新型コロナ渦で感染症などパンデミックがテーマの疫病文学が注目されています。
そんな、疫病文学、パンデミック小説などをまとめました。
ペスト(黒死病)を中心に、過去の感染症、伝染病などの本も掲載。
ペスト(黒死病)関連小説
「ペストの夜」 オルハン・パムク(著)
ノーベル文学賞作家オルハン・パムクの最新作
ペスト渦での人間模様を描くサスペンス
構想40年、執筆5年!という壮大な1冊となっています。
オスマン帝国時代末期。ペストが流行し始めた島で、皇帝が派遣した疫病者が殺される。。殺人事件の謎を解きペストを食い止めるため、皇帝の姪婿の医師が派遣されるが!?・・
「ペスト」 アルベール・カミュ(著)
フランスのノーベル文学賞作家アルベール・カミュによる傑作小説
ペスト(黒死病)流行時と現在のコロナ禍が酷似していることから、1947年に発表された「ペスト」が再注目されています。
「ペストの記憶」 ダニエル・デフォー(著)
ペスト(黒死病)流行時の詳細がわかる古典的小説
当時の公的文書や個人の記録などを基に再現し、新型コロナ対策や拡大の阻止にも役立つ17世紀ロンドンのペストの惨禍。
2020年に、ミラン・クンデラが受賞しています。
疫病文学
伝染病、感染症、疫病などがテーマに組み込まれている小説です。
「赤死病」 ジャック・ロンドン(著)
復刊となる疫病による人類滅亡を予言した古典的作品
「白い病」 カレル・チャペック(著)
チェコの作家カレル・チャペックによる1937年刊行の名作SF戯曲
1920年発表の「ロボット-RUR」で、「ロボット」という言葉を生み出した作家の作品です。
「インフェルノ」 ダン・ブラウン(著)
人口増加による人口爆発などの話も大きなテーマとなっています。
人口が増えすぎている現在、人口を増やし続けて人類滅亡を招くのか・・
ペスト(黒死病)が流行ることで「ヨーロッパの人口の約3分の1が亡くなった」と言われています。
この3分の1の死について「無駄ではなかった。それは、増えすぎた人口から3分の1を間引いたことによって、次の時代の扉を開いたからだ。」といったニュアンスのことが書かれています。
【パンデミック】ミステリ小説
「56日間」 キャサリン・R・ハワード(著)
ロックダウンサスペンス
2020年、アイルランドのダブリンが舞台。
新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより、ロックダウン状態となったダブリン市内の集合住宅で、男性の遺体が発見される。。独身女性のキアラは、56日前にオリヴァーという男性と出会った・・
日本には無かったロックダウンの状況が読み取れるサスペンス小説。
「ロックダウン」 ピーター・メイ(著)
現在の状況を予見したかのような全英ベストセラー
バリー賞受賞作家による、2005年に出版を見送られたミステリ小説
「エンド・オブ・オクトーバー」 ローレンス・ライト(著)
ピュリツァー賞受賞作家による軍事・ポリティカルスリラー
「赤き死の仮面」 エドガー・アラン・ポー(著)
エドガー・アラン・ポーの疫病関連作品
「赤き死」なる疫病が猛威をふるう中、城で仮面舞踏会が催される。。奇妙な仮装をした人物が紛れ込むが!?・・
ゴシック・ホラーの名篇。
「黒死荘の殺人」 カーター・ディクスン(著)
古典ミステリーの巨匠「ジョン・ディクスン・カー」の密室ミステリー
「カーター・ディクスン」名義になっていますが、ディクスン・カーの別名ペンネームです。
「エンドロール」 潮谷 験(著)
新型ウィルス蔓延後の世界を描いた近未来ミステリ
202X年。コロナウィルスの打撃で不利益を被った若者達の自殺が急増する。。雨宮葉は、生命自律主義を名乗り自殺を美化する人々の自殺を阻止しようとするが!?・・
「星のせいにして」 エマ・ドナヒュー(著)
[2022年] みんなのつぶやき文学賞 第4位
パンデミック小説の金字塔
1918年、アイルランド・ダブリン。第一次世界大戦とスペイン風邪の大流行。
どこか現在の状況とかぶる設定の中、出産を控える妊婦に対し、看護師、医師、ボランティアの3人の女性が奮闘する・・
「白い病」【あらすじ & レビュー】
「白い病」 カレル・チャペック(著)
チェコスロヴァキアの国民的作家カレル・チャペックの戯曲です。
軍国主義が進むなか、疫病が広がったらどうなるのか!?
レビュー
戯曲のため、台本のセリフのような会話形式の文章で最初はとまどいましたが、馴れればグイグイ読めました。
150ページ程度で冊子も薄く、半日程度でいっき読み出来てしまいます。
伝染病が広がる中、もう1つのテーマも非常に大きな問題が絡んでいて、面白かったです。
新型コロナなど、伝染病や感染症のパンデミックと通じる話ですが、暗い感じではなく、ポップな気持ちで読めました。
教授や元帥などの登場人物が色々言っている間にも、次々に白い病になる患者が増えます・・
ラストの終わり方も衝撃的で、ブラックユーモアのような感じもしました。
解説も多くのページが割かれていておすすめです。