2024年度のノーベル文学賞が2024年10月10日(木)に発表されました。
歴代の受賞者の代表的な小説と併せて一覧にしています。
過去のノーベル文学賞の受賞者の小説やエッセーなども掲載しています。
2024年度【ノーベル文学賞】受賞者
2024年の受賞者は、韓国人作家のハン・ガンさんに決定しました。
韓国人初で、アジア女性としても初の受賞となりました。
「菜食主義者」 ハン・ガン(著)
【2016年】国際ブッカー賞を受賞し、アジア初の受賞作
韓国の文学賞・李箱文学賞 受賞作
済州島4.3事件を背景にした「別れを告げない」で、韓国人として初のメディシス賞を受賞するなど、今、勢いのある作家の代表作で短編集。
「すべての、白いものたちの」 ハン・ガン(著)
ワルシャワと朝鮮半島をむすぶ、はかなくも偉大ないのちの物語。
Twitter文学賞2020で第5位になった「回復する人間」などの作品もあります。
【歴代受賞者】ノーベル文学賞作家
「だれか、来る」 ヨン・フォッセ(著)
フィヨルドを臨む古びた家にたどり着いた「彼」と「彼女」はーー
ノルウェーの劇作家である「ヨン・フォッセ」氏が受賞しました。
劇、小説、エッセー、子供向けの本など、様々な著作を残されている人物です。
ノルウェーの人の約10%しか使用しないというニーノシュク(新ノルウェー語)で執筆している貴重な作家とのことです。
「シンプルな情熱」 アニー・エルノー(著)
映画化もされています。(2021年7月公開)
年下男性との愛の体験を赤裸々に綴ったベストセラー小説
金獅子賞受賞映画の原作「事件」と元恋人への盲執を描く「嫉妬」などー
「楽園」 アブドゥルラザク・グルナ(著)
1994年度ブッカー賞最終候補作
20世紀初頭、タンザニアを舞台に、少年ユスフの成長を描く小説。植民地や両大戦間時期の東アフリカ沿岸地域の歴史的な転換期。
イギリスで活動する作家で、アフリカやイギリスで多くの人に読まれている作家です。
ルイーズ・グリュック 【アメリカ】
アメリカの詩人、ルイーズ・グリュック氏が選ばれています。
1943年ニューヨーク生まれで、1960年代から詩人として活動。
詩集「ワイルド・アイリス」で1993年にピュリツァー賞を受賞、2014年には全米図書賞を受賞しています。
ペーター・ハントケ 【オーストリア】
スレブレニツァの虐殺の事実を否定し、セルビア人の戦争犯罪を擁護するという政治思想から、受賞にあたって物議を醸した受賞者です。
セルビアのミロシェヴィッチ(2006年没)の熱狂的な支持者として知られています。
2018年の発表は中止!ニュー・アカデミー文学賞
「生命の樹―あるカリブの家系の物語」 マリーズ・コンデ(著)
カリブ海に浮かぶ島に生きる4世代の家族の物語
フランコフォニー文学の旗手として注目を浴びている作家。
2018年のノーベル文学賞の発表が中止となりました。
理由は、審査関係者のセクハラ・スキャンダルです。
それに替わり、2018年限りの賞としてニュー・アカデミー文学賞が設立されました。
オルガ・トカルチュク 【ポーランド】
ポーランドで最も権威のある《ニケ賞》受賞の紀行文学。
西洋と東欧に挟まれるポーランドならではの作品の多い作家。
カズオ・イシグロ 【イギリス】
ノーベル文学賞受賞後の第1作目となる最新作です。
AIロボットと少女の友情を描く小説。
日本人のDNAをルーツに持つイギリス人作家です。
代表的な作品に「日の名残り」があります。文章も丁寧で文学的な小説。
他にも、ディストピア小説の「わたしを離さないで」などがあります。
ボブ・ディラン 【アメリカ合衆国】
受賞にあたって賛否両論のあった受賞者
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ 【ベラルーシ】
1986年のチェルノブイリ原発事故の真実を追ったインタビュー集。
ウクライナ・ソビエト社会主義共和国に生まれ、ベラルーシ人の父とウクライナ人の母をもつ作家。
パトリック・モディアノ 【フランス】
フランスのユダヤ系作家
アリス・マンロー 【カナダ】
8つの短編集。カナダの小さな町を舞台に人々の営みを描いた小説。
カナダの作家。短編小説の名手として知られています。
莫言 【中国】
毛沢東の大躍進期と重なる幼少期に飢餓を経験する。
現代中国文学の代表作とも言われる小説。
トーマス・トランストロンメル 【スウェーデン】
戦後のスウェーデンを代表する詩人
独創的なメタファーを駆使することから「隠喩の巨匠」と呼ばれる。
マリオ・バルガス=リョサ 【ペルー】
ラテンアメリカ文学の文豪。ペルーの作家、マリオ・バルガス=リョサは、南米文学ブームの火付け役で、中心的人物です。
最新作は、「ケルト人の夢」です。
87歳を迎える2023年でも、精力的に新作を刊行されています。
「都会と犬ども」などの作品も有名です。