新に新設された賞「みんなのつぶやき文学賞」についてまとめました。
前身である「Twitter(ツイッター)文学賞」をさらに発展させ、長く愛されることを目標にしているそうです。
第1回受賞作、ランキングとあわせて掲載しています。
「みんなのつぶやき文学賞」とは!?
「みんなのつぶやき文学賞」は、投票期間内に(ツイッター)で投票できる「誰でも投票に参加できる文学賞」の精神を受け継いだ賞です。
2020年に、10年間行われてきた「Twitter(ツイッター)文学賞」が終了しました。
その「Twitter文学賞」を継承し、新たな文学賞として「みんなのつぶやき文学賞」の創設が発表されました。
純文学、ミステリ、SF、ホラー等々、ジャンルは問わないとのことです。
第1回「みんなのつぶやき文学賞」 受賞作品
【海外編】
第1位:20票
「ザリガニの鳴くところ」 ディーリア・オーエンズ (著) 友廣 純 (翻訳)
本屋大賞2021【翻訳小説部門】受賞
「このミステリがすごい!2021年版」で第2位、「ミステリが読みたい!2021年版」で第3位
2019年、アメリカで最も売れた小説です。
ノースカロライナの湿地で成長する少女。火の見櫓(やぐら)から落下した死体。
ミステリーの要素を持ちつつも、自然描写、生き物の描写が素晴らしい小説。
第2位:17票
「三体 黒暗森林」 劉 慈欣 (著) 大森 望 (翻訳) 立原 透耶 (翻訳)
中国SFの大ヒット作「三体」の続編
「三体」は、SF界で最も名誉ある賞の1つヒューゴー賞をアジア初で受賞しました。
第3位:14票
「保健室のアン・ウニョン先生」 チョン・セラン (著) 斎藤 真理子 (翻訳)
韓国文学の新鋭「フィフティ・ピープル」の著者による新刊
心温まるストーリーと奇想天外な物語
第4位:13票
「フライデー・ブラック」 ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー (著) 押野 素子 (翻訳)
【第7回】日本翻訳大賞の最終選考対象作品5冊にも選ばれています。
ブラックユーモアたっぷりの全12編からなる短編
ブラック・フライデーをもじったタイトル
アフリカ系アメリカ人の理不尽や大量消費社会など、現代アメリカの姿がわかる1冊
第5位:11票
「誓願」マーガレット・アトウッド (著) 鴻巣友季子 (翻訳)
世界3大文学賞の1つ、イギリスのブッカー賞受賞作
「侍女の物語」続篇
第6位:10票
「ラスト・ストーリーズ」ウィリアム トレヴァー (著)
全10篇からなる短編集
人間観察の繊細とストーリーテリングの秀逸な作品です。
第7位:9票
「あの本は読まれているか」ラーラ・プレスコット (著) 吉澤 康子 (翻訳)
各種年末ミステリランキングのランクイン常連作品
発禁処分となったボリス・パステルナークの「ドクトル・ジヴァゴ」。
冷戦下のアメリカでその「ドクトル・ジヴァゴ」を利用した作戦が決行されたが!?・・
第8位:8票
「ディディの傘」 ファン・ジョンウン (著) 斎藤 真理子 (翻訳)
「セウォル号沈没事故」「キャンドル革命」といった韓国社会の激変を背景に、人として生きることの意味を問う小説
朝鮮戦争などについても。
「ライフ・アフター・ライフ」 ケイト・アトキンソン (著) 青木 純子 (翻訳)
イギリス、アイルランド在住の作家に与えられるコスタ賞受賞作
2段組の重厚な作品
パラレルワールドを生きるイギリス女性の人生の物語
「ダフォディルの花:ケネス・モリス幻想小説集」 ケネス・モリス (著) 館野浩美 (翻訳) 中野善夫 (翻訳)
29の幻想物語
詩人・神智学者らしく、東西の神話、伝説、動植物、鉱石、天の神秘など大地に題材を得た文学的な作品
「秋」 アリ スミス (著) 木原 善彦 (翻訳)
EU離脱に揺れるイギリスの使節で眠る老人とカレを見舞う美術家の女。
かつて隣人だった2人の人生は、60年代の女性アーティストを介し再び交錯するが!?・・
第9位:7票
「パチンコ」 ミン・ジン リー (著) 池田 真紀子 (翻訳)
全米図書賞 最終候補作
韓国文学。日本に併合された朝鮮半島、釜山沖の影島。4世代に渡る在日コリアンの壮大な物語
「言語の七番目の機能」 ローラン・ビネ (著) 高橋 啓 (翻訳)
記号学的ミステリ
ゴンクール賞最優秀新人賞を受賞した「HHhH」(プラハ、1942年)の著者の新刊
第10位:6票
「語りなおしシェイクスピア 1 テンペスト 獄中シェイクスピア劇団」 マーガレット・アトウッド 鴻巣 友季子訳
シェイクスピアの名作を語りなおすシリーズ第一弾
「彼女の体とその他の断片」 カルメン・マリア・マチャド 小澤 英実 / 小澤 身和子 / 岸本 佐知子 / 松田 青子訳
全米批評家協会賞ほか..
女性作家の15作。今、注目の作家の全8編収録のデビュー短編集
【国内編】
第1位:21票
「百年と一日」 柴崎 友香
第2位:19票
「ババヤガの夜」 王 谷晶 (著)
2021年、日本推理作家協会賞の最終選考作品5冊にも選出されています。
第3位:18票
「持続可能な魂の利用」 松田 青子 (著)
第4位:17票
「ピエタとトランジ <完全版>」 藤野 可織 (著) 松本 次郎 (イラスト)
芥川賞作家によるガールズ・エンターテイメント
スリル×サスペンス×友情の物語
第5位:14票
「星に仄めかされて」 多和田 葉子
全米図書賞、芥川賞作家の国境を越えた物語
日本人で初めてドイツのクライスト賞を受賞した作家としても知られています。
第6位:12票
「未知の鳥類がやってくるまで」 西崎 憲
全10作の短篇集
SF、幻想的味わいと本をめぐる物語
「おおきな森」 古川 日出男
第7位: 9票
「るん(笑)」 酉島伝法
第8位: 8票
「観念結晶大系」 高原 英理
「暗闇にレンズ」 高山 羽根子
「首里の馬」で芥川賞を受賞している著者の新刊
「最高の任務」 乗代 雄介
「自転しながら公転する」 山本 文緒
本屋大賞2021の第5位にもランクインしています。
第9位: 7票
「サキの忘れ物」 津村 記久子
「推し、燃ゆ」 宇佐見 りん
第164回(2020年下半期)芥川賞受賞作
推し活に励む女子高生が主人公の純文学
デビュー作「かか」で【三島由紀夫賞】最年少受賞の21歳の作家。
ある日突然、推しが炎上し――。芸能人・俳優・アイドルなどの通称「推し」。そんな推しを愛することに生活をささげる高校生あかり。ある日突然、推しがファンを殴った・・
第10位: 6票
「坂下あたると、しじょうの宇宙」 町屋 良平
「ホテル・アルカディア」 石川 宗生
「御社のチャラ男」 絲山 秋子