落胤「空也上人」の生涯を描いた小説
平安時代中期。都を出奔した空也。醍醐天皇の皇子ながら寵愛を受けられず、市井に生きる聖となる。阿弥陀仏信仰で苦しむ人々を助けようと、仏の救いと生きる意味を探し求めていくーー
親鸞や一遍上人の先駆をなした聖の生涯とは!?-
2013年度(第2回) 作品賞 受賞作
「義烈千秋 天狗党西へ」 伊東 潤(著)
幕末の水戸藩を描いた歴史長編
開国から10年。貿易の激化で、北関東の民は困窮していた。。水戸藩士・藤田小四郎は、外敵を掃おうと各地に書状を放つ。若き志士達が集まり、筑波山で挙兵、するが幕府の討伐軍が迫り来る。。 内部分裂、犠牲を払いながら山越えをし、一橋慶喜に志を訴えるべく京を目指すが!?--
「日御子」 帚木 蓬生 (著)
卑弥呼の時代、九州北部を舞台に、通訳をつとめた一族の物語
代々、使譯(通訳)を務める「あずみ」一族の子・針。那国が「金印」を授かった時の話を聞き、超大国・漢の物語に思いを馳せる。10数年後、針は、伊都国の使譯(通訳)として漢の都へ出発するが!?--
那国 → 伊都国 → 邪馬台国と古代日本を描いた歴史小説。
2012年度(第1回) 作品賞 受賞作
「煬帝」 塚本 青史 (著)
中国歴史ロマン大作
隋帝国を2代で滅亡させた皇帝。聖徳太子が贈った遣隋使の手紙に激怒したことでも知られる暴君の波乱に満ちた生涯・・ 聡明で美しい少年が、中国最凶の暴君に!?--
隋帝国を破滅させ、「中国最強の暴君」と言われた皇帝の生涯。
「四十八人目の忠臣」 諸田 玲子(著)
NHK時代劇ドラマ「忠臣蔵の恋 ~四十八人目の忠臣~」の原作
歴史に名を残した側室を描く新たな忠臣蔵
将軍の母・月光院。きよは、礒貝十郎左衛門のため、47人の赤穂浪士の討ち入りを助け、赤穂浅野家再興を目指した実在の女性。