【芥川賞・直木賞】歴代受賞作一覧|両賞の違いについても

芥川直木賞2022

芥川・直木賞の最新受賞作と歴代受賞作をまとめています。

毎年、上半期と下半期の2回選ばれます。

日本文学振興会によって、それぞれの受賞作が選出されます。

【芥川賞・直木賞】歴代受賞作一覧

2024年 芥川賞

上半期

「サンショウウオの四十九日」 朝比奈 秋(著)

内科医として勤務する作家の驚異の想像力

同じ身体を生きる姉妹。1人に見えるが、すぐ隣にいるのは別のわたし。隣のあなたは誰なのか!? 今これを考えているのは誰なのか!?・・

 

「バリ山行」 松永K三蔵(著)

山と人生が重なる純文学山岳小説

建外装修繕を専門とする新田テック建装に勤める波多。同僚に誘われ、六甲山登山に参加する。やがて、社内登山グループは正式な登山部となる。そんな折、ベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる登山「バリ山行」をしていることを知り!?・・

 

2024年 直木賞

上半期

「ツミデミック」 一穂ミチ(著)

心揺さぶる全6話

夜の街で客引きのバイトをしている優斗。バイト中に話かけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶に戸惑う優斗だが!?・・「違う羽の鳥」調理師の職を失った恭一。ある日、小一の息子・隼が、聖徳太子の旧一万円札を持っていた。それを隼から奪った恭一は、たばこを買うため使ってしまう・・「特別縁故者」



2023年 芥川賞

下半期

「東京都同情塔」 九段 理江(著)

ディストピアをユーモラスに描いた現代版・バベルの塔

近未来。ザハハディド案の国立競技場が完成し、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることになる。建築家の牧名沙羅は、仕事と信条で苦悩し!?・・

 

上半期

「ハンチバック」 市川 沙央(著)

[第128回] 文學界新人賞 受賞作

患先天性ミオパチーによる症候性側弯症の自身をモデルにした作品

井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰す形で、湾曲している。。
両親が遺したグループホームの自室から、釈華はあらゆる言葉を送り出す!・・ 迫力とユーモアの1冊。

 

2023年 直木賞

下半期

「ともぐい」 河﨑 秋子(著)

動物文学の最高到達点

熊との闘いを描く熊文学

明治後期の北海道の山。熊爪は、山中で山男として熊をも狩る。マタギではなく、猟師でもない熊爪と穴持たずの熊、盲目の少女、ロシアとの戦争に向かう時代を背景に!?・・

 

「八月の御所グラウンド」 万城目 学(著)

感動の青春小説

京都。スポーツ✖青春の清々しい2篇

女子全国高校駅伝 ――方向音痴な女子高生が、都大路にピンチランナーとして挑む。

8月のグラウンドで野球をする大学生。御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する。

 

上半期

「極楽征夷大将軍」 垣根 涼介(著)

初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇

幕府の祖で謎に包まれた足利尊氏。天下をとった尊氏が権力の頂点へ登り詰められたのは何故か!? 地に堕ちた鎌倉府の信用、幕府の粛清、新生幕府の樹立!?・・

 

「木挽町のあだ討ち」 永井 紗耶子(著)

第36回 山本周五郎賞 受賞作

時代・歴史小説家の令和の傑作

ある雪の日、美しい若衆・菊之助による仇討ちが成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、多くの人々から賞賛される。2年後、菊之助の縁者というひとりの侍が、仇討ちの顚末を知りたいと訪れるが!?・・

語り草となった大事件の真相は!?ーー

 

2022年 芥川賞

下半期

「この世の喜びよ」 井戸川 射子(著)

純文学の作品集

ショッピングセンター喪服売り場で働く女性の日常。

ショッピングセンターで働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。その少女と仲良くなり、共感など言葉にならない感情を呼び覚ましていくーー

 

「荒地の家族」 佐藤 厚志(著)

東日本大震災を背景にした純文学

震災で様々なものを失った人達の物語。

宮城県の南部に暮らす40歳の植木職人・坂井祐治は、震災の2年後に妻を病気で亡くし、再婚するも仕事も家庭もパッとしな日々を過ごす。。元の生活には決して戻らない震災=厄災後を生きる人々の渇きと痛み・・

