【日本翻訳家協会賞】歴代受賞作品一覧・優秀な翻訳書を出版した出版社と優れた翻訳をされた翻訳者に贈られる賞

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日本翻訳家協会賞の歴代受賞作品を一覧でまとめています。

【日本翻訳文化賞】は、毎年、優れた翻訳をされた翻訳者に贈られる賞です。

【日本翻訳出版文化賞】は、優秀な翻訳書を出版された出版社に贈られる賞です。

【日本翻訳文化賞】歴代受賞作一覧

2023年(第60回) 受賞作

「血の畑 宗教と暴力」 カレン・アームストロング(著)

宗教学研究書

宗教学者のカレン・アームストロングによる宗教に関する研究書。古今東西の神話と宗教を取り上げ、政治的背景を考察する。宗教には、暴力が内在するのか!? 自爆テロ、戦争、歴史、政治と宗教の結び付きなど、豊富な知識で紐解く1冊。

 

日本翻訳出版文化賞

「評伝 ポール・ヴァレリー」 ミシェル・ジャルティ(著)

フランスの詩人、ポール・ヴァレリーの生涯を描いた伝記

ポール・ヴァレリーの生涯をたどりながら、フランスの歴史的事件(ドレフュス事件、第一次世界大戦、第二次世界大戦)などを描き出す。

19世紀~20世紀半ばヨーロッパの政治・経済・社会・科学・文明を織り込む時代絵巻。

 

「M.M.ドブロトヴォールスキィのアイヌ語・ロシア語辞典」 寺田 吉孝・安田  節彦(著)

サハリンで採録したアイヌ語辞典の翻訳

19世紀中頃迄に世に出たアイヌ語彙を網羅。自らサハリンでアイヌの人々と接する著者が、医者として、隣人として、アイヌの言語、文化をまとめた表現が満載。

 

2022年(第59回) 受賞作

「ケルト人の夢」 マリオ・バルガス=リョサ(著)

ノーベル文学賞作家の一大叙事詩

アイルランド独立運動に身を捧げたロジャー・ケイスメント。

1916年、大英帝国の外交官だった男は死刑にされるが、植民地主義の恐怖を暴いた英雄であった。。フィクションと事実がおりなす物語。

 

日本翻訳出版文化賞

「家の馬鹿息子 5:ギュスターヴ・フローベール論」 ジャン‐ポール・サルトル(著)

人間について何を知ることができるのか!?ーー

人間理解の方法を示そうとした作家の20世紀思想の記念碑的作品。

 

2021年(第58回) 受賞作

「シェイクスピア全集」 W・シェイクスピア(著)

シェイクスピア最高傑作の新訳

固い復讐を誓うデンマークの王子ハムレット。父王の亡霊から、叔父と母の計略により殺されたことを知る。しかし、復讐を遂げるが、自らも毒刃に倒れる・・ 脚注・解説・年表付き。

 

日本翻訳出版文化賞

「クララとお日さま」 カズオ・イシグロ(著)

ノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロの最新作

AIと少女の友情を描いた感動作

AIを搭載したロボットのクララと病弱な少女。2人の友情は深まっていくが!?ーー 生きることの意味を問う傑作。

 

2020年 受賞作

「ルネ・シャール全集」 ルネ・シャール(著)

フランスの代表的詩人ルネ・シャールの全集

現代社会の危機的様相と希望。闇の中に希望の火を灯するフランス詩の知性と感性。

 

日本翻訳出版文化賞

「ラルース ギリシア・ローマ神話大事典」 ジャン=クロード・ベルフィオール(著)

ギリシャ神話・ローマ神話の全貌を網羅した最新・最大の事典

神々、英雄達の世界、地名、ギリシア、ローマの文化など、豊富な図版や引用で浮き上がらせる文芸作品。

 

「世俗の時代」 チャールズ・テイラー(著)

世俗の時代
名古屋大学出版会
発売日:2020/6/10

「世俗」「世俗化」について描かれた大著

「世俗とは!?」ー 宗教が干渉しない、できない領域

近代化の特徴のひとつとされる「世俗化」。信仰や霊性と共に生きている人々。神信仰はいかにして個人の選択肢のひとつになったのか!?ーー 宗教、哲学、思想など、歴史的展望から描き出す。

 

2019年 受賞作

「オーストリア文学の社会史:かつての大国の文化」 ヴィンフリート・クリークレーダー(著)

オーストリア地域の文学通史

旧ハプスブルク帝国の文化・伝統を引き継ぎ、19世紀以降、諸芸術、文化的遺産などを最新の視点で記載した通史。 オーストリアを知れる1冊。

 

日本翻訳出版文化賞

「死とは何か」 ミシェル・ヴォヴェル(著)

プロヴァンスの革命史家ヴォヴェルの代表作

死の世界とは!?ーー 宗教、哲学、文学、科学等の文献と膨大な資料をもとに、中世~現代までの西洋世界が、「死」とどう向き合ってきたか!?の歴史的全貌。

 

「JR」 ウィリアム・ギャディス(著) 木原善彦(翻訳)

JR
国書刊行会
発売日:2018/12/21

第27回 全米図書賞 受賞作

2019年(第5回)日本翻訳大賞 受賞作

金融ブラックコメディで、世界文学の傑作「ユリシーズ」やノーベル文学賞作家ガルシア=マルケスの「百年の孤独」、トマス・ピンチョンの「重力の虹」に比肩する世界文学の最高傑作とも言われています。

全940ページもあり、1.2キロの重さから、2018年に読書界を震撼させたウィリアム・ギャディスの傑作です。

 

2018年 受賞作

「日本美術の歴史 補訂版」 辻 惟雄(著)

日本美術史の補訂版

日本美術史の第1人者、辻惟雄さんによる日本美術の通史

縄文時代から、現代までの美術の特質を網羅した1冊。平安、鎌倉、室町、江戸など、その時代の美術を、研究動向をふまえて解説。 漫画、アニメまで..

 

日本翻訳出版文化賞

「原典 ルネサンス自然学」 池上 俊一(著)

「科学的人文主義」の精華を伝えるアンソロジー

30人の代表的な自然学者のテクスト。医学、化学、解剖学、地理学、天文学、数学、錬金術、工学、力学、農学、植物誌、動物誌、料理術 etc..

 

2017年 受賞作

「イスラム帝国夜話」 タヌーヒー(著)

イスラム世界最古の逸話集の全訳(全2冊)

10世紀。アッバース帝国の首都バグダートで執筆された逸話集。繁栄の時代、イスラム社会の様子が記される数々のエピソード。アラビアンナイトにも影響を与えたと言われている1冊。

 

日本翻訳出版文化賞

「イザベラ・バードと日本の旅」 金坂 清則(著)

イザベラ・バード研究の第一人者による入門書決定版

地理学者のバードと日本の旅を正確に翻訳

19世紀の大英帝国の旅行家、探検家であるイザベラ・バードの日本の旅。鋭い観察眼で、そこに暮らす人々や地域、場所を刻んでいく希代の旅行家。

 

「グリム兄弟言語論集—言葉の泉」 千石喬・木村直司・福本義憲・岩井方男・重藤実・岡本順治・高田博行・荻野蔵平・佐藤恵(訳)

全400ページに迫るグリム兄弟の言語思想

グリム兄弟の言語思想は、言語を考古学、歴史学への門戸と考え、人間精神を追求するものだった。ドイツの国民的業績とされる「ドイツ語辞典」、「ドイツ語文法」など。

 

「哲学的急進主義の成立 I:べンサムの青年期」 エリー・アレヴィ(著)

英国社会思想史の金字塔

1900年代初頭にフランスで生まれた不滅の古典。近代西欧の政治経済思想の総括。思想体系は、経済改革、憲政理論、刑法、道徳哲学などにどういう革新をもたらしたのか!?

 

2016年 受賞作

「グノーシスと古代末期の精神 第一部 神話論的グノーシス」 ハンス・ヨナス(著)

グノーシス主義を扱った記念碑的大著

グノーシス主義の思想運動。この宗教的・哲学的含意とは何だったのか!?・・ 東方的な要素と古代ギリシア思想の水脈から解明する。第二次大戦とホロコーストに至った西洋文明の対峙。

 

日本翻訳出版文化賞

「トーマス・マン日記」 トーマス・マン(著)

ノーベル文学賞作家トーマス・マンによる4年の記録

生前、自らの「古い日記」を、焼却炉で焼いているトーマス・マンの1918年~1921年までの日記。

 

「笑いの日本文化」 樋口 和憲(著)

笑いの日本文化
東海教育研究所
発売日:2013/6/1

日本の「笑いの文化」の始まりとは!?ーー

日本文化の源流に分け入り、「笑い」の起源や歴史的変容を執筆した労作。

 

「日本のアジア外交:二千年の系譜」 小倉和夫(著)

日本とアジアの抗争の背景

大和朝廷、平安貴族、鎌倉幕府、秀吉から明治初期の征韓論までの外交。

 

「秋田蘭画の近代―小田野直武「不忍池図」を読む」 今橋 理子(著)

「解体新書」の挿図を担当した画家・秋田蘭画派・小田野直武

近代を先取り、再発見された絵画思考とは!?ー

江戸時代、平賀源内に洋画法を学び、何を意図してこの画を描いたのか!?ー

 

2015年 受賞作

「活動的生」 ハンナ・アーレント(著)

活動的生
みすず書房
発売日:2015/6/26

哲学的著「人間の条件」のドイツ語版からの新訳

アーレント思想の核心である現代の古典

「人間の条件」にみられたわかりにくさを、著者自ら手を加え、翻訳によって生まれ変わった1冊。

 

日本翻訳出版文化賞

「フランス民話集」 金光仁三郎・山辺雅彦・福井千春・渡邉浩司・本田貴久・林健太郎訳(訳)

フランス民話集
中央大学出版部
発売日:2012/3/1

 

「ローマ政治家伝」 マティアス・ゲルツァー(著)

ローマ政治家伝
名古屋大学出版会
発売日:2013/8/10

世界帝国の創造を跡づける「ローマ政治家伝」シリーズ

第1巻のカエサルから、ポンペイウス、キケロなど、全3巻からなるローマ社会全体を見据えた古典的名著。

 

日本翻訳文化賞と日本翻訳出版文化賞とは!?

・ 「日本翻訳文化賞」は、優れた翻訳をなされた翻訳者を対象とした賞です。

・ 「日本翻訳出版文化賞」は、優秀な翻訳書を出版の出版社を対象とした賞です。