 

上半期

「おいしいごはんが食べられますように」 高瀬 隼子(著)

「食べること」を通して描くヒューマンドラマ

仕事に、食べ物に、恋愛に、、

職場でそこそこの二谷。料理上手で守りたくなる芦川。仕事ができてがんばり屋の押尾。3人の男女から視る現代社会。

 

2022年 直木賞

下半期

「地図と拳」 小川 哲(著)

[第13回] 山田風太郎賞 受賞作

歴史×空想の超大作

満州の架空の都市を舞台に、くり広げられる戦いと人々の群像劇。

満州に乗り込んだ日本人、ロシアの鉄道網拡大のために来たロシア人神父、抵抗する中国人。日中露の様々な思惑が交錯する物語。

日露戦争前夜~第2次大戦に満州の都市で繰り広げられる知略と殺戮ーー

 

「しろがねの葉」 千早 茜(著)

銀山で働く女・ウメの生き様を描いた大河小説

戦国末期、石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女・ウメは、銀山の知識と鉱脈のありかを授けられる。死ととなり合わせで銀の採掘に励む男達のそばで成長するが!?・・

 

上半期

「夜に星を放つ」 窪 美澄(著)

5編からなる星がらみの短編集

大切な人間関係を失い、傷ついた者達の物語。

日常にあるとまどい、うまくいかない境遇でも行動しようとする姿勢。

 

2021年 芥川賞

下半期

「ブラックボックス」 砂川 文次(著)

現代の若者の閉塞感や不安定な衝動を描いた1冊。

自衛隊と辞め、自転車メッセンジャーの仕事をしているサクマ。都内を走りながら街並み、倉庫、オフィスなどを見て起きる怒りの衝動。

 

上半期

「貝に続く場所にて」 石沢 麻依(著)

[第64回] 群像新人文学賞受賞のデビュー作

コロナ禍が影を落とす異国の街に、9年前の光景が重なり合う。ドイツの学術都市に暮らす私の元に、震災で行方不明になったはずの友人が現れる。人と場所の記憶に向かい合い、静謐な祈りを込めて描く鎮魂の物語。

 

「彼岸花が咲く島」 李 琴峰(著)

島を舞台にした中篇小説

彼岸花の咲き乱れる島に1人の少女が流れ着く。不思議な島の歴史と共に、様々な経験をしていくが!?・・

与那国島の史実がモデルではないか!?とも言われている1冊。

ファンタジーっぽい要素!?もありつつ。

 

2021年 直木賞

下半期

「黒牢城」 米澤 穂信(著)

このミステリーがすごい!2022年版【国内編】第1位

「王とサーカス」などの作品で知られる著者の歴史ミステリ

天正6年冬、本能寺の変の4年前。織田信長に反旗を翻して有岡城に立てこもった荒木村重。城内で起きる難事件に翻弄されるが!?・・

謎解きの推理小説としても人気の1冊です。

 

「塞王の楯」 今村 翔吾(著)

楯(石垣)と矛(鉄砲)の戦いを描く戦国小説

石垣職人と鉄砲職人の職人達の熱き戦い。

戦国時代、1573年~1600年関が原の戦い。石垣職人に助けられた匡介(きょうすけ)は、石垣作りの職人集団の飛田屋で育てられる。「最強の盾」である石垣を作れば戦を無くせると考えていたが!?・・

 

上半期

「テスカトリポカ」 佐藤 究(著)

[第34回] 山本周五郎賞 受賞作

このミステリーがすごい!2022年版【国内編】第2位

骨太ハードボイルドクライムノベル

メキシコのカルテルで麻薬密売人をしていたバルミロと川崎で生まれ育つ少年。2人は出会い、少年はいつの間にか犯罪に巻き込まれていくが!?・・

川崎とメキシコ、ジャカルタなど、世界を又にかけ、重厚感のある筆力と壮大なスケール。メキシコのアステカ神話も絡みつつ。

 

「星落ちて、なお」 澤田 瞳子(著)

女絵師の一代記

浮世絵師で日本画家の河鍋暁斎(幕末から明治初期にかけて活躍)の娘、河鍋暁翠の物語。

絵師という仕事とは!?--

河鍋暁斎の娘暁翠の師であり、父親である河鍋暁斎との心の葛藤。5歳で父親は師となり、兄がライバルとなる絵師の世界。河鍋一門の行末は!?-



2020年 芥川賞

下半期

「推し、燃ゆ」 宇佐見りん(著)

推し、燃ゆ
河出書房新社
発売日:2020/9/10

推し活に励む女子高生が主人公の純文学

デビュー作「かか」【三島由紀夫賞】最年少受賞の21歳の作家。

ある日突然、推しが炎上し――。芸能人・俳優・アイドルなどの通称「推し」。そんな推しを愛することに生活をささげる高校生あかり。ある日突然、推しがファンを殴った・・

 

上半期

「首里の馬」 高山 羽根子(著)

第163回(2020年上半期)芥川賞受賞作

沖縄の歴史を絡めたSF的要素?のある純文学作品

郷土資料館で資料の整理の手伝いをする主人公・未名子。仕事は、「孤独な業務従事者への定期的な通信による精神的ケア」という不思議な形態。そして、家の庭には1頭の宮古馬が迷い込み!?・・

沖縄の文化、苦難の歴史など琉球についての記述を含みつつ。

 

「破局」 遠野 遥(著)

破局
河出書房新社
発売日:2020/7/4

2019年に「改良」で第56回文藝賞を受賞しデビューした新鋭の第2作

彼女との破局までを描いた純文学

就職活動を控えた大学4年生の陽介は、お笑いライブで新入生の灯(あかり)と出会う。彼女の麻衣子(まいこ)よりも灯に惹かれはじめ!?・・

 

2020年 直木賞

下半期

「心淋し川」 西條 奈加(著)

連作時代小説

江戸の片隅、川沿いに立ち並ぶ古い長屋。懸命に生きる人々の人生模様。

 

上半期

「少年と犬」 馳 星周(著)

少年と犬
文藝春秋
発売日:2020/5/15

6篇からなる連作短編小説

ハードボイルド作家・馳星周の犬と人間の感涙作。

2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母と介護をする姉のため、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日、コンビニで野良犬を拾う。犬の名は「多聞」。和正の守り神のような存在になるが、多聞はいつも南の方向へ顔を向けている。どこへ行こうとしているのか!?・・

 

2019年 芥川賞

下半期

「背高泡立草」 古川 真人(著)

記憶と歴史が結びつく純文学風小説

大村奈美は母、伯母、従姉妹と共に、福岡から長崎の島に向かい、祖母の納屋の草刈りをする。何気ない日常のなかで、江戸時代、戦後など家に流れた時間を思うーー

自然描写、田舎の風景。エピソードがいくつか挿入される不思議な1冊。

 

上半期

「むらさきのスカートの女」 今村 夏子(著)

TikTokでも話題になったベストセラー

「わたし」は、近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になる。彼女と友達になるために、自分と同じ職場で彼女が働くように誘導する。そして、観察(ストーカー)を始めるが!?・・

 

2019年 直木賞

下半期

「熱源」 川越 宗一(著)

熱源
文藝春秋
発売日:2022/7/6

樺太(サハリン)のアイヌをテーマにした歴史大作

樺太に生まれたアイヌのヤヨマネクフ。集団移住の後、天然痘やコレラで妻や友人達を亡くし、再び樺太に戻ることを目指す。リトアニアに生まれたブロニスワフ・ピウスツキは、ロシアで皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。。2人は樺太で出会い!?-

樺太で生きるアイヌの風俗や風土などが描かれている1冊。

 

上半期

「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」 大島 真寿美(著)

人形浄瑠璃作者・近松半二の生涯を描いた物語。

江戸時代の大坂、道頓堀。近松半二は、弟弟子に先を越されながらも人形浄瑠璃に人生をかけるが!?・・

浄瑠璃や歌舞伎が世に広まりつつある時代の渦。

 

2018年 芥川賞

下半期

「ニムロッド」 上田 岳弘(著)

仮想通貨をテーマにした小説

IT企業のSEをしている中本哲史(ビットコインの作者と同じ名前)は、社長から仮想通貨の採掘を命じられるが!?・・

友人ニムロッド、恋人との関係。資本主義とは!?価値とは何なのか!?

仮想通貨の成り立ちや仕組みが勉強になる小説。

 

1R(ラウンド)1分34秒」 町屋 良平(著)

プロボクサーが題材の青春小説

デビュー戦を初回KOで勝ってからパッとしない成績のぼく。「そもそも何故、ボクサーをやっているんだろう??」と悩んでいる時に、長年のトレーナーに見捨てられ、現役ボクサーの新トレーナーと出会う。ウメキチというトレーナーと徐々に心を開きはじめ、全力で練習に励むが!?・・

 

上半期

「送り火」 高橋 弘希(著)

送り火
文藝春秋
発売日:2020/8/5

いじめを扱ったバイオレンス系小説

東京から青森県に引っ越した中学3年生の歩。通うことになった中学校は、人数の少ないクラス。小さな集団に自分は馴染めると思っていたが!?・・夏休み、歩はクラスメートから河へ火を流す習わしに誘われる。しかし、約束の場所にいたのはクラスメートと作業着の男だった・・

暴力性のある人間の怖さ、田舎の自然描写と閉塞感。。

 

2018年 直木賞

下半期

「宝島」 真藤 順丈(著)

宝島
講談社
発売日:2021/7/15

[第9回] 山田風太郎賞 受賞作

戦後間もない沖縄の状況が感じられる冒険、青春小説。

沖縄の戦後、1952年~1972年の本土返還まで20年の物語

3人の若者が激動の時代で熱く行動する姿が生き生きと描かれる。米軍基地に忍び込み、略奪した物品を住民に分け与える「戦果アギャー」など。

 

上半期

「ファーストラヴ」 島本 理生(著)

ベストセラーミステリ

女子大生の聖山環菜が父親を殺して逮捕される。。環菜は就職活動中で、面接の帰りに凶行に及ぶ。世間を騒がす殺人事件ながら動機がわからず、事件を取材する心理士の真壁由紀は、動機を探るため奔走するが!?・・

堤 幸彦監督で映画化もされています。

 

2017年 芥川賞

下半期

「百年泥」 石井 遊佳(著)

[第49回] 新潮新人賞

ユニークなストーリーの物語

インド南東部のチェンナイで日本語としてIT企業に雇われた語り手の「私」。そんな折、川が100年に1度の洪水にあう・・ もたらしたものは、圧倒的な「泥」だった。。

泥の中からは、ウィスキーボトル、行方不明だった人間などが!?・・

 

「おらおらでひとりいぐも」 若竹 千左子(著)

50万部突破の感動作、2020年、最強の布陣で映画化決定! 田中裕子、蒼井優が桃子さん役を熱演、「南極料理人」「モリのいる場所」で最注目の沖田修一が脚本・監督。すべての人生への応援歌。

 

上半期

「影裏」 沼田 真佑(著)

影裏
文藝春秋
発売日:2019/9/3

淡々と進むストーリーと静かな物語

岩手県盛岡。東京から関連会社に出向した主人公は、同僚の日浅にだけは心を許せた。共に、釣りを楽しむが、次第に日浅の影の面を知り!?・・

東北地方の叙情的な自然描写。東日本大震災を背景にした人間関係。

 

2017年 直木賞

下半期

「銀河鉄道の父」門井 慶喜(著)

父・政次郎の視点から描く「宮沢賢治」の生涯

岩手県花巻に生まれた宮沢賢治。明治29年(1896年)~昭和8年(1933年)没。生家は、祖父の代から裕福で、賢治の父・政次郎も地元の名士。

学問の道に進み、教師や技師として働きながら創作をした賢治は、どんな生涯を送ったのか!?ーー

 

上半期

「月の満ち欠け」 佐藤 正午(著)

ファンタジー要素のある壮大な愛の物語

月の満ち欠けのように生まれ変わる!?

人妻の瑠璃は、レンタルビデオショップの店員「アキヒコクン」と出会う。2人は男女の関係になるが、瑠璃が事故で死んでしまう。。生まれ変わり、再び出会えるのか!?・・「もう1度会いたい」という想い。

映画化済みの作品です。

 

2016年 芥川賞

下半期

「しんせかい」 山下 澄人(著)

富良野塾で倉本聰に師事する青年の私小説

19歳の山下澄人は、俳優を志し、北海道の俳優養成所へ向かう。養成所で待ち受けていたのは、俳優、脚本家を志す若者達との自給自足の共同生活と「先生」だったーー

 

上半期

「コンビニ人間」 村田 沙耶香(著)

「普通とは何か?」を問う自伝的純文学

コンビニバイト歴18年の古倉恵子。36歳未婚、彼氏なし。コンビニ店員でいる時だけ世界の歯車になれる・・。ある日、新入りの男性、白羽に「そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい」と言われるが!?・・

 

2016年 直木賞

下半期

「蜜蜂と遠雷」 恩田 陸(著)

[2017年] 本屋大賞 受賞作

ピアノコンクールを舞台に、音楽と才能を描いた青春小説。

芳ヶ江国際ピアノコンクール。ここの覇者は「世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあった。

自宅にピアノがない15歳の少年・風間塵。母の死の13歳以来、ピアノが弾けなかった20歳の栄伝亜夜。楽器店勤務でコンクール年齢制限ギリギリの28歳の高島明石。名門ジュリアード音楽院の19歳、マサル・C・レヴィ=アナトール。天才達による凌ぎ合いで優勝するのは誰か!?--

 

上半期

「海の見える理髪店」 荻原 浩(著)

全6篇のヒューマンドラマ小説集

「海の見える理髪店」-有名俳優や政財界の大物が通いつめた理髪店。僕は予約を入れて店を訪れるが・・

他、「成人式」「いつか来た道」など。。

父と息子、母と娘など、家族の絆がテーマのノススタルジックな作品群。

 

2015年 芥川賞

下半期

「死んでいない者」 滝口 悠生(著)

親族達の ”つながり” が描かれる小説

祖父が死に、通夜に集まった子供5人、孫10人、その配偶者5人、ひ孫3人、欠席者も2人いるが、親族大集合での一夜の物語。

 

「異類婚姻譚」 本谷 有希子(著)

【大江健三郎賞、三島由紀夫賞】受賞作家

ユーモアと毒の入り混じる短編集

顔が似てきた夫婦の物語。

ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気がつく・・他人同士がひとつになる「夫婦」という形式の違和感。。

 

上半期

「スクラップ・ アンド・ビルド」 羽田 圭介(著)

介護がテーマの小説

高齢の祖父と暮らす健斗は、無職で就職活動中の20代後半。「死にたか..」ともらす87歳の祖父。介護をこなす健斗の意外な行動とは!?・・

高齢者に向き合う心理状況など、介護生活の実情がかいま見れる1冊。

 

「火花」 又吉 直樹(著)

火花
文藝春秋
発売日:2017/2/10

吉本興業の芸人・又吉直樹のデビュー作

売れない芸人の徳永。熱海の花火大会で出会った先輩芸人、神谷に弟子入りを志願する。条件として「神谷の伝記を書く」ことを言い渡される。2人は頻繁に会い親密になるが、徳永は少しずつ売れて行き!?・・

 

2015年 直木賞

下半期

「つまをめとらば」 青山 文平(著)

去った女、逝った妻……瞼に浮かぶ、獰猛なまでに美しい女たちの面影はいまなお男を惑わせる。江戸の町に乱れ咲く、男と女の性と業。

 

上半期

「流」 東山 彰良(著)

流
講談社
発売日:2015/5/13

台湾の激動の歴史を絡めた青春小説

内戦で敗れ、台湾に渡った祖父が殺された理由と犯人を主人公が自らのルーツを辿りながら旅に出る・・ 1975年の台北も舞台になっています。

台湾の歴史もわかり、台湾旅行に行かれる人にもおすすめの1冊。

 

芥川賞と直木賞の違い!?

芥川賞の正式名称は「芥川龍之介賞」です。

  • 芥川賞は、純文学の新人に与えられる文学賞となっています。

直木賞の正式名称は「直木三十五賞」です。

  • 直木賞は、大衆小説作品に与えられる文学賞となっています